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POPなポイントを3行で

  • 大手コンビニ「イレブン」「ローソン」「ファミマ」が成人向け雑誌の取り扱い中止
  • コンビニには条例上の「成人向け雑誌」はそもそも存在しない
  • 独自基準の「成人向け雑誌」販売停止を巡っても議論が紛糾

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コンビニに「成人向け雑誌」は存在しない セブン、ローソン、ファミマの報道巡って議論

Photo credit: Lordcolus on Visualhunt.com / CC BY

成人向け雑誌の取り扱い中止が相次いで報道されている。

昨日1月21日、まず、大手コンビニエンスストア「セブン-イレブン」が2019年8月末までに全国2万店超の店舗で原則販売をやめる方針を固めたと報じられている。

同日にはローソンも、やはり2019年8月末までに全国の店舗1万4000店あまりの全店にて原則成人向け雑誌の取り扱いを中止すると発表した。

ローソンではこれまでフランチャイズへの加盟店が判断していたが、本部として「成人向け雑誌の推奨を取り止めることといたしました」としている。

その背景には、女性客や高齢者、外国人客への配慮がある。特に2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて今回の措置を講じたことも報道されている。

なお、1月22日(火)にはファミリーマートも同様に成人向け雑誌の取り扱い中止を発表した。

ただし、後述する通り「成人向け雑誌」という報道は正確ではないため、その報道を巡っても議論が起こっている

2018年にはミニストップが千葉市の要請受けて中止措置

2017年にはミニストップが全国店舗での成人誌取扱い中止を発表し、2018年1月時点で中止となっている(外部リンク)。

この件を巡っては、千葉の熊谷俊人市長が当時、その経緯をTwitterで詳述していた。

それによると、「災害時のトイレ解放など、コンビニ店舗の社会インフラとしての重要性が増す中、過激な成人誌の表紙がトイレへの通路等に露出されていることに対して何らかの対策を求める意見がありました」と説明。 議会での質問をきっかけに、市としてコンビニ各社にフィルムで雑誌の一部を隠す対策を提案したところ、店舗での負担から実現は困難となった。

しかしこの提案をきっかけにミニストップは検討を重ね、成人誌取り扱い中止を決めたということだった。

駆け巡る誤解 コンビニには「成人向け図書」は存在しない

訪日観光客が増え続け、2020年に向けてますますその需要を見込む中、各企業が配慮するという流れは自然だろう。

熊谷俊人市長の説明の通り、災害時などでは社会的インフラとしての機能を果たす全国のコンビニチェーンにあって、その判断は理解できる。

実際、欧米圏に在住している/した経験のある知人複数名に確認したところ、コンビニなど書籍の専門店ではない店にきわどい雑誌などが当たり前に置かれていることはなく、その点で「日本は特殊」と口を揃えている。

ただ、そもそも、日本においてもコンビニには、厳密な意味での「成人向け雑誌」は存在しない。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」で規定されている「成人向け雑誌」は、各自治体の青少年健全育成条例に基づいて「指定図書類」として指定されたもの以外で、「青少年が閲覧し、又は観覧することが適当でない」ものを指す(外部リンク)。

そしてそれらは、成人向け(18禁)として成人マークが必ず表示され、書店などでの販売に限られている。この区分の図書の正式名称を「表示図書類」と呼ぶ。

条例で決まっているのは、「指定図書類」とそれ以外の「表示図書類」のみ。コンビニで現在販売されている図書は、各団体が独自に決める18歳未満には推奨できない、いわゆる「類似図書」とされるものだ。

その類似図書も、基本的には出版社や各店舗の自主規制という形で、青いテープなどで封じられ閲覧できないようになっている。

今回、この類似図書の取り扱い中止を決めたことが大手コンビニ3社から発表された、というのが正しい内容となる。
ローソンのリリース

わかりづらいが、ローソンのリリースでは「成人向け雑誌」の定義について但し書きが明記されている

筆者の見る限り、「成人向け雑誌の販売中止」と大きく報道され、条例に基づく区分について明記している記事は少ない。

『エロマンガ表現史』著者でもある美少女コミック研究家・稀見理都さんは、今回の報道でも散見された「成人誌」の区分が曖昧になっている現状に警鐘を鳴らしている。

各社の自主規制、賛否両論

この「類似図書」の販売中止を巡っても、様々な意見がある。

条例で指定されていない、閲覧できない状態とはいえ、過激な表紙が多いのも事実であり、未成年も利用し、スタッフとしても勤務するコンビニにおいて取り扱い中止を支持する声も多い。

一方で、条例に指定されていないものの物流を排除するのは過剰ではないかという反論の声も当然ある。

また、性行為の描写の有無で言えば、青年漫画誌にも存在する。先日、「ヤレる女子大生ランキング」が物議を呼んで編集部が謝罪した『週刊SPA!』を例に挙げるまでもなく、週刊誌などの煽情的な雑誌は堂々と流通している。

それらは例外とされ、一部の漫画雑誌などが槍玉に挙がる現状への疑問の声も聞こえている。

これまでに成人向け図書を巡っては議論が重ねられてきており、すでにゾーニング(来訪者の属性にあわせた空間区分のこと)は十分になされているようにも思える。 こうした動きを巡っては、これまで日本雑誌協会をはじめ様々な出版団体が抗議の声を上げていた。立て続けの大手コンビニ3社の発表は、波紋を呼びそうだ。

クールジャパンとか言うならエロも重要な文化だと認めないと

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この記事へのコメント(2)

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匿名のユーザー

匿名のユーザー

欧米圏でも当たり前のようにコンビニエンスとかでエロ本売ってる。 聞いた相手がでたらめ抜かしたかエロ漫画ではないから気づかなかっただけじゃない?

匿名のユーザー

匿名のユーザー

本屋相手ならともかく、コンビニに本を置かなければならない義務はないので、表現規制論を持ち出しても筋違いではないですかね。コンビニ各社が出している理由は建前でしょう。本当は利益が出ないから扱いたくないだけだと思います。

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