『チンチロフィーバー』(SG)/FandL
FandL
著名なボカロPのアイドルへの楽曲提供は、ずいぶん昔から行われてきたことです。しかし、最近はそのような楽曲があまりにも多いせいか、良い楽曲が埋もれてしまうこともかなりあります。
東京を中心に活動するFandLも、ボカロPに提供を受けた楽曲で名作を生み出しているアイドルグループのひとつです。
さいころを使った賭博・チンチロリンをモチーフにした「チンチロフィーバー」は、2024年にリリースされた「ふぁんぶる!」のバイラルヒットが記憶に新しいボカロP・藤原ハガネさんと映像作家/イラストレーター・残響室さんがタッグを組んで生みだした楽曲及びMV。
藤原ハガネさんの他楽曲に比べるとミドルテンポで、バキバキなスラップベースが特徴的。そのような意外性もありながら、「脳汁バク上げで武者震い」という歌詞に負けないくらいに中毒性のある一曲に仕上がってます。
チンチロにも「ファンブル」に近い「ションベン」の概念があるので、姉妹楽曲と言ってもいいかもしれませんね。
また、FandLは同じ座組で風呂キャンセル界隈をテーマにした楽曲「フロきゃん!」を2024年にリリースしています。こちらもいい楽曲なのでぜひチャックしてみてください。
『Once Upon a Night』(EP)/いつかの夜に僕たちが、
いつかの夜に僕たちが、
2024年10月19日にデビューした、大阪を拠点に活動するアイドル、いつかの夜に僕たちが、。バンダイナムコエンターテインメントのキャラクタープロジェクト・電音部のように、メンバーそれぞれにイラストのアバターが存在しています。
アイドルグループ・fishbowlのプロデューサーとして知られ、FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」や「NEW KAWAII」を手がけたヤマモトショウさんの弟子・谷のばらさんが多くの楽曲を制作。EP『Once Upon a Night』でも、オーバーチュアを除く3曲を提供しています。
KAI-YOUの読者にとっては、にじさんじのユニット・Idiosの「こいのね!」が馴染み深い楽曲かもしれないですね。
本作の収録楽曲である「Fit」は、ヤマモトショウさんの系譜を感じさせる洗練されたおしゃれなKAWAIIミュージックに。
「バランスとれない」 では、ヴィブラスラップや動物の鳴き声といったアニメ的なSEがふんだんに盛り込まれ、フィクションのような夢の世界を演出する方向で、よりグループのコンセプトに寄ったKAWAIIを追求した一曲となっています。
『血糖値爆上居眠』(EP)/とんでもはっぷん!
とんでもはっぷん!
激ユル!!!
大阪を拠点に活動するセルフプロデュースアイドル・とんでもはっぷん! 。私の周りの熱心なアンダーグラウンドアイドル好きの間でも噂になっていた存在で、今年ついにライブを観ることができて本当に嬉しかったです。
やりたいことがカッコいいオルタナティブ・ロックなアイドルがいれば、やりたいことが激ユルなサブカルチャーなアイドルも、もちろん存在しています。このグループは前述した“DIY感”のようなものに溢れたアイドルです。
『血糖値爆上居眠』は、お腹が空いて不機嫌であることを主張し続ける「ぷんぷんすぷーん」、空腹のクマを描いた「くまっちゃう」。そして 「トマト!トマト!」とひたすら歌う 「トマト」 といった具合に、食べ物関連のテーマと脱力感のあるサウンドで統一。
そんな中で、圧倒的に音のきめが細かく、エモーショナルに歌う、ポエティックなエレクトロニカ「soup」の存在は異質。ユルいだけではない、とんでもはっぷん!のシリアスさを垣間見る美しい楽曲です。
今回、あまりにも候補が多くて取り上げすぎるとキリがないという理由で詳細なレビューからは外してしまいましたが、現在の大阪にはスワンスワンズ、セツナフロート、ぷりしえーるなど、他にも素晴らしいセルフプロデュースアイドルが数多く存在しています。
どのグループも全く違う個性を持ったアイドルたちですので、ぜひ調べてみてください!
『GOTH"AM" CIRCUS』(AL)/丑03-USHIMITSU-
丑03-USHIMITSU-
日本武道館で単独公演を行ったぜんぶ君のせいだ。も所属するアイドル事務所・コドモメンタルから生まれた、異質なアイドル・丑03(うしみつ)。
特筆すべきは白塗りのメンバー・404ERRORさん。ライブ中は一切歌わないどころか、あらゆる場面で一切喋ることはなく、不気味にたたずむ謎の存在です。
しかし、ダンスパフォーマンスのクオリティーはずば抜けて高く、「声」というアイドルにとって絶対的に必要とされていると思われていた要素を一切排除しながらも、丑03というグループを定義する稀有な存在となっています。
今時珍しく、配信はSoundCloudのみで行っているアルバム『GOTH""AM"" CIRCUS』は、名前の通り「バットマン」シリーズのゴッサムシティを意識させるダークで攻撃的な一作に。
ゴシックカルチャーを盛り込んだ世界観、インダストリアル/デジタルハードコアを主体に“暴力”で統一させた音楽性。これらを生み出すアイドルがこれからどのような層に届き、どのように突き進んでいくのか見ものです。
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