週刊漫画ゴラクにて連載中の、桐木憲一さんによる『東京シャッターガール』。写真部に所属する女子高生の主人公・夢路歩(ゆめじ・あゆみ)が、東京を中心に様々な町を歩きながら写真を撮影し、そこで出会った人々とのふれあいの中で成長していく物語だ。壮大なファンタジーでもなければ、一大スペクタクルが巻き起こるわけでもない、一見すると地味に思われる本作。だが町々の歴史を丹念にひもときながら展開されるストーリーに、手塚治虫さんの長女でコンセプトプロデューサーとして活動する手塚るみ子さんや、タレントの吉木りささんなどが絶賛を送っている。
そんな本作が、実写映画化されることが決定。3人の監督と3人の主演女優が出演するオムニバス形式での制作・上映という展開からも注目を集めている。
そこで主人公・夢路歩を演じる、人気アイドルグループ・SUPER☆GiRLSのメンバーでもある田中美麗さん、同じくアイドルユニットのGo! Go! ぱわふる学園の夏目あおいさん、『桐島、部活やめるってよ』の好演が評価されている藤井武美さんに、作品の重要なテーマとなっているカメラについて、そして本作の現場、見どころなどをうかがった!(取材・構成 武田俊)
夏目 実は私そこまで詳しくなかったんです。この作品に携わるまで、フィルムカメラっていうものがどんなものなのかもわからなくって……。でも携帯とかではよく撮ってました。今回の撮影を通してわかったのは、ケータイのカメラも楽しいんですけど、実際のカメラはもっと奥深いものなんだなってことです。だから今はもっとカメラに触れてみたいって思ってます。最近は、もしこの風景をあのカメラで撮ったらどういう風に写るのかなっていつも考えちゃうんですよ。
田中 私はもともと趣味がカメラなんです。3年前くらいにマネージャーさんからCanonのカメラを頂いたのが、きっかけで。よく一人で写真を撮りに行くんですが、気付いたらお台場にきていたりとか(笑)赤レンガ倉庫や、海辺の風景をよく撮りに行くんですよ! うれしかったのは、クランクアップの時に原作者の桐木さんから2眼レフのフィルムカメラを頂いたこと。これを機にフィルムカメラにも挑戦したいなって思ってます。
藤井 私もカメラは好きで、OLYMPUSのデジタルのものを持っていて、けっこう撮りに行ってます。 とくにここ、っていうお気に入りのスポットはないんですが、出かけるときには必ず持っていきますね。なのでふらっと、公園に入って撮ったりします。風景を撮るのも好きなんですが、やっぱり人物を撮るほうが好き。なので友だちと撮りに行ったりしますね。
──周囲で、カメラ人口って増えていると感じますか? 夏目 そうですね。仕事の現場でも自分のカメラを持って来てる人、たくさんいます。特に女性がカメラにハマる理由がわかりました。なんだろう、場面ごとに違う風景が撮れるし、1つの趣味としてもすごくかっこいいなって思います。
藤井 たしかにカメラ女子って流行ってますね。自分のまわりでも、カメラが好きな女の子って最近本当に多いんですよ。でもそんなの関係なく、カメラって楽しいです。
田中 なんかいい意味でマンガらしくないな、って思いました。もちろんマンガなんですけど、東京の町の歴史がわかったりと、すごくためになります。読みやすいですし、東京っていうたくさんの町がある場所に興味が湧きました。私も富士見坂に行ってみたい!
