2月5日(火)、ついに日本国内の動員が100万人を突破。興行収入も14億円を超える快挙となった。
この快挙に、現在各国の映画祭やプロモーションで海外を飛び回っているポン・ジュノ監督と、主演のソン・ガンホさんからも「100万人、ありがとう!」と手書きで記したボードをもって、満面の笑みで感謝を伝える写真が到着。
本作は公開4週目に入った2月1日(土)、2日(日)の動員は依然として前週比101%越え、パラサイト熱は落ち着くどころかさらなる盛り上がりを見せており、2月1日の映画サービスデーには全国的に満席となる回が続出している。
日本時間の2月10日(月)に発表となるアカデミー賞受賞への期待も高まっており、劇場へ詰めかける観客もさらに増えそうだ。
ポン・ジュノが語る『パラサイト』が世界中で受け入れられるワケ
豪邸に暮らす裕福な家族と“半地下”に暮らす貧しい家族の対比的な姿を通じ、人々の避けられない亀裂をブラックユーモアいっぱいに、またサスペンスフルに描くこの映画は、韓国が抱える過酷な社会問題に焦点を当てながらも、多くの観衆を惹き付けてやまない普遍的エンタメ要素に溢れた複合的な魅力を持っている。人々の避けられない亀裂の象徴として「人のにおい」が重要なモチーフになっている本作。映像作品ではなかなか描かれない要素だが、KAI-YOU.netが行ったインタビューでポン・ジュノ監督は、「この映画では反対に、人間が人間の境界線を越え、においについて赤裸々に描かれています。においというものが描かれることで、悲劇的な芽が生じてくる状況が生まれるのです」と「におい」が作品に与える効果を解説。
さらに「『パラサイト』は、裕福な人と貧しい人が、お互いのにおいを嗅げるほどに接近し展開していくストーリーとなっています。だからこそ、においという要素は本作において必然になったのだと思います。」と語っている。 「古い切り干し大根のにおい」などの韓国文化に深く根差すドメスティックなモチーフも多く存在していたにも関わらず、世界中で受け入れられたことについては「最初は外国の方に理解していただくことが難しいのではないかと考えていました」と話したポン・ジュノ監督。
ところがその予想とは逆に大ヒットを記録。この反響については「この作品における社会や家族の状況というものが全世界にある暮らしに繋がっているというのは、世界的な生活の状況が均質化しているということを表しているのではないかと思います」とした上で、「今はインターネットやSNSを通じて人々の暮らしを覗き見ることの出来る時代ですので、そういった意味ではバリアや障壁というものが無くなってきています」と鋭い分析もみせた。
例えば、この映画のオープニングでは半地下の窓を通じて外の光景が映し出されていますが、この半地下という独特な居住形式の窓から見える景色というものを外国の人は「あ、ちょっと変わっているな」「韓国にはこんな家があるんだ」と思われるかもしれません。
(中略)
しかしその後に家の中にいる息子と娘がWi-Fiの電波を探すシーンを見れば、海外の観客の心もすぐにオープンになるのだと思うんです。なぜならWi-Fiの電波を探す行為は、今全世界においてどこでも行われているものだからです。そうして、私の意図するところではないところで普遍的なイメージが作り出されたのではないでしょうか。 『パラサイト』ポン・ジュノ&ソン・ガンホ インタビュー 二人が語る“傑作の出発点”より
『パラサイト 半地下の家族』の反響を振り返る
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