山田参助さんといえば、1994年にゲイ雑誌『さぶ』でのデビュー後、ゲイ雑誌だけでなく幅広いジャンルでのイラストや作品を発表。中でも、2013年~2018年にかけて『月刊コミックビーム』で連載された『あれよ星屑』が有名です。
第二次世界大戦後の日本を舞台に復員兵の男2人が悲喜こもごもに生きていく様子を描き、第23回「手塚治虫文化賞」新生賞や第48回日本漫画家協会賞、フランスの漫画賞「Prix Asie de la Critique ACBD 2020」を受賞するなど、国内外で高い評価を受けています。
今回は山田参助さんの初期作品から最新作の生原稿や、作品制作にあたってのラフ・資料を一挙に展示する「山田参助 博覧会」をレポート。なお、記事では掲載しませんが、展示には性的表現を含む過激な描写なども多いため、来場の際には予めその旨をご承知ください。
取材・文:須賀原みち
近年の漫画からゲイ雑誌掲載の初期作品まで
イベント「楽しい夜更かし」チラシ描き下ろしイラスト
書籍『漫画家の自画像』(著:南信長/左右社)表紙イラスト
もう一方の展示スペースは、ゲイ雑誌で発表された初期作品の原稿やイラストを中心に構成されていて、むくつけき男性のエロティシズム“ムンムン”の空間となっています。個人的には、絶版となり古本市場でも高騰している単行本『ラムネイッキ』所収作品の生原稿を見られるのがとても嬉しい!
ゲイ雑誌『SAMSON』表紙イラスト
山田参助短編集『ラムネイッキ』(古川書房)所収の『強いぞ僕らの陸・海軍 僕もいくから君もいけ』原稿
『ラムネイッキ』所収の『忠僕ごろすけ奉公記』原稿
小説『それでも俺は、妻としたい』(著:足立紳/新潮社)表紙イラスト
連載
“LGBTブーム”の中で、数多く輩出されるLGBT表現の数々。そこで“描かれなかったもの”、あるいはエンターテインメントだからこそ“描かれたもの”とは? 作者と送り手へのインタビューを通じて、LGBTと社会との距離を推し測る。
0件のコメント