世界最高峰のGoT、最終シーズンを終えて議論が紛糾
GoTのストーリーをざっくり要約すると、ドラゴンや魔法使いが存在する世界を舞台に、7つの国が覇権を争うファンタジードラマ、というシンプルなもの。世界観だけ聞くとありがちにも思えるこのストーリーが、なぜ世界中を熱狂させたのか。
いくつもある理由の一つは、膨大な数の登場人物たちが織りなす分厚い人間ドラマが挙げられるでしょう。
ともするとあっさり、時に凄惨なやり方で物語から退場していくあの人やこの人。
残された者たちは何かしらの形で退場者たちの遺志を引き継ぎ成長していくわけですが、そんな人間ドラマを緻密に時間をかけて描写してきたからこそ、熱い支持を受けてきたGoTです。
だからこそ、登場人物の生死を含めて、次々と怒涛の展開を見せた最終章については賛否両論の反応が。
特に、これまで丁寧に登場人物たちの心理描写を積み重ねてきたにも関わらず、最終章では特にある主要人物の“心変わり”ともとれる大胆な行動があまりにも性急であったことから、様々な意見が飛び交い、議論がリアルタイムで紛糾しているのでしょう。
ゲースロ、最終話。遂に終わってしまったのだという寂寥感と充実感、加えて少しばかり出来に関する不満はあるというのが正直なところ… このラストに文句言う人は少ないと思うけど問題はそこに至る過程でもっと上手いやり方があったのではという想いが立ち消えない… #ゲームオブスローンズ
— pianonaiq (@PIANONAIQ) 2019年5月20日
不満を述べる人もいれば、現代社会とリンクするような終わり方に賛辞を述べる人もいます。ゲースロラストとても良かったと思う。すごい。良かった。ほんとこれまでのドラマとは違う。時代が変わったことを感じたし作り手がちゃんと時代の変化の中で物語を作ったというのが本当に感動した。ゲースロに出会えて良かった。教えてくれてありがとう
— ぽややん (@poyoyoQ) 2019年5月20日
ドラマと原作のラストの違いは? 原作者がコメント
そんな中、GoTの原作小説『氷と炎の歌』の著者であるジョージ・R・R・マーティンさんが、自身のブログを更新。そこに書かれた彼の文章からは、まだまだGoTが本当の意味で完結していないという示唆が含まれています。
そもそもGoTの原作『氷と炎の歌』はまだ未完で、2019年5月現在は第5部まで発表されています(日本語訳も第5部まで出ています)。 原作もののドラマ化の場合、往往にして起こることですが、GoTも実写ドラマ版が原作を追い越した形で進んできました。
この原作は第7部まで刊行予定ですが、ここで気になるのが原作のラスト。
「ドラマと原作のラストの違いについては、よく聞かれる質問なんだけどね」と前置きしつつ、ジョージさんは「そうだね……イエスとも言えるし、ノーとも言えるし、やっぱりイエスとも言えるしノーとも言える」と、意味深なコメントを残しています。
そう、GoTでは退場したあの人やこの人も原作ではピンピンしているわけで、その行方が非常に気になるところ。私はデイビットとダン(GoTの共同創作者)とは違う媒体で働いていることを決して忘れないでおくれよ。彼らは最終章に6時間以上をかけたけど、僕が書いている残りの2冊は今現在で3000ページを超えているんだ。もっと追記する必要があればまだページ数は増えるだろうね。(中略)GoTでは亡くなったキャラクターもまだ原作では生きているし、GoTには出てこなかったキャラクターも原作では出てくるだろう。原作とGoT、どちらが「本当」のラストか?なんていうのは馬鹿げた質問だよ。(中略)あなたはどう思う? 誰もが自分の考えを持って、インターネット上で結末について議論することができるんだよ。ジョージ・R・R・マーティンのブログ『NOT A BLOG』より引用(翻訳は筆者)
またジョージさんは「これだけは言っておきましょう。昨夜はGoTの終わりでしたが、それはまた始まりでもあります」と書いており、今後も精力的に活動していくことを示唆しています。すでにスピンオフ作品も動き出しています。
御年70歳を迎えてもなお旺盛な意欲で次々と新しいアイデアを生み出しているジョージさん。
ドラマの放送年でもある2011年以来、続巻が刊行されていない『氷と炎の歌』シリーズの展開を心待ちにしつつ、今後も元気なお姿を見せていただきたいものです。
なお、日本のゲームに取り組んでいることも同時に明かされ、果たしてどういったタイトルとなるのか、そちらもにわかに注目を集めています。
ゲースロは終わらない
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