ロールプレイは「青春のやり直し」である
――前回のインタビューから時間が経ち、ストグラをはじめ、ロールプレイサーバー自体の人気が高まってきています。しょぼすけさんは、なぜこれだけロールプレイサーバーが注目を集めていると考えていますか?
しょぼすけ VRChatとかを見て僕は思うんですけど、やっぱり現代人って、自分ができなかった人生をアバターとして体験したり、自分の状況を一旦リセットして新しく友だちをつくりたい人が多いんじゃないかなって。
ストグラにおいてもよく聞く言葉としては、ある程度その知名度が上がってしまうと、気を遣われてしまったりとか、純粋に接してくれてないんじゃないかいう不安とか。そういうことを気にすることが増えてしまうわけですよね。
ただ、ロールプレイやVRChatのアバターを用いることで、自分の身分を隠しながらも一個人としてお互いにラフに純粋なコミュニケーションをとることができると思うんですよ。
これは、ある意味でいうと「青春のやり直し」や「人生のやり直し」に近い部分があると思っています。それがストグラにおいては、楽しいし、ハマる理由になっている。
だから、ロールプレイサーバーは、人生をやり直せる場所として、自分じゃない自分として新しい人生を生きる場所としての需要を一定数満たしているんだと思います。
――視聴者側としても、そうですよね。人の生活を垣間見るっていうのは、新たな一面っていうか、新鮮なものだと感じますね。
経営者兼配信者“しょぼすけ”――その狭間での苦悩
――昨今のストグラでは、だん市長補佐やかな視聴補佐など運営スタッフにもファンから注目が集まるようになったと思います。しょぼすけさんは開発や運営をサポートしてくれるメンバーをどう見てらっしゃいますか。
しょぼすけ 僕だけが全部つくってるっていうふうに思われるのは、ありがたいんですけども「なんかちょっと違うな」って部分もあって。
ストグラは3年前、僕と、もう1人の2人ではじめたんですけど、今では大体20名弱が稼働しています。会社として、僕だけの意見じゃなくて「しょぼすけさん、それは違うと思う。それだと、みんな楽しめないと思います」みたいに意見を正直に言ってくれるスタッフもいるんですよね。スタッフを含めてチームとして、ストグラをつくっているんだと思います。
なので「このプラグインは、この子が頑張ってつくってくれたんだよ」とか、みんなで会社の中で頑張ってつくってるところを僕は見せていきたいなって思っています。補佐のみんなも、街の大事な歯車のひとつとして動けるような環境を頑張ってつくってますね。
――補佐の中には、サーバーの中で遊んでいる方もいますが、ストグラCasualができれば、開発だけであまり表に出てこない方も配信者同士と交流できる場も出てくるのではないでしょうか?
しょぼすけ そこはスタッフの意見を尊重していて。表に出たくないっていう方も結構いるので、そういった方は表に出なくてもいいよって言っています。逆に配信者の方から直接意見を聞きたい際には、そのスタッフの意思をちゃんと引き継いだ上で僕が聞きにいくこともありますし、職場環境的にその人の望むことが、ちゃんとできるように常々考えています。
ただ、プレイヤーと仲良くなりすぎてしまうと、直接プレイヤーから要望をぶつけられたりとか、予期せぬトラブルが増えてしまう。セキュリティだったり、コミュニティ面への注意や教育は、常日頃から僕自身のストリーマー人生の経験を活かしています。
僕は15年ぐらい配信やっていて、いろいろなことを経験してきました。今までいわば一般人だった人が、バズって数千人に見られるとか、フォロワー数が1日数百人増えるって、なかなか人生で経験できないことだと思うんです。
そのときに、どういう気持ちになるか、どういうことをしてしまうか──僕はわかるんですよね。だから、気をつけろよみたいな話はよくします。
――脇をしっかりしめて、気を付けないといけないよ、と。
しょぼすけ そうです。そういう話は、僕の実体験を含めて話してるから、リアリティを持って聞いてくれますね。スタッフの方々も含めて、ありがたいなと思います。
――しょぼすけさんは、ずっと配信者をされていますし、実体験のエピソードを後から配信アーカイブとして見ようと思えば見れるじゃないですか。その分、重みが違いますよね。
しょぼすけ 本当に今のインターネットって炎上しやすいので。炎上や何かもしあったときや、会社としての責任取るのは僕だよっていう話もよくします。
