RIOT MUSIC主催ライブから紐解くVRChatの音楽文化──仮想空間は“現場”になりうる

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浅田カズラ

空間演出も早着替えも、アーティスト一人で実現

それでは、会場B出演者のパフォーマンスの様子をライブレポートとしてお伝えしつつ、VRChatライブの魅力もご紹介していきましょう。

アメミヤチカさん/筆者撮影

トップバッターをつとめたのはアメミヤチカさん。主にVRChatとYouTubeに活動拠点に構えるバーチャルシンガーです。

優しく消え入るような、儚げな歌声が特徴的で、今回の出演でも耳と心を癒すようなしっとりとした選曲が多め。

ポップで明るい歌も披露しており、表現力の広さがうかがえます。

アメミヤチカさんパフォーマンスの様子。客席まで届く空間表現が光った/筆者撮影

目を引いたのは、自身のアバターに空間演出を仕込んでライブに臨んでいたこと。

雨が降り、光が舞い、足元が水浸しになるなど、曲に合わせた空間演出でさらに観客を引き込むステージを見せてくれました。

胡虎あくびさん/筆者撮影

二番手は胡虎あくびさん。VTuberとしても活動するバーチャルシンガーで、RIOT MUSICのVTuberサポート事業「RIONECTION」にも参加。そしてAdHocのアンバサダーもつとめています。

シンガーとしてははつらつとした歌声とパフォーマンスが持ち味で、ロックからバラードまで幅広い楽曲を歌いこなします。

本イベントを楽しみにしていたこともあってか、今回はテンション高めの選曲が多め。

ライブ中に衣装を着替えた胡虎あくびさん。早着替えは意外とやりやすい/筆者撮影

そしてライブ中には衣装の早着替えも披露。楽曲に合わせた衣装チェンジはVTuberの3Dライブでもしばしば見られますが、ここVRChatでもよく見られる演出です。

空間演出や衣装チェンジなど、ライブを華やかに見せる仕掛けを、やろうと思えばアーティストのワンオペレーション(1人作業)で実行できてしまうところが、VRChatライブの強み。

もちろん、専任スタッフをアサインすればよりスムーズに、さらに大掛かりな仕掛けも組み込めます。そして、アーティストを魅せる華やかな演出を、その身でダイレクトに浴びられることもまた、VRChatライブの醍醐味の一つです。

「目の前で応援してくれるファン」の存在は、VTuberにも魅力的?

そしてこの日トリをつとめたのは白河しらせさん。

RIOT MUSICから2023年にデビューしたバーチャルアーティストで、透き通った芯のある歌声が特徴。VRChatでのライブは今回が初です。

白河しらせさん/筆者撮影

VRモードではなくデスクトップモード(VR機器なし)での参加でしたが、Webカメラトラッキングのおかげで表現力は比較的豊か。

顔だけでなく両手の身振り手振りもつけて歌唱できるのは、一般的なLive2Dモデルにはない強みです。

選曲はカバー中心で、最後にオリジナル曲も披露。RIOT MUSIC所属だけあり、実力は申し分無し。

初見のVRChatユーザーも多かったであろう会場で、しっかりと現場の空気をものにしていました。

白河しらせさんのパフォーマンス。Webカメラトラッキングのおかげで、デスクトップモードでも表現力が確保されていた/筆者撮影

普段から配信を行うバーチャルアーティスト/VTuberにとって、VRChatは最大同時接続人数こそYouTubeに劣るものの、観客が眼前に存在し、リアルタイムでリアクションをしてくれる点が大きな違い。

観客にとっても、VR空間で眼前に存在するアーティストが歌う姿を見る体験は、配信とは異なる距離の近さを感じさせられるはず。そして、自分の想いをコメントではなく、声やエモート(感情表現)で直接届けられるのも大きなポイントです。

よりダイレクトかつ濃密なライブ鑑賞と、それに伴う濃い関係値の構築。

このあたりが、配信主体のバーチャルアーティストがVRChatへ進出したいと思える理由になるかもしれません。

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