e-Sportsチーム Crazy Raccoon「OPENREC」と独占契約 過熱する配信ビジネス

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「OPENREC.tv」と「CrazyRaccoon」とスポンサー/ライブ配信契約

POPなポイントを3行で

  • Crazy Raccoonが「OPENREC.tv」とスポンサー/配信契約締結
  • 「Mildom」との独占配信契約の解約を発表した翌日
  • 過熱する配信プラットフォーム間での移籍競争
プロゲーミングチーム・Crazy Raccoonが「OPENREC.tv」を運営するCyberZとスポンサー/配信契約を結んだことを発表しました。

今後は「OPENREC.tv」にてチームが開催する『Fortnite』の大会「Crazy Raccoon Cup」の独占配信や所属選手の配信がおこなわれるとのこと。

また、オリジナルグッズ制作、OPENREC専用スタジオで収録の特別番組やファンに向けたプレゼントキャンペーンなどが予定されています。 一方で、Crazy Raccoonと独占配信契約を結んできた動画配信サイト「Mildom」はこの発表に対して契約違反だとする声明を発表。事態は混迷を深めています。

『Fortnite』国内トップチーム・Crazy Raccoon

Crazy Raccoonは『Fortnite』を中心に活動するプロゲーミングチーム。RizArtさんやRuriさんが所属する国内トップチームとして、国際大会での活躍にも注目が集まっています。 そんなCrazy Raccoonは、4月7日にMildomと結んでいた独占配信契約の解約を発表。

発表の中では解約の経緯について、独占配信で実施した大会が開始直後にサーバーダウンし配信が止まる事態が発生したことでMildomと協議がおこなわれていたと説明。

その後、3月に株式会社Cygamesより、「ライブ配信プラットフォーム「Mildom」における、当社コンテンツを使った投稿・配信の禁止について」の発表(外部記事)がされるなど信頼関係の構築、トラブル解決に至らず、やむなく独占配信契約を解約したと明かしています。

契約の解約についてMildom側はCrazy Raccoon側から一方的に解約・破棄できるものではないとする声明を発表(外部記事)。契約内容に基づき、早期解決に向けて取り組んでいくとしています。

配信者を巡る配信プラットフォーム間の争い

Mildomは中国の大手ライブ配信サービス「斗魚(闘魚、DouYu)」と、日本の商社「三井物産」が共同で立ち上げた「株式会社DouYu Japan」が運営。配信者に対して1時間毎に500円の報酬を付与するキャンペーンなどで話題になりました。

今年に入ってからは他配信サービスで活動する配信者に高額報酬での配信契約を持ちかけていることでも知られ、Twitchの『League of Legends』配信者・スタンミじゃぱんさんは月500万以上の契約内容を断ったと配信で明かしています。 現在はゲーム実況者のKUNさんやドズルさん、レインボーシックスシージなどで活動するプロゲーミングストリーマー集団「父ノ背中」、バーチャルYouTuber(VTuber)の天開司さんなどがYouTubeでの活動と並行してMildomで配信しています。

一方、今回Crazy Raccoonが契約を結んだ「OPENREC.tv」はCyberZが運営するゲーム動画プラットフォーム。国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」などe-sports事業を多角的に展開しています。

前述のMildomでの投稿・配信の禁止を発表したCygamesとは同じサイバーエージェントグループに属しており、当時は「OPENREC.tv」で配信していた『Shadowverse』や『グランブルーファンタジー ヴァーサス』のゲーム実況者の引き抜きへの対抗策ではないかと話題になりました。

海外では2019年8月に発表された人気ストリーマーNinjaさんの配信プラットフォームを「Twitch」から「Mixer」への移籍以降、ShroudさんやPokimaneさんなど人気配信者の独占配信契約が話題になっています。 最近では新型コロナウィルスの影響でYouTubeでの生配信でも不具合が発生するなど各配信サイトでトラブルになっています。Mildomでも先日、人気声優の花江夏樹さんが配信した際にサーバーダウンが発生し、他の配信にも障害が発生しました。

人気配信者はファンの他にも多数のスポンサーを抱え、広告塔としての役割も担う存在。多額の報酬や快適な配信環境の整備など、配信者の価値に注目した国内の配信プラットフォーム間の競争は今後も過熱していきそうです。

普段観ている配信者が高く評価されるのは嬉しいところですが、他方で配信サイトを訪れる視聴者にとってサイト間の確執やチームとサイトとの契約のこじれは関係のないもの。画面外のイザコザが目に入らないよう権利関係の整理など早期の解決が望まれます。

新時代のスター・ゲーム実況者

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