Steamで現在、サマーセールが開催中。話題作から隠れた名作まで、膨大なタイトルが割引対象となっています。
とはいえ、ラインナップが多すぎると、何を買えばいいのかわからなくなるのもまたSteamセールの常。気づけばストアを眺めるだけで時間が溶け、カートには知らないゲームが積み上がり、なぜかプレイ時間だけは増えていかない。
そこで今回は、KAI-YOUメンバーに「このセールでおすすめしたい1本」を聞いてみました。
カードゲーム、ローグライク、中世RPG、大作リメイク、そして最高で最低なオープンワールドFPSまで。誰かの偏愛を頼りに、次に遊ぶゲームを探してみてください。
目次
シビアで中毒性の高いデッキ構築ストラテジー『One Turn Kill』
【PENTAGRAM(デザイナー)の推薦コメント】
One Turn Killは、その名の通り「1ターンで敵を倒す」というルールが特徴のストラテジーゲームです。
20枚制限のデッキ構築と、カードを使うためにドローをコストとして消費する独自のシステムが、戦略性と緊張感を生み出しており、その中でコンボが決まったときの達成感は格別です!
逆に、ほんの少しの判断ミスがそのまま敗北につながることもあり、シビアなゲーム性でありながら「もう1回挑戦したい」と思わせる中毒性があります。シンプルなルールの中に奥深いデッキ構築の面白さが詰まった、遊び応えのある作品です。
猫、ローグライク、無限シナジー。200時間が溶けた『Mewgenics』
【タナカハルカ(編集/記者)の推薦コメント】
インディーゲーム界の圧倒的覇者である『The Binding of Isaac』と『Super Meat Boy』(Twitchのスタンプでよく見る泣いてるやつと、赤いやつが主人公のゲーム)を生み出したことで知られる、Edmund McMillenさんの最新作『Mewgenics』。
とにかくスキルとアイテムの組み合わせが無限にあるため、すべてのランが新体験。とはいえ、ステータス管理は非常に明快で、よく考えて立ち回れば常にワンチャンありな絶妙なバランス。もちろんシナジーが噛み合った時の圧倒的暴力も爽快。
わかりやすさと複雑性、そしてリプレイ性の極致を見事に迎えています。キリスト教を端的すぎるエゴイズムと共に描く、これまでの作品らしいシナリオも最高です。
筆者はこれまで、Edmund McMillenさんの作品にどれほど時間を奪われてきたかわかりません。過去の反省から「とりあえず軽くボスを最後まで倒すだけで、やり込みはしない!」と腹をくくってプレイをはじめたのですが……余裕でプレイ時間200時間を突破してしまいました。どゆこと。
公式では日本語対応していないものの、有志翻訳MODを入れれば日本語でのプレイも可能です。
完結編も発表された今こそ『FINAL FANTASY VII REBIRTH』
【ゆがみん(ライター)の推薦コメント】
『FINAL FANTASY VII REMAKE』から続くリメイク三部作の第2作が60%オフに。第1作をクリアしたとき、原作と照らした進行度合いからして「こりゃ完結する頃にはPS6かもな……」と思って『REBIRTH』購入も見送っていました。
ところがついに完結編『FINAL FANTASY VII REVELATION』も発表。しかも2027年春発売予定。意外と思っていたよりもペースが早い。だから第2作もそろそろ買うしかない。第1作目のこと忘れてても冒頭であらすじ振り返ってくれるらしいし、初めての人も安心。
第1作は、JRPG界の『新劇場版エヴァンゲリオン』とでも言うべき作品。1997年のゲームだからこそ成立していた省略や記号性と時代に即した表現を、現代の大作RPGとして再構築することへの苦労と工夫が、奇妙な手触りとして残っていた。スクウェア・エニックスらしい戸口の広さもある。
そうした諸々が噛み合って、いつもの「ファイナルファンタジー」の持ち味でもある王道大作RPGなのに捻りが効いている味に、さらに深みが増していたように思う。だから、第2作もきっとそうなのでしょう。そうだよね?