藤井 普通のマンガではあまり描かれない、町の歴史などの情報がたくさん入っている本ですよね。それを辿りながら撮影をする歩は本当に素敵だと思います。歩みたいな子が現実の世界にたくさんいたら、楽しいだろうなあ。
夏目 ですよね! カメラに対してひたむきな女の子で、実際にこういう子がいたらいいなって私も思うんです。でも、私はそんな歩ちゃんをどう演じるかっていう時に、ちょっと難しい部分がありました。実は普段の私とはまったく逆の性格なんです。私は騒ぐのが大好きなんですが、歩ちゃんは大人しいタイプで何事にも一生懸命。なので、そこが1番苦労しました。 藤井 私は逆にとても共感が持てたんです。だから、監督からは「自然体でいてくれ」って言われていました。歩の1つのことに集中するっていう部分が似ていたのでやりにくさはなくって、役作りもあまりしないでそのままのぞめました。
田中 私も藤井さんに近いかも。歩の内向的なんだけど、1つのものに熱中して悩んじゃうようなところが自分に似てるなって思うんです。私も、あまり人と話すのが得意じゃないんですよ(笑)。でも写真が好きってところは一番よく理解できたので、あまり飾らないで、演技をしているっていう意識を持たないで自然に入り込んで撮影に参加しました。
田中 私はコバヤシモトユキ監督の作品に出演させてもらったんですけど、もともとコバヤシ監督は写真家さんなんです。監督自身も映画作品は初ということで、みんなと相談しながら撮影したりしました。おもしろかったのは各カットの描き方。写真家でないとわからないような絶妙なアングルを選ばれているんです。なので、1番キレイな角度から撮ってもらったんじゃないかっていう自信はありますね。 夏目 私の手塚眞監督の現場はキャストが2人しかいなかったので、2人の友情をどう演じられるのか、その掛け合いが大事だったんです。友情とカメラっていうのがポイントで、他の2作品とはちょっと違う部分もあったのかな。現場では、手塚監督が用意してくれた映画哲学の資料を使って、演技の勉強会もありました。さっきも言ったみたいに普段私はすごくテンションが高いので、監督からも「いつもの自分はださないように」って言われました。なので、普段の1割くらいのテンションを意識したんです(笑)。なんて言うんだろう、いつもは猫がいたら「わー!! 猫だー!!」なんですけど、役柄的には「あ、猫じゃん」くらいの素っ気なさでした。
藤井 私の出演した寺内康太郎監督の作品も、他の作品とはけっこう違う気がしますね。コメディとも言われるんですが、個人的にはコメディっぽくしたくはなかったというか。全体を通して笑えるシーンはあるんですが、歩自体はずっと真剣なんですよね。それをまわりの人がおもしろく感じちゃう。いい写真が撮りたいっていうシンプルな気持ちを持つ歩が、ちょっと世間から浮いちゃうようなシーンがあるんですけど、カメラ好きの方には共感してもらえると思いますよ。
田中 あ、やっぱり現場ごとに色々違うんだなあ。私が印象的だったのは、コバヤシ監督のおもしろいところ。なんか撮影していると入り込んでしまうみたいで、カメラの向こうで私がしている表情と同じ顔をしてくるんです(笑)。あと、「よーいハイッ」ってカメラが回りだすと、なんだかセクシーな顔をされていて、無事オッケーが出るとしみじみ「今のイイねえ……」って(笑)。でもそれが楽しくって、すごくやりやすかったんです。
藤井 私はスタッフさんとの距離がすごく近い感じがして、なんだか家族みたいな現場でしたね。お昼ごはんを食べる時にも、みんなでイトーヨーカドーのフードコートで食べたりして(笑)。そんな感じの現場だったので、いつも自然体でいられて、歩になりやすかったのかもしれないです。
夏目 それが、今日が初の顔合わせで、他の作品がどうなってるかは知らなかったんです。今取材して頂いて、「そうなんだ!」って思うことが多くて(笑)。
藤井 そうそう。だから今日初めて自分以外の歩に会ったっていうか(笑)。
田中 なので、みんなの話を聞いていて、すごく他の作品が気になってきてます!
──では最後に、どんな人に自分の作品を観てもらいたいですか?
