読モに密着2000時間──KLOOZ×佐藤さき×及川佑介 MV座談会!

MVに仕掛けられた遊び

──一部で話題になっていましたが、「Find You」の映像中に流れるURLにアクセスすると冒頭の佐藤さんのインタビュー部分のテスト版がダウンロードできるようになってますよね?

KLOOZ 見た人が本当に何かダウンロードできるのか期待してアクセスする人もいるんじゃないかと思って、ちょっとした遊びを入れてみました。

及川 ドキュメンタリーだから現実の世界とMVの世界のリンクみたいな、そういう遊びも仕掛けられたらと思って、これ以外にも「Find You」の最後のほうで、さっちょがWebサイトのモデルのお仕事で着ていた服を、自分でサイトから購入して終わるんですけど、2作目の「You Are…」のMVでは、実際にその服を着てドライブに遊びに行ってるみたいな、誰も気づかないようなうっすらとした仕掛けも実は盛り込んでいます。

KLOOZ えー!? そこはぼくも気づかなかった! 及川 実はさらに言うと、「You Are…」の冒頭で無音の中その服を着たさっちょが立っているシーンでは、服に書かれている「TRUE OR LIES」という文字がはっきり見えるようにしているんです。これは「嘘か本当か」ということを表現していて、今回のドキュメンタリーは、全てが完全なるノンフィクションではなくて、たとえば「You Are…」では、あそこにさっちょが行ったら面白そうだなっていうのを想像してロケ地を決めたりしていました。だからドキュメンタリーとフィクションの間の映像作品ということもあって、それにぴったりな表現の服をたまたまさっちょがモデルの仕事で使ってたので「You Are…」で着てもらいました。
KLOOZ "You Are... (Prod. by grooveman Spot)"
佐藤 そういう意味で使ってたとは知らなかったです!

KLOOZ 全然ぼくも気づかなかった…。

──そのあと1月に公開された3作目の「Lack of Communication」で、はじめてKLOOZさんがライブをしている形で出演されましたよね。元々、毎回出演される気はなかったのでしょうか?

KLOOZ 今回の「3ヶ月連続映像配信企画」のMVは、さっちょのドキュメンタリーなので、とにかくさっちょの自然体な仕草や普段は見せない表情などの魅力を3つのMVを通して伝えたいと思ってました。だからあくまでぼくはさっちょのドキュメンタリーに対するBGMのような要素としてありたかった。

「Lack of Communication」では、たまたまさっちょが普段からDJをしてることもあって、その活動にフォーカスを当てていたので、ライブという形で出演しました。
KLOOZ "Lack of Communication (Prod. by grooveman Spot)"
──佐藤さんは「Lack of Communication」の撮影で、KLOOZさんのライブをはじめて見られたんですよね?

佐藤 はい、本当にはじめてですね。HIP HOP系のライブに行ったことがなかったので、見ていてすごく緊張しました。 ──ではHIP HOPに触れられたのもKLOOZさんがはじめてだったんですね。

佐藤 そうです。最初はKLOOZさんのことも、HIP HOPのアーティストというだけで、イケイケで怖いイメージがあって…。

KLOOZ わかる(笑)。HIP HOP的な「ウェーイ↑↑↑」みたいな感じでしょ(笑)。

及川 HIP HOPのイメージ(笑)。

佐藤 だからKLOOZさんに打ち合わせでお会いするまでは怯えてました(笑)。でも実際にお話してライブも見させてもらって、怖いイメージも取れたので、もっとHIP HOPを聞いてみようと思いましたね。DJをやっているので、私の中の音楽の幅も広がりました。

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KLOOZ

MC/ラッパー

唯一無二のキャラクターで衝撃を与え続ける"Yasso!!"の愛称でもお馴染みのKLOOZ。2010年春にリリースしたMixtape"No Gravity"が音源のクオリティは勿論、BlogやTwitterなどをいち早く使った独自のプロモーション方法で反響を呼んだ。その後、映像作家の大月壮とタッグを組んだ画期的な映像ムーブメント"KLOOZ Movie Day"を開始、数々の豪華アーティストをも巻き込んだ実験的かつ革新的な10本の楽曲/映像を発信し、集大成としてまとめサイトをTumblr上で公開。そして、2012年12月に満を持してリリースしたDr. KことKREVAがトータルプロデュースした1000枚限定シングル"It's My Turn"は一瞬で店頭から姿を消し、その人気度が噂レベルだけではなかった事を実証し、初のオフィシャルアルバム"Decoration"をリリース。今後の動向に注目が集まっている。
http://ameblo.jp/klooz3156/

佐藤さき

モデル/DJ

独特の雰囲気と持ち前のファッションセンスで注目され、多数の雑誌のストリートスナップに掲載。その後、青文字系ファッション雑誌『Zipper』(祥伝社)にて、専属モデルとして活躍中。雑誌だけでなく、数多くのファッションイベントにも参加。またDJとしても活躍の幅を広げクラブイベントはもちろん、様々なレセプションイベントにも出演する。
http://asobisystem.com/satosaki/

及川佑介

ディレクター

映像作家の大月壮のもとで修行を積み、SKY-HIやLBとOtowaのMVを手がけてきた。2013年11月より始動したKLOOZによる映像企画では、モデルの佐藤さきに迫った3つのドキュメンタリーMVを制作。その独特の感性から作り出される作品には、さまざまな方面から大きな注目を浴びている。
http://yusukeoikawa.tumblr.com/

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