――運営する立場からすると、プレイヤー/観測者との付き合い方って難しいですよね……。
しょぼすけ そうですね。これは本当に僕ならではの難しさなんですけど、配信者のしょぼすけという側面と、株式会社GANMA 代表の岩間滉っていう立場がふたつあるんですよ。友だちとしてのしょぼすけと、スタッフの先生としての岩間滉っていう。
なので、注意してる時に「冷たいですね」とか「しょぼすけさんが、そんな感じだと思わなかったです」と言われたことがあって。何か注意するとき「(この子からは)俺はしょぼすけとしても嫌われて生きてくんだろうな……」と思いながら注意したり。
――「友だちではいられないんだな」みたいな……。
しょぼすけ そういう切ない気持ちには、よくなります。でもやっちゃいけないことを誰かがしてるとしたら、リーダーとして厳しく叱らないといけない場面もあります。そういう、友だちサーバーとしてはじめた上での立場のジレンマは、3年間ずっと悩まされ続けています。多分今後も悩み続けると思います。
――苦しいですね……。今日お話をお聞かせいただいて、前回の取材に比べて、話し方のニュアンスだったり、話の中で「会社として」という言い方が出てきたり、しっかり社長をされているんだなと感じ入ってしまいました。
しょぼすけ 正直きつかったですね、2025年は本当に。今まで“人生”をゲームでさぼって疎かにしていた分のツケが回ってきてるなって感じです。
――様々な雑務や実務もある中で、会社経営や運営をやられてると思うので、その苦労もあるんだろうな、というのが今回お話する中で伝わってきました。
しょぼすけ しょぼすけとしての自分と、社長としての自分のバランスとか、「僕は今本当に自分がやりたいストグラを運営できてるのか」「なんで僕は社長をやってるんだろう。僕は本当に社長になってまでストグラをやりたかったのか」とか、何かそういう悩みが一気に来る年だったんですよね。
――サーバーやイベントを動かすだけじゃなく、会社を回さなきゃいけないところもあるわけですよね。
しょぼすけ そうなんですよ。そもそも僕はただのゲーム好きであり、面白い企画やりたかった人であって、別に会社経営したかった人ではなかったから。
だから、今の自分は本当にやりたいことをやれてるのか、あるいはやりたいことをできない人生こそが普通なんじゃないか――とかすごく考えましたね。
僕はもっとゲームのことを考えたいのに、会社の人事の編成をどうしようかとか考えていて。これが30歳を超えて大人になるってことなのかっていう。もう20代の若者として生きてくことはできないんだっていうのを痛感しました。“社会不適合者の配信者”の1人として、もう生きちゃいけないんだっていう怖さみたいなものと戦いながら、なんとか“しょぼすけ”を続けてきた1年でした。
――他の配信者の方でも、例えばYamatoNさんもREJECTの取締役をつとめています。そういう社会的な責任を背負う配信者が出てきているんだなっていうのは、時代の変化としても感じる部分です。
しょぼすけ 実際にそうだと思います。ただ、僕は配信できてないんですよね……。YamatoNさんはちゃんと今も配信してるじゃないですか。
だから僕は今「配信者」って肩書きだけがある人なんです。ぶっちゃけ今も『RUST』やりたいですよ。僕は今『RUST』の企画(VIVA RUST)をやっているけど、「ストグラ Season2」をつくっているから、1週間で2日しか入れてないんですよね。
しょぼすけ 「俺って配信者なりたかったんじゃないの!?」と思うこともありますけど、人生って別に完璧にうまくいくことはないと思う。今こうやってみんなが楽しみながら生きているだけで幸せなことなんだな――って思うようになりました。そこまでいきましたね僕は。
――悟りですね。そのうえでの今後の目標はありますか?
しょぼすけ しっかりと会社の体制を整えて、いっぱいゲームしたいです(笑)。安心して配信できる時間が欲しいなって思います。配信中にDMでの仕事の通知が来て「じゃあ配信切らないと……」みたいなことがあると切ないじゃないですか(笑)。
――切ない……! それは!
しょぼすけ 配信者じゃなくなってしまうのは、ストグラにとってもよくないと思ってるので。僕が配信者だからこそ、参加してる人もいっぱいいると思っています。そういう人たちの期待に応えるためにも、これからも頑張っていきたいと思います!
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