夏目 うーん、イマに行き詰まっている人かな。カメラが大好きな歩が、ふとしたことで壁にぶつかる物語なので、どう壁を乗り越えるべきか考えさせられるものになっているんですね。きっと、次の1歩を踏み出す勇気を与えてくれる作品だと思います。
田中 私は、やっぱり写真家のコバヤシ監督の作品ということもあって、絶妙なアングルで撮られているシーンに注目してもらいたいですね。
藤井 私はカメラが大好きな歩の気持ちを、ストレートに演じてみました。なのでカメラ好きの方には「あるある!」って思ってもらえるはずです。カメラにあまり親しくない人には、コミカルな歩の姿を楽しんでもらえるとうれしいですね。
そんな本作が、実写映画化されることが決定。3人の監督と3人の主演女優が出演するオムニバス形式での制作・上映という展開からも注目を集めている。
そこで主人公・夢路歩を演じる、人気アイドルグループ・SUPER☆GiRLSのメンバーでもある田中美麗さん、同じくアイドルユニットのGo! Go! ぱわふる学園の夏目あおいさん、『桐島、部活やめるってよ』の好演が評価されている藤井武美さんに、作品の重要なテーマとなっているカメラについて、そして本作の現場、見どころなどをうかがった!(取材・構成 武田俊)
女子×カメラの今
──みなさんにとって、そもそもカメラって身近なものだったのでしょうか?夏目 実は私そこまで詳しくなかったんです。この作品に携わるまで、フィルムカメラっていうものがどんなものなのかもわからなくって……。でも携帯とかではよく撮ってました。今回の撮影を通してわかったのは、ケータイのカメラも楽しいんですけど、実際のカメラはもっと奥深いものなんだなってことです。だから今はもっとカメラに触れてみたいって思ってます。最近は、もしこの風景をあのカメラで撮ったらどういう風に写るのかなっていつも考えちゃうんですよ。
田中 私はもともと趣味がカメラなんです。3年前くらいにマネージャーさんからCanonのカメラを頂いたのが、きっかけで。よく一人で写真を撮りに行くんですが、気付いたらお台場にきていたりとか(笑)赤レンガ倉庫や、海辺の風景をよく撮りに行くんですよ! うれしかったのは、クランクアップの時に原作者の桐木さんから2眼レフのフィルムカメラを頂いたこと。これを機にフィルムカメラにも挑戦したいなって思ってます。
藤井 私もカメラは好きで、OLYMPUSのデジタルのものを持っていて、けっこう撮りに行ってます。 とくにここ、っていうお気に入りのスポットはないんですが、出かけるときには必ず持っていきますね。なのでふらっと、公園に入って撮ったりします。風景を撮るのも好きなんですが、やっぱり人物を撮るほうが好き。なので友だちと撮りに行ったりしますね。
──周囲で、カメラ人口って増えていると感じますか? 夏目 そうですね。仕事の現場でも自分のカメラを持って来てる人、たくさんいます。特に女性がカメラにハマる理由がわかりました。なんだろう、場面ごとに違う風景が撮れるし、1つの趣味としてもすごくかっこいいなって思います。
藤井 たしかにカメラ女子って流行ってますね。自分のまわりでも、カメラが好きな女の子って最近本当に多いんですよ。でもそんなの関係なく、カメラって楽しいです。
3人から見た主人公・夢路歩のイメージ像
──まさに本作の主人公の夢路歩も、そんなカメラ好きな女子高生なわけですが、作品と彼女についてどんな印象を持ちましたか?田中 なんかいい意味でマンガらしくないな、って思いました。もちろんマンガなんですけど、東京の町の歴史がわかったりと、すごくためになります。読みやすいですし、東京っていうたくさんの町がある場所に興味が湧きました。私も富士見坂に行ってみたい!
