野良いぬインタビュー 多才なMVクリエイターの抱く“ギャル”への憧れ

TikTokでバズらせるコツはない しかし……

──MVの制作は、普段どのような流れで進んでいくのでしょうか? 野良いぬ まずはその曲がどういうコンセプトなのか、またどういう動画にしたいのかをクライアントに聞きます。その情報を元に絵コンテを描いて、イラストレーターさんたちに素材を描いてもらい、それを組み合わせて動画にしていく感じですね。

これまでは全部ひとりでやることが多かったんですが、最近、制作会社・ヤネウラスタジオに所属してチーム制作をするようにもなったので、ディレクターとして指示出しするようにもなりました。それでも、最終的に私がまとめています。

──第一線で活躍するクリエイターの目線から見た、現在のMVシーンへの印象を教えてください。

野良いぬ とにかくサムネイル勝負というか、そこで再生されるか否かが決まってしまうと感じています。

特にボカロ曲だと、そのサムネイルに使われている一枚絵の上に、歌詞のモーションタイポグラフィが表示されるMVがめっちゃ流行しているじゃないですか。

正直私はあまり得意な形式じゃないので、そのフォーマットの上でいかに新しいものを生み出せるか、動画クリエイターたちが頑張っていて「すごい」と思っています。 ──確かに。人気のあるMVはサムネイルとセットで印象に残っています。

野良いぬ サムネイルと最初の何秒かで印象が決まっちゃうので、かなり重要になっていると思います。

昔のMVは「お前らこんなの観たことないだろ!」ってどれだけすごい新技を見せられるかを競っていたんですが、最近は逆に、真似しやすさをウリにしているものも増えてきましたね。

歌詞のモーションタイポグラフィを配布するなど、「歌ってみた」などの二次創作などを通した広まり方も最初から考慮している作品も多いんじゃないでしょうか。

──最近ではさらにTikTokでの拡散性も大きな要素になっているようにも感じます。

野良いぬ 最近の依頼では、やはり「TikTokでバズらせたい」って要望は多いですね。まさに「チューリングラブ」のMVがTikTokでものすごく話題になったので、「あんな感じでサビはダンスを入れたい」ってお話はよくいただきます。
野良いぬが制作したナナヲアカリ「チューリングラブ feat.Sou」MV
野良いぬ あと、縦長の動画にしたいってご依頼もありますね。今の若い人たちはスマホの画面でしか観ないことも多いので、その層に優しい動画をつくるのは基本になってくるのかもしれません。

──野良いぬさんの中で、TikTokでバイラルヒットさせるコツのようなものはありますか?

野良いぬ バズらせたいって意気込んで、有名なクリエイターたちを集めてもそれでヒットするわけじゃないですし、良い曲は絶対に流行るかというとそんなこともなくて……。

強いて言うなら、わかりやすく振り切ったものがいいのかな、とは思います。可愛いだったら、もうブリブリに可愛くしちゃうとか。結局TikTokは、どれだけギャルが気に入ってくれるかの世界ですからね……!

黒一色、できる大人感「DAIV」デザイン面の評価

──ここからは「DAIV」のデザイン面のご感想を聞ければと思いますが、野良いぬさんは機材を購入する時こだわりなどはありますか?

野良いぬ 私は完全にスペック重視で(笑)。メモリやグラフィックボードのスペックは高ければ高いほど良いと思ってます!

とにかく、レンダリングがストレスなくできるようにするのを第一に考えています。それを実現できるものを選んでいますね。

といってもそんなに詳しいわけでもないので、機械に詳しい友人にオススメしてもらったものを買っていました(笑)。

──(笑)。リニューアルした「DAIV」の筐体についてはいかがでしょうか?

野良いぬ 一言でいうならスタイリッシュですよね。 野良いぬ 高性能モデルに多いんですが、あんまり派手すぎるPCは苦手なんですよ。カッコいいはカッコいいんですけど、ちょっと疲れちゃうから(笑)

「DAIV」はどこにでも馴染むデザインだから、お家に置いても違和感がない。黒一色なのができる大人感があってたまらないです(笑)。

リニューアルしたDAIVの筐体。最新のCPUとGPUを搭載するためにケースを大型化。これまで搭載できなかった大型のグラフィックボードを最大2基積めるようになった。フロントパネルの構造上、ファン音などの漏れが低減しており、高負荷時も静音性を保てる。

──気に入っていただけたようでなによりです。他にお気に入りポイントはありますか?

野良いぬ 上面に電源とUSBコネクタがあるのもいいですよね、カバーで隠せるし、とても好きな部分です。

机の下に筐体を置くと、コードの抜き差しをする際、普通はかがんだりしなくちゃいけないじゃないですか。でも、「DAIV」だと椅子に座りながら抜き差しできたので、その煩わしさもなくてすごい便利でした。

上面には電源ボタンとUSBコネクタを搭載。ホコリが入らないようスライド式のカバーが設けられている。

──便利といえば、ハンドルとキャスターが付いているのもポイントになっています。

野良いぬ 触ってみるまで知らなかったので、スムーズに動かせてビックリしました。

ちょっと位置をズラしたいなってことが結構あるんですけど、その度に持ち上げるのは面倒くさいので、ハンドルとキャスターが付いていて楽でした。見た目より重くないですし。飽きるとすぐ模様替えをしたいタイプなんですよね。

ハンドルとキャスターが付属しており、筐体の移動も簡単。

──メンテナンスのしやすさも新型「DAIV」の特徴です。野良いぬさんは普段、機材のメンテナンスをこまめにされますか?

野良いぬ しなくちゃいけないのはわかってるんですけど、放っておいてしまうタイプです(笑)。

メンテナンスするまでに手順がいろいろあると思うと億劫になるので、「DAIV」はそこが簡単になっているのですごく助かります。

──ちなみに、思うように機能をつけられる夢の機材がつくれるとしたら、どんなものが欲しいですか?

野良いぬ 押すだけで動画が出来上がるボタンが欲しいですね(笑)。脳みそにある完成図をそのまま出力できたら楽だなって思います。

暇があったら寝ていたいタイプなので、細かい作業をしていると、「あー!この作業、すぐ終わればいいのにー!」って考えてしまいます(笑)。

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