30代童貞から電撃結婚したヒゲドライバーをお祝いにいった話

「大事なのは、そこに至るストーリーだったんだ」

10周年の2年後、2017年に4thアルバム『ヒゲドライバー 4UP』がリリースされた記念で、小澤さんと対談していただきましたよね。

僕が「ヒゲさんは童貞だそうです」とぶっこんだ対談で、お互いの家族観みたいなお話が出たり、ヒゲさんも「今の目標は、女優、もしくはAV女優と結婚すること」と言ったりしていたのに、そのときには誰もが想像もしていなかった未来になったな…と思うわけですよ。

そうですよね…。

3年前の居酒屋対談にて。撮影:山口雄太郎

そうだ。夢叶ったじゃん! “女優と結婚”っていう夢が。声優さんも女優です。

確かに、夢を叶えてる…(笑)。

実際、ヒゲさんは着実に夢を叶え続けている人ですよね。音楽一本で食べていきたいと山口から上京して、成功して有名になって、そして女優と結婚もされた。

スローペースですけどね。37歳にしてようやくここまで辿り着いたという気もします。

いろんなメディアに、“ミュージシャンのヒゲドライバーさん結婚”って書いてあったもんね。自称じゃない“ミュージシャン”の表記!

いや本当に、あんなに大々的にニュースになるとは思わなかった…。

それはなりますよ。人気クリエイターと人気女優の結婚ですから。

あのとき、うちの10周年インタビュー記事がすごい注目されて、ありがたい一方で“童貞”がトレンド入りしたらどうしよう…入ったら僕の責任だ…とは思っていました。

それはそうだ(笑)。

でもみなさん、思い出してください。ヒゲさんが童貞だという話にきちんと応じてくださった小澤さんが、「卒業したときには是非インタビューしてほしいなぁ」とおっしゃっていたことを(関連記事)。だからこそ今日、僕はここに来ました!

伏線を回収しにきた! 本人が言ったなら、しょうがない。

だから僕は、世界中のゲスい心を一心に背負って、もう一度うかがいます。ヒゲさん、どうでしたか?

考えながら、慎重に言葉を選びながら答えてくださるヒゲドライバーさん

……(笑)。そうですねえ…………相手がいることなので、それ自体については言及しません。僕としては、もっと手前で発見があったり衝撃を受けたりしたんですよ。

たとえば?

それこそ、初めてお互いに気持ちを伝え合ったとき、手を繋いだとき…

初々しいタイミング

そう。世の中でヒットしている恋愛ものも、一番盛り上がるのは初々しい経験じゃないですか。そこが一番歌になりがちな理由がようやく納得できて。大事なのは、そこに至るストーリーだ、ってことに気づけた。

童貞だったからこそ、この恋愛があって結婚があったと思っています。でも、童貞を捨てる捨てないは、実はそんなに大事なところではなかったんじゃないだろうか、と今では思います

普通に、めちゃくちゃいい話だこれ。音楽の話一切してないけど。

自分にも気付かなかった感情を引き出してくれた人

では、伴侶を見つけられてから、ご自身に関する発見はありましたか?

意外と、自分にも“嫉妬心”とかあるんだなって思いましたね

なんと。同級生の方々に「あんまり心を見せない」とか何考えてるかわからないところがあるとか言われていたヒゲさんに、嫉妬心が!※4

※4 非常にひょうきんで優しいヒゲドライバーさんながら、一方で幼馴染から「あんまり心を見せないところがある」と評される一面もあった

山口県の母校にて、幼馴染たちと

自分でも驚くんですよ。もともと僕はあんまり人に執着しないしわりとドライだし、自分のことばかり考えて生きてきた。でも今は、ちょっと敏感になることがあって…

それは大きな変化ですね……!

きっと多くの人が学生の頃とかに芽生える感情だと思うんですけど(笑)、僕の場合は最近ようやく、そういう気持ちが自分もあるんだって思いました。

そういう感情がなかったわけじゃないってことですね。

そう、彼女は初めて僕のそういう感情を“引き出してくれた”人だと思います。“人間味しかない”みたいな人ですし(笑)。

僕は感情を隠しがちな人間だけど、彼女は感情を全部出す人間。一緒にいると、つられて感情が出る瞬間がたくさんあって。人に対してドライだった自分が、ちょっとうるおいを持った感覚はすごくあります。

さっきからずっといい話だ……。

…にいみくん、いい話だって言ってるけど、顔はずっと不可解な表情をしてるけど大丈夫? 「俺が知ってるひねくれたヒゲドライバーと違う」みたいな

いやいや、そんなことは…。全く悪い意味じゃなくて、人間って年齢に合わせてステージが変わりますし、いろんな方の影響を受けて今のヒゲさんがいらっしゃると思うと感慨深いですよ。

本当に?

それは本当なんですけど、それはそれとして、ヒゲさんからとんでもない話が出てきたら記者としては面白いんですけど…

今の絶対に(記事に)書いて! これ超大事だから!!

そりゃあそうですよ! 僕はひとりの人間として心から祝福しているのも本当です。

ただ、いろんなメディアで「モテたくて音楽始めたわけですけど結婚してどうですか?」って質問にサラッと答えられていて、本当にそうなのかなとかいろいろ考えてたのは事実です。だからこそ今日は直接うかがいたいと思って来ましたから。

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