チケット転売サイト「チケット流通センター」運営会社、米大手が87億円で買収

チケット転売サイト「チケット流通センター」運営会社、米大手が87億円で買収
チケット転売サイト「チケット流通センター」運営会社、米大手が87億円で買収

2019年に「チケット不正転売禁止法」が施行された

コンサートやライブ等のチケットリセールサイト「チケット流通センター」を運営する株式会社ウェイブダッシュを、アメリカの大手チケットリセール企業・Vivid Seats社が買収することが分かった。

Vivid Seats社の8月7日の発表によると、買収金額は約6100万ドル(約87億円)にのぼる。

※記事初出時、一部記述に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。

国内のチケット転売サイトを巡る動向

チケットの転売問題を巡っては、2019年に国内でチケット不正転売禁止法が施行。

有償譲渡を禁止する旨が明記された座席指定等がされたチケット(同法律では「特定興行入場券」と呼ばれる)を、定価以上で不正転売することが罰せられることになった。

それ以前にもミクシィの子会社が運営していた「チケットキャンプ」が2017年、ジャニーズ事務所の商標を侵害し、商標権侵害・不正競争防止法違反の疑いがあるとして家宅捜索を受け、同社の元社長やミクシィ社長ら3人を商標法違反(商標権侵害)書類送検。

最終的にサイトは閉鎖に至るなど、世間で大きな話題を集めた。

「チケット流通センター」の今後は?

そのような中で、多くのセカンダリーマーケットやECサイトがチケット転売サービスを敬遠・撤退する中であっても運営が続いているのが「チケット流通センター」だ。

2022年に「チケット流通センター」も警視庁から高額取引の監視や情報共有をするよう要請を受けている(外部リンク)。

「チケット流通センター」も不正転売を行わないよう呼びかけを行っているが、高額転売の温床として利用されている向きもあり、ユーザーからも心配の声も挙がっている。

「チケット流通センター」で不正転売されていると思われるチケット。人気アイドルのコンサートなどで目立つ。

Vivid Seats社は、今回の買収について「グローバルなリーチを日本に拡大する」として、「(「チケット流通センター」を運営する)ウェイブダッシュ社は、日本の二次流通のマーケットリーダーであり、強固なテクノロジーとコンプライアンス能力に支えられ、大規模な顧客ネットワークを持っています」と高く評価。

ただし、今後「チケット流通センター」がどのように運営されていくのか、サービスの運営方針についてのコメントはない。

一方、株式会社ウェイブダッシュの株式を保有する株式会社アドバンテッジパートナーズは2023年9月8日、Vivid Seats社への全株式譲渡を発表(外部リンク)。

その中で、「ウェイブダッシュはVivid Seatsグループに加わることで、Vivid Seats の知見及びノウハウを活用し、インターネット取引におけるプラットフォームとして更なる成長を実現していけるものと考えております」とコメントしている。

KAI-YOUでは、今後の「チケット流通センター」のサービス運営方針について、株式会社ウェイブダッシュに取材を申し込んでいる。現時点で回答はない。
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