アートは怖くない! 100年続く「日展」を右も左もわからず鑑賞してきた

裸婦から動物まで! 「彫刻」の森

続いては彫刻なのですが、すごいですよ、見てくださいこの数! 彫刻見放題です!

彫刻とひとことで言っても、木彫、石彫、ブロンズ、石膏、樹脂、陶彫、テラコッタ、乾漆など素材はさまざま。作家さんそれぞれ、素材の質感や強さを活かす作品づくりをなさっているそうです。 彫刻といえば漠然とした「裸婦」のイメージがありましたが、龍や犬、テナガザル、始球式の女の子……いろいろなテーマで創られているんですね。 さらに、物語に登場しそうな美少年も。う、美しい……!

前田真里 「風ひかる今」

女性と猫が一緒にひなたぼっこしているような作品。女性の猫をみる表情があたたかくてこちらも笑顔になってしまいます。これだけたくさんの彫刻が展示されている中、このふたりの空間になっているような心地よさがありました。なにより、猫が可愛い……!

中村晋也 「天璋院(篤姫)」

作品のサイズも大きく、展示会場でドドンと圧倒的な存在感を放っていました。表情や姿勢から、篤姫の凛とした生き様を感じます。

小西徳泉 「堂々と'15」

「堂々と」というタイトルどおり、堂々とした青年の立像。Tシャツ短パン角刈りで、胸を張ってまっすぐ未来を見つめている彼の姿に圧倒されます。ちょっと不器用な生き様をおくっていそうです。少女マンガ『俺物語!!』の主人公・剛田猛男くんのような。

山下 清 「日・月の予感—。」

西村祐一 「花が…(V)」

柴田良貴 「夕暮れの立像」

江里敏明 「月光」

白石恵里 「effulgent」

きらめく漆や陶磁器が美しい「工芸美術」エリアへ

「工芸美術」は実用品に美しさや装飾性を加えて作られた作品が集まる部門。

漆や陶磁、染織、彫金、七宝焼きといった伝統工芸から、ガラス、人形など、実にさまざまな種類があります。 壁には漆、染織などの作品が、展示台の上には陶磁器の作品がズラリ。写真に写っている作品が全てではなく、これで8分の1程度なのですから驚きです。これだけ多くの工芸作品が観られるという体験はかなり貴重……!

尾長 保さんの「籃胎乾漆 記憶の渚」。魚のウロコがキラキラしています……!

三谷吾一 「黄昏」

この作品を観ていると、夏の夕暮れ、トンボが飛んでいる風景を思い出します。遊んでいるうちに夜になってしまって怒られるんですよね。作家である三谷さんは、今年度の文化功労者に選ばれました。

髙名秀人光 「漲る」

漆黒の海から、右斜め上方向に、光を求めて勢い良く泳いでゆくサヨリの煌めきが本当に美しいです。漆の質感や輝きは、ぜひ実物を見ていただきたい……!

德力竜生 「LAST MESSAGE」

ガラスで作られた作品もあります。「古代の地図をイメージし、地図の中に秘められた未来へのメッセージを紐解くため、いままさに地図を広げようとする瞬間を表現している」のだそう。なにそれ、SFじゃないですか……! ここから始まる物語を思わず夢想してしまうような、そんな作品ですね。

どうやってつくられたものなのか分からないのですが、だからこそ、この古地図と相対したときに得も言われぬ期待感を持ってしまうのかもしれません。

山岸青矢 「assembly」

八田洋子 「跳べ!確固たる過去より不確実な未来へ」

井出照子 「森羅・翔」

石橋美代子 「潮満ちて」

浅井裕子 「白の記憶 “流れる”」

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