RIOT MUSIC主催ライブから紐解くVRChatの音楽文化──仮想空間は“現場”になりうる

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浅田カズラ

アーティストとの距離も、ライブ会場までの距離も近い!

アーティストと観客の距離の近さを示すものとして、VRChatではしばしば出演を終えたアーティストと観客の交流も起こります。

胡虎あくびさんとファンのみなさん。出演後のおしゃべりもVRChatライブの醍醐味/筆者撮影

この日も、出番を終えたアメミヤチカさんと胡虎あくびさんの周囲には、自然とファンや知人が集まっていました。

ファンが出演をねぎらい、「あの曲よかった!」と感想を伝え、アーティストがそれに礼を言いながら、ちょっとした裏話を披露。さらに、世間話に発展することもめずらしくありません。

胡虎あくびさんのファンが作った応援グッズ。ペンライトから法被まで!/筆者撮影

前列で応援を送る胡虎あくびさんのファンのみなさん/筆者撮影

また、ファン側もそれとわかる見た目で参加することがあります。今回の場合、胡虎あくびさんのファンはオリジナルの法被とペンライトを装備して参加した人が多め。

一方、アメミヤチカさんのファンはてるてる坊主を模したファン向けアバターになっている人が見られました。

アメミヤチカさんのファンはてるてる坊主を模したファンアバターに扮する人が多め/筆者撮影

こうした環境によって、アーティストとファンの距離が近くなりやすいことも、VRChat音楽シーンの特徴の一つ。出演後の交流には他のアーティストやクリエイターも交わることも多く、そこから新しい企画や作品が芽生えることもよくあります。

このようなリアルのライブハウスでもよくある現象を、バーチャル空間上で実現できる──VRChatは、バーチャルアーティスト/VTuberおよびファン双方にとってライブの“現場”になりえるのです。

そして……忘れがちなポイントですが、こうしたイベントに自宅からアクセスできるのは大きなメリット。

歌う人も聴く人も、交通費をかけず、終電の心配もせずに、ライブへ足を運べるんです。特に地方にお住まいの人にとっては、非常に大きな魅力かもしれません。

マネタイズという課題を乗り越える試み

数多くの魅力が宿るVRChat音楽カルチャーですが、同時に課題もいくつか存在します。

会場にはVRChatはじめたてと思しき人の姿も。白河しらせさんのファンだったのかも/筆者撮影

一つは、会場の収容人数。VRChatの仕様上、ワールド内の最大収容人数は80人が上限であり、イベントのキャパシティはそこまで多くはありません。現時点では、同時配信などでカバーするのが関の山です。また、VRChatそのもののアクセスのハードルの高さも無視できない課題です。

もう一つはマネタイズ。現在、VRChatには課金コンテンツ実装機能がユーザーに向けて解放されはじめていますが、イベントチケット機能は実現されていません。

このため、音楽ライブなどを実施する場合でも、VRChat上で開催する場合は基本的には無料イベントとなりがち。マネタイズは難しいのが実情でした。

終演後の出演者・観客をまじえた記念撮影も、VRChatでは定番イベント/筆者撮影

「はじめのるつぼ Vol.2」は、上記の課題のうち、マネタイズ問題に「外部チケッティングサービスとの併用」によって突破口を切り開く試みと言えます。

VRChat上のライブでも収益を生み出し、持続可能性を有する音楽文化を育む挑戦は、まだまだはじまったばかりです。

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