ファンシーじゃない『ちいかわ』──『Kingdom Come: Deliverance II』
【コバヤシ(編集/Webディレクター)の推薦コメント】
陰謀渦巻く中世ヨーロッパで、かけがえのない体験をしよう!昨年の「Golden Joystick Awards」でも4部門にノミネートされた名作がセール中!
本作の魅力はなんといってもその侘しさにあります。前作となる初代『Kingdom Come: Deliverance』のラストで隣の領地に手紙を届ける任務を授かった主人公たちは、ゲーム冒頭で山賊に襲われ、仲間はほぼ壊滅。主人公も瀕死の重症を負ってしまい、前作で育て上げた技能や肉体強度を失ってしまいます。
そうなってしまったらもう、その辺の野盗とのタイマンにすら勝てず、宿代や食費を払うのには苦労し、挙句の果てには決死の覚悟で辿り着いた目的地で、門番に肥溜めの糞尿をぶちまけられ追い返される始末。ファンシーじゃない『ちいかわ』みたいな状況です。
そうした苦境にもめげず、各地で困っている人の依頼を解決し(ついでに箪笥の中身を物色)、密猟者の問題に対処したり(密猟者が溜め込んだ汚い金はポケットの中に保管しよう)、父から受け継いだ鍛治の技で名をあげたり(材料はもちろん他の鍛冶屋から拝借)することで、主人公・ヘンリーは名声をつかみ取っていきます。
街の人に頼まれて夜通し盗賊退治に行っていたのに、帰ってきたら臭いだの風呂に入れだの悪態をつかれたり、酔い潰れて知らない場所で目が覚めたら野盗の集団にタコ殴りにされたり。
クリア後に振り返ってみれば、一つ一つの苦労がかけがえのない思い出となるはず。さらに、そんな世界だからこそ、時折触れる人の温かみが一層染みるはずです。
購入を迷っている人には、作中でも繰り返し登場するラテン語の格言「幸運は勇者を好む(Audaces fortuna iuvat)」を贈ります。
初代『Kingdom Come: Deliverance』もセール中なのでぜひ!
爽快で、最悪で、やめられない。皮肉なFPS『Far Cry 6』
【コバヤシ(編集/Webディレクター)の推薦コメント】
最高で最低なゲーム体験をあなたに──
【ネタバレ注意!】
暴力という行為の爽快さや気持ちよさと、その罪深さ、危うさを同時に描く「Far Cry」シリーズから、最新作『6』がセール中です。
本作の舞台となるのは、中南米に浮かぶ架空の島国「ヤーラ」。この国では独裁者・カスティロと抵抗勢力であるゲリラの内戦が巻き起こっています。
主人公は、ひょんなことからその戦いに巻き込まれ、ゲリラとしてカスティロ政権と戦っていくことに。
本作の特徴とも言えるのが、破壊の楽しさ。シューティングアクションはほどよい難易度で、気持ちよく敵兵を吹き飛ばし、敵軍の施設を壊滅させてくれます。
しかし、一筋縄では行かないのが「Far Cry」シリーズ。このシリーズで有名なのが、ゲーム開始時に操作せず長時間放置することで、プレイヤーの介入による血みどろの争いが起きず、ある種幸せな特殊エンディングに到達するという演出。
本作では、その「プレイヤーが暴力を求めたからこの悲劇は起きたのではないか?」という問いがより直接的なものに。血と硝煙、暴力の中に生きる快楽と、それが引き起こす決定的な断絶が描かれます。
終盤では、ある人物から「この国に本当に必要だったのは何で、自分たちはなぜそれを失ってしまったのか」というセリフが投げかけられます。そうは言っても、もう止まることはできない。
最悪の後味の悪さのなかで、敵兵を粉砕し続ける爽快感を味わう。最高で最低な最終決戦をぜひ楽しんでください。
そして、その後に待ち受ける皮肉のようなクリア後のモードも性格が悪くて最高です。
いずれも、セールをきっかけに手を伸ばしやすくなっている作品ばかり。気になっていた大作にようやく向き合うもよし、知らなかったタイトルに誰かの推薦で出会うもよし。
Steamセールは、積みゲーを増やす儀式であり、まだ見ぬ体験への入口でもあります。次に起動する1本を、ぜひこの機会に探してみてください。
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