藤井 普通のマンガではあまり描かれない、町の歴史などの情報がたくさん入っている本ですよね。それを辿りながら撮影をする歩は本当に素敵だと思います。歩みたいな子が現実の世界にたくさんいたら、楽しいだろうなあ。
夏目 ですよね! カメラに対してひたむきな女の子で、実際にこういう子がいたらいいなって私も思うんです。でも、私はそんな歩ちゃんをどう演じるかっていう時に、ちょっと難しい部分がありました。実は普段の私とはまったく逆の性格なんです。私は騒ぐのが大好きなんですが、歩ちゃんは大人しいタイプで何事にも一生懸命。なので、そこが1番苦労しました。 藤井 私は逆にとても共感が持てたんです。だから、監督からは「自然体でいてくれ」って言われていました。歩の1つのことに集中するっていう部分が似ていたのでやりにくさはなくって、役作りもあまりしないでそのままのぞめました。
田中 私も藤井さんに近いかも。歩の内向的なんだけど、1つのものに熱中して悩んじゃうようなところが自分に似てるなって思うんです。私も、あまり人と話すのが得意じゃないんですよ(笑)。でも写真が好きってところは一番よく理解できたので、あまり飾らないで、演技をしているっていう意識を持たないで自然に入り込んで撮影に参加しました。
3人の監督、3人の主演女優
──この『東京シャッターガール』という映画は、1つのタイトルを3人の監督が3人の主演女優さんを起用して撮影し、それをオムニバス形式で流すっていう普通とはちょっと違った作品になっているそうですが、それぞれの現場はどんな雰囲気でしたか?田中 私はコバヤシモトユキ監督の作品に出演させてもらったんですけど、もともとコバヤシ監督は写真家さんなんです。監督自身も映画作品は初ということで、みんなと相談しながら撮影したりしました。おもしろかったのは各カットの描き方。写真家でないとわからないような絶妙なアングルを選ばれているんです。なので、1番キレイな角度から撮ってもらったんじゃないかっていう自信はありますね。 夏目 私の手塚眞監督の現場はキャストが2人しかいなかったので、2人の友情をどう演じられるのか、その掛け合いが大事だったんです。友情とカメラっていうのがポイントで、他の2作品とはちょっと違う部分もあったのかな。現場では、手塚監督が用意してくれた映画哲学の資料を使って、演技の勉強会もありました。さっきも言ったみたいに普段私はすごくテンションが高いので、監督からも「いつもの自分はださないように」って言われました。なので、普段の1割くらいのテンションを意識したんです(笑)。なんて言うんだろう、いつもは猫がいたら「わー!! 猫だー!!」なんですけど、役柄的には「あ、猫じゃん」くらいの素っ気なさでした。
藤井 私の出演した寺内康太郎監督の作品も、他の作品とはけっこう違う気がしますね。コメディとも言われるんですが、個人的にはコメディっぽくしたくはなかったというか。全体を通して笑えるシーンはあるんですが、歩自体はずっと真剣なんですよね。それをまわりの人がおもしろく感じちゃう。いい写真が撮りたいっていうシンプルな気持ちを持つ歩が、ちょっと世間から浮いちゃうようなシーンがあるんですけど、カメラ好きの方には共感してもらえると思いますよ。
田中 あ、やっぱり現場ごとに色々違うんだなあ。私が印象的だったのは、コバヤシ監督のおもしろいところ。なんか撮影していると入り込んでしまうみたいで、カメラの向こうで私がしている表情と同じ顔をしてくるんです(笑)。あと、「よーいハイッ」ってカメラが回りだすと、なんだかセクシーな顔をされていて、無事オッケーが出るとしみじみ「今のイイねえ……」って(笑)。でもそれが楽しくって、すごくやりやすかったんです。
藤井 私はスタッフさんとの距離がすごく近い感じがして、なんだか家族みたいな現場でしたね。お昼ごはんを食べる時にも、みんなでイトーヨーカドーのフードコートで食べたりして(笑)。そんな感じの現場だったので、いつも自然体でいられて、歩になりやすかったのかもしれないです。
3人の「歩」の思う、みどころ
──ちなみに皆さん、お互いの作品の内容って事前に耳にしていたんですか?夏目 それが、今日が初の顔合わせで、他の作品がどうなってるかは知らなかったんです。今取材して頂いて、「そうなんだ!」って思うことが多くて(笑)。
藤井 そうそう。だから今日初めて自分以外の歩に会ったっていうか(笑)。
田中 なので、みんなの話を聞いていて、すごく他の作品が気になってきてます!
──では最後に、どんな人に自分の作品を観てもらいたいですか?
夏目 うーん、イマに行き詰まっている人かな。カメラが大好きな歩が、ふとしたことで壁にぶつかる物語なので、どう壁を乗り越えるべきか考えさせられるものになっているんですね。きっと、次の1歩を踏み出す勇気を与えてくれる作品だと思います。
田中 私は、やっぱり写真家のコバヤシ監督の作品ということもあって、絶妙なアングルで撮られているシーンに注目してもらいたいですね。
藤井 私はカメラが大好きな歩の気持ちを、ストレートに演じてみました。なのでカメラ好きの方には「あるある!」って思ってもらえるはずです。カメラにあまり親しくない人には、コミカルな歩の姿を楽しんでもらえるとうれしいですね。
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