連載 | #6 「AnimeJapan 2017」特集

海賊版対策の協議会に西川貴教が加入「官僚や政治家もリテラシー向上を」

海賊版対策の協議会に西川貴教が加入「官僚や政治家もリテラシー向上を」
海賊版対策の協議会に西川貴教が加入「官僚や政治家もリテラシー向上を」

(左から)ダニー・チューさん、西川貴教さん、古澤佳寛さん、桶田大介さん

3月23日から26日まで開催された、日本最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2017」において、「Manga-Anime Guardians Project 〜西川貴教カウンシラー就任式〜」が開催された。

「AnimeJapan 2017」では、一般参加者も楽しめる企画展示だけでなく、アニメ産業に関する展示やイベントも行われており、本イベントも「AnimeJapan 2017」最終日の26日に、ビジネスセミナーの一環として行われた。

マンガ・アニメ海賊版対策協議会が主催し、アーティストの西川貴教氏に加え、『君の名は。』エグゼクティブ・プロデューサーで東宝の古澤佳寛氏、マンガ・アニメ海賊版対策協議会の事務局長・桶田大介氏が登壇して盛況を博したその模様をお届けする。

取材・構成:須賀原みち 撮影:市村岬

ファンとの橋渡しを担う役割に西川貴教

西川貴教さん

そもそも、今回西川氏がカウンシラーに就任した「Manga-Anime Guardians Project」(通称「MAGP」)とは、2012年、日本のコミック出版社やアニメ企業によって構成された協議会。

“ガーディアンズ”という名前の通り、国内外で流通するアニメやマンガのデジタル海賊版を取り締まり、世界中のファンに正規版を届ける仕組み作りを支援する戦略的プロジェクトとなっている。

経済産業省の支援の下、委員企業として名を連ねているのはアニプレックスやKADOKAWA、スタジオジブリ、東映アニメーションなど、いずれもそうそうたる企業だ。

これまで、海外のファン向けに正規版コンテンツへと誘導するリンク集「Manga-Anime here」(外部リンク)を公開するなど、着実な活動を続けて来たMAGPだが、今回、西川氏がカウンシラーに就任することで、さらなる盛んな活動が期待される。「Manga-Anime Guardians Project 〜西川貴教カウンシラー就任式〜」は、その記念すべき第一歩となるわけだ。

そんな就任式が始まると、まず司会として「スマートドール」クリエイターでMIRAI株式会社の代表取締役のダニー・チュー氏が登場。自己紹介を兼ねて、自身が手がける「スマートドール」の簡単な紹介の後、桶田氏を呼び込む。

ダニー・チューさん

まず桶田氏は、MAGPの取り組みを解説。MAGPには「海賊版対策」「正規流通の促進」という、大きく分けて2つの役割がある。それぞれの実際的な取り組みは以下の通り。

海賊版対策

1.デジタル海賊版サイトへの警告・閉鎖勧告
2.特に悪質な海賊版サイト運営者への刑事手続
3.海賊版の正規流通への影響に関する意識調査
4.海賊版グッズ(模倣品)対策

正規流通の促進

1.デジタル戦略ワークグループの開催・運営
2.教育プログラムの作成
3.広告出稿者・検索エンジン事業者との協議

上記のように、インターネット上にある海賊版を取り締まるだけでなく、著作権意識の教育に取り組んだり正規流通のために検索エンジン事業者と協議したりと、MAGPでは啓蒙的な活動にも力を注いでいる。

こういった活動も、あくまでもアニメファンの声に耳を傾けながら進めていこうということで、MAGPとファンとの橋渡しの役割を担う「カウンシラー」として、今回、西川氏に白羽の矢が立ったというわけだ。 チュー氏の呼び込みで、西川氏と古澤氏が登場。会場も万雷の拍手で2人を迎える。就任式ということで、桶田氏からカウンシラー就任の宣誓書が読み上げられ、西川氏は満面の笑みと共にその書類を受け取り、堂々と掲げてみせる。

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