「執念で続けてきた」桜樹みりあ、奏みみ、クレア先生が新人NÄOに伝えるVTuberサバイブ術

NÄOの1stシングル「ジレンマ」は、引きこもっていた自分へのメッセージ

ここからは、座談会を終えたNÄOさんに単独インタビューを実施。“ベテランVTuber”である先輩と話した感想や、1stシングル「ジレンマ」について聞いた。

──賑やかな座談会になりましたね。改めて先輩たちと話してみていかがでしたか?

NÄO それぞれ目標や思いがあって活動してるのがよくわかりましたし、自分が先輩方と繋がれていると思える部分もあってホッとしました。みなさん優しかったので、これからも安心して一緒に活動できそうです。

──座談会でも触れられていましたが、1stシングル「ジレンマ」についてさらにお聞きします。歌詞の中で、<当たり障りのないテンプレートに添って 仮面を被った自由の上では 生きたくないんだ>というフレーズが非常に印象的でした。込められた想いを教えてください。

NÄO 以前、心の病を患って引きこもっていた時期があったんですが、その当時ノートに書き殴っていた言葉が、「ジレンマ」の歌詞の元になっています。

当時は「消えてなくなりたい」とか、「自分がいなくなっても誰も困らないんじゃないか」とか思っていて、そういう嘆きのような言葉もノートに書いていたんです。

でも消えてしまいたいけど、行動に移すことはできなくて、じゃあもうどうすればいいんだろうみたいな、どうにもならない感情を抱えてました。

NÄO「ジレンマ」

NÄO そんな言葉たちを見返して、今こうやって生きている私から当時の私へ伝えられるメッセージがあると思ったんです。今でも答えは見つからないけど、生きてさえいれば何かが見つかったり、誰かの何かになれるかもしれないよって。

作曲してくださったRenさんとの話の中で、「ちょっと表現が直接的過ぎるんじゃないか」って言われたんですけど、そこは譲れませんでした。最終的にはものすごくわがままをきいてもらいました(笑)。

NÄO「バーチャル“だけ”で活動はしたくなかった」

──<仮面を被った自由の上では生きたくない>は、二次元/三次元にとらわれず活動する“パラレルアーティスト”としてのNÄOさんを象徴しているようにも感じました。

NÄO 音楽歴は長いので、これまでもいろんな形で活動をしてきました。どれも楽しかったし、何かを伝えたいという思いも変わらなかったけど、どこかでファンの方に見せてる自分と普段の自分との乖離も感じていたんです

自分とファンの方々へ嘘をつかないためにも、自分を偽る仮面は取っ払って、本当の自分を見せたい。そういう思いが現れているのがそのフレーズですね。

NÄOさん

──そのスタイルが歌声としっかりハマっているがゆえに、強い説得力を持った楽曲になっているとも感じました。同時に、「VTuber」ではなく「パラレルアーティスト」という肩書きを選んだ理由なのかなとも思いました。

NÄO 実は、最初にバーチャルアーティストとしての活動を提案してもらった時は、あまり前向きに捉えられなくてとても悩んだ時間がありました。というのも、私は、特に「ライブ」で生の声を届けたり、実際に来てくれる人たちの生の表情も直接見たいと思っていて。

VTuberだとそれが全くできないというわけではもちろんないんですが、歌を聴いてくれる方と、同じ空間・同じ場所で生歌唱を届けるライブがやれることを目指したいと思っていたので、“バーチャルだけ”という形での活動はしたくないという想いや考えなどを、スタッフの方々にお伝えしました。

そしたら、「今は、バーチャルとリアル、どちらの活動もやっていくアーティストが増えてきているから、どっちもやっていく新しいスタイルのアーティスト活動にチャレンジしてもいいんじゃないか」と言ってもらえて、両方やるパラレルアーティストっていう選択肢が自分の中で、新しく生まれたんです。

自分の中でもその形は腑に落ちましたし、すごくいい提案をしてもらえました。

──NÄOさんの信念を表現するための形であると。

NÄO リアルとバーチャルの壁は薄くなってはきているけど、でもまだ