日本でもタイでも、貫くギャルマインド
──日本でのアイドル経験を経て、次のステップとしてタイへ移住。現地でアイドル活動をする中で、日本との違いを感じたことはありますか?
まえのめり 文化が全く違いますね。タイでは、アイドルを職業として考えている人がまだ少ないのが現状です。
──以前にタイのアイドルにインタビューした時も、同じことを指摘していました。
まえのめり 日本は「アイドル一本でやっていこう!」って人生をかけている子が多いけど、タイでは文化的な違いもあって、私生活を優先するアイドルが多い印象です。
最初はそのギャップに苦労しました。その時に、そんな状況で周りが自分にどうやったら着いてきてくれるか? を考えました。
──現在所属しているグループ・いきなりテルミーのメンバーには、アイドル経験の無い人もいたと思いますが、どのようにグループをまとめ、アイドルとしての姿勢をレクチャーしたんでしょうか?
まえのめり 態度で示してきました。以前所属していたアイドルグループは超体育会系だったので、そのスタンスを曲げずに、自分だけでも頑張ろうって、ひたすらストロングスタイルを貫きました(笑)。
そしたら周りのメンバーも変わり始めて、「こういう時はもっと練習をしなきゃいけないんだ」とか、徐々にアイドル活動に対して熱心に取り組んでくれるようになりました。
いきなりテルミーのメンバーは、そんな姿勢の私についてきてくれて、ストイックに練習を重ねてきました。だから、ライブパフォーマンスはどのタイアイドルにも負けてないと思います!
──アイドルとしての姿勢を、言葉よりも自らの行動で見せてきたんですね。
まえのめり わからなくても、何語でもいいからとにかくひたすらしゃべって乗り切ったり、コミニュケーションをとって伝えようとしました。
移住し始めた頃はタイ語も挨拶くらいしか知らず、言葉の壁を感じました。限られた手段で話そうとしても、相手もニュアンスがなかなか汲み取れないし。
メンバーに伝えたいことも伝えられず、翻訳アプリを使ってみましたが、訳された言葉をよくよく調べてみると、かなり強い表現になってしまっていることも多くて。
芸能活動の経験が浅い子たちに、そういった言葉の行き違いでアイドル活動を嫌になってほしくないので、そこは気をつけていたし、伝えることが難しい面では言うのをやめるようになりました。
なのでダンスレッスンなどでは、言葉よりもまずは態度や姿勢を見せるところからスタートしました。
──コミュニケーション能力の高さが、言語以外にも活かされているんですね。共演したアイドルさんともすぐ友達になっていますし、どこでも誰とでもすぐに仲良くなれるような印象があります。
まえのめり タイに移住してからラオスへの一人旅の中で、バックパッカーのドイツ人女性と仲良くなりました。お互い共通してわかり合える言語が無い状態でしたが、一緒に観光して、今でも連絡は取り合っていて仲良しです。
どんな手段でも意思疎通はできるんだなって感じました。「私は知りたいです!」「こうしたいです!」って前のめりな精神で乗り切りました。そういうことが海外では大事だなって、日々の生活からも感じますね。
まえのめり タイでは日本のカルチャーを発信する「JAPAN EXPO」などの大きなイベントが度々あって、世界中からファンの方々が集まります。
インドネシア、マレーシア、香港、台湾、インド、オーストラリア......そんな様々な国の人たちに楽しんでもらうためには、自分から積極的にコミュニケーションをとろうとする努力が必要だって実感しました。
ちなみにドイツ人の友達にはアイドルって明かしていません。ライブを見たらびっくりするかも。
アイドルのセカンドキャリアへの試みも
── 一緒に活動しているいきなりテルミーのメンバーで、特に成長を感じたメンバーはいますか?
まえのめり 特に成長を感じたのはミニーちゃん。ダンス初心者で、初めの頃は振り付けもなかなか覚えられませんでした。それでもストイックに練習についてきてくれて休憩時間中も自主練したり、わからないところは積極的に質問したりする。
すごいなって思うのは、健康に気を使って筋トレを毎日頑張っているので、ダンスにパワフルさや迫力が出てくるようになりました。メンバーたちは皆、ライブを重ねるたびに成長しています!
タイのアイドルの文化的な違いも意識して、誰が休んでもフォーメーションがきれいに見えるように整えて練習しています。ファンに届けるからには、いつでも良いパフォーマンスをしたいので。そういった細かいフォローもできるグループになりました。
──いきなりテルミーには、他にどんな強みがありますか?
まえのめり メンバー仲がとにかく良いです。よくご飯も食べにいきます。今までのアイドル活動ではプライベートを切り分けて考えていたので、メンバーと仲良くするということはあまりなかったんですが、国籍関係無くこんなに仲良くなれるのはいいことだと思いました。
──日本では「Amakara!」というユニットも結成されて、日本とタイを往復するハードな生活を送っていますね。
まえのめり Amakara!は元々仲の良い子たちを集めて始まりました。それぞれアイドルとしてのキャリアから一旦離れた子たちなんです。
日本だと、毎日のようにスケジュールが詰まっているような活動スタイルのアイドルがほとんど。他のキャリアや実現させたいことがあると、アイドルの道を諦めるしかなくて、なかなかアイドルを続けることが難しいんです。
タイだと、ひと月に片手で数えられる回数のライブに出るだけとか、活動の少ないアイドルもいて。日本でもそういう新しい活動スタイルのアイドルがあってもいいんじゃないかなって思ったんです。
アイドルを諦めたくないという気持ちを持つメンバーと、日本でも時々活動したいという私の思いが合致してスタートしました。周りを巻き込んで協力を仰いで始めましたが、「この子は得意な歌を、この子はダンスを活かせればいいな」ってセルフプロデュースしています。
──アイドルのセカンドキャリアとしても面白い試みですね。衣装も女の子らしいスタイルを活かせるスタイリングですが、めりさんプロデュースなのでしょうか?
まえのめり はい。お互いの好みは知っている仲なので、プラトゥーナム(※)で「これはメンバーに合うな」って衣装を探しました。
※プラトゥーナム:バンコクにある衣料品市場。世界中からバイヤーが集まる流行の発信地であり、日本で販売される衣類も買い付けが行われている。
──2つのグループを兼任する中で、切り替えのようなものは意識しているのでしょうか?
まえのめり いきなりテルミーは、自分のキャリアの中で「アイドルとして売れるぞ!」という姿勢で考えています。でも、タイ人のメンバーが頻繁に日本のステージに立つことは、現実的に難しいです。
なので、Amakara!として私が日本でも活動して、絶え間なくファンと交流してステージに立つことが大切だと思っています。Amakara!は日本の友達との息抜きという側面もありますが。
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2件のコメント
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匿名ハッコウくん(ID:10144)
まえのめりさんが前に所属していたグループが大好きで、元気いっぱいな煽りや歌、ダンスにパワーをもらっていましたが、このインタビューでも、パワーをもらいました!すごいな……と感心します。海外にアイドル文化があることにもびっくりしました。タイみたいに私生活を優先させるアイドルというのもとてもいいなと感じました。めりちゃん、応援してるよ〜!
匿名ハッコウくん(ID:10143)
世界一かわいいわね