BELLRING少女ハート「チャッピー」
「東京最凶」を標榜するインディペンデント・アイドルユニットBELLRING少女ハート(ベルハー)の「チャッピー」は、2016年で音楽活動からの引退を宣言した後藤まりこさんが手がけた楽曲。漆黒のセーラー服にカラスの羽を纏った異形なビジュアルとサイケデリック・ロックやエレクトロニカなど幅広いジャンルを横断する音楽性。その自由奔放さで混沌を生むライブステージなど、他に類を見ない特異な怪光を放ってきたベルハー。
年内で初期メンバーの朝倉みずほさんを含む3名が卒業。グループ自体メンバーを募集しつつ活動休止します。地下アイドルシーンを先導する一角を担ってきたグループだけに一時代の終焉を感じざるをえません。
BiSH「オーケストラ」
楽器を持たないパンクバンドの異名を持つBiSHが、avex traxからリリースしたメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』のリード曲「オーケストラ」。BiSを手がけた渡辺淳之介さんが「BiSをもう一度始める」と始動した同ユニット。作詞・作曲はBiSの曲も多く手がけてきた松隈ケンタさんが担当しています。松隈節のエモいメロディーライン/ロックサウンドとオーケストラ演奏がミックスされ新たな方向性を打ち出しました。
ハスキーボイスなアイナ・ジ・エンドさん、伸びやかなセントチヒロ・チッチさんの歌唱にも胸が熱くなります。
フィロソフィーのダンス「アイム・アフター・タイム」
フィロのスことフィロソフィーのダンスは、ナンバーガールや相対性理論など数々のバンドを育成した加茂啓太郎さんがプロデュースするユニット。「アイム・アフター・タイム」は、アイドル楽曲にしてはグルービーすぎる本格派AOR。「Funky But Chic」つまり、「ファンキーだけど上品」をテーマに掲げ、高い歌唱力を誇る彼女たちならではの楽曲に仕上がっています。
結成わずか1年で「TIF」に出場すると、『週刊プレイボーイ』とTIFでコラボした、「この夏一番輝くアイドル」を決める「ナツ☆イチッ! オーディション」にてリーダーの奥津マリリさんが優勝を決めています。
舞踏遊戯「KOTO」
小動物のようなキュートな容姿とは裏腹に、キッズダンス時代の豊富な経験で鍛えられたバッキバキのパフォーマンスで観る者の度肝を抜くソロアイドル・KOTOさん。タワレコの新レーベル・箱レコォズからリリースされたシングル「舞踏遊戯」はサウンドプロデューサー・佐々木喫茶さんが手がけるオリエンタルなブチ上げエレクトロポップ。
香港映画『死亡遊戯』ばりにKOTOさんが敵を倒していくMVもユニークです。
lyrical school「RUN and RUN」
ヒップホップアイドルユニット・lyrical school(リリスク)のメジャー1stシングル「RUN and RUN」。スマホで視聴すると、まるで自分のスマホがジャックされたように錯覚する演出が施された縦型MVが大きな話題を呼びました。
「TIF」だけでなく、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」といった大型フェスにも参加し大躍進してきた彼女たちですが、2017年2月末のワンマンライブをもって初期メンバー3人が卒業。
以降は準備期間を経て、残る2名を中心とした新体制で活動を再開する予定。再び「6本のマイク」で旋風を巻き起こしてくれる日が来るのを願っています。
校庭カメラガールツヴァイ「Lil Tomte」
2017年1月のワンマンライブで解散することが発表されたガールズラップクルー・校庭カメラガールツヴァイ(コウテカ2)は、2016年前半、メンバーの脱退・加入が相次ぎました。しかし、ライブでは依然としてドラムンベース、エレクトロニカ、トランス、テクノなどをとりこんだ楽曲と前のめりすぎるパフォーマンスでフロアを沸かせ続けてきました。
12月リリースの3rdアルバム『Night on Verse』に収録された「Lil Tomte」もドープすぎるトラックにのせたそれぞれに個性的な声を持つメンバー4人のラップに撃ち抜かれます。
吉田凜音「りんねラップ」
ソロアイドル・吉田凜音さんが突如YouTubeで公開した「りんねラップ」は、ライムベリーのサウンドプロデュースなどを担当したE TICKET PRODUCTIONさんが手がけるオールドスクールなヒップホップ。「チェケダッチョー イエッセッショー」とやんちゃな感じで始まるラップが最高に可愛いくてかっこいい。
新プロジェクト・RINNE HIPも始動させた吉田凜音さん。歌うまアイドルとして知られる彼女ですが、2017年はラッパーとしても別の景色を見せてくれるかも。
ハイタッチガールズ「SAIKOU NO NATSU」
3月に解散した、群馬県前橋市発の女子大学生たちによるユニット・ハイタッチガールズ。地方都市ならではの「N.E.O(local)CITYPOP」を打ちだし、100%趣味で無理なくアイドルを表現。楽曲の秀逸さでも話題を呼び、Twitterなどを中心に盛り上がりをみせました。
彼女たちの最初で最後のアルバムとなった『This is N.E.O Local City Pop』収録の「SAIKOU NO NATSU」は、ゆる〜いラップと夏感が文字通り最高でしかありません。
脇田もなり「IN THE CITY」
2016年2月にガールズグループ・Especiaを卒業した脇田もなりさんが、半年の沈黙を破りソロで活動を再開。星野みちるさんの楽曲などで知られるはせはじむさんをプロデューサーに迎えた「IN THE CITY」は、慣れない都会での心情を歌ったアーバンなディスコ・ブギーとなっています。
WHY@DOLL「菫アイオライト」
北海道札幌市出身のオーガニックガールズユニット・WHY@DOLLが11月にリリースしたT-Palette Records移籍第1弾シングル「菫アイオライト」。Negiccoの楽曲制作でも知られる吉田哲人さんと長谷泰宏さんが作曲/アレンジを担当しています。
かつて航海の際に羅針盤として使用したといわれるスミレ色の「アイオライト」という石を題材に作詞され、新たな出発と決意を告げるダンスナンバーとなっています。
絵恋ちゃん「レジ打ちでスカ」
オタサーの姫(インディーズ)こと、絵恋ちゃんの「レジ打ちでスカ」は、時給800円のレジ打ちバイトの悩みが爆発する怪曲。絵恋ちゃんが歌う部分よりもヲタクのコールパートの情報量の方が上回る前代未聞の楽曲で、間奏のジャジーな部分では、ヲタクたちが「言いたいことがあるんだよ〜」の口上を叫びつつレジ袋をカサカサさせます。もはや、その景色込みでひとつの作品と言えるでしょう。
絵恋ちゃん本人も「ほとんど息吸うとこないですが」というコールを、是非とも現場で叫んでみたいですね!オタク各位
— 絵恋ちゃん (@erenism) 2016年12月8日
新曲のコール書き出しておきました!
※歌詞ではありません!歌詞はもっと少ないです!
ほとんど息吸うとこないですが、がんばってずっと叫んでてください!
あとレジ袋は各自持って来てください!?#レジ打ちでスカhttps://t.co/PUnp8D4Qip pic.twitter.com/B91CJaH0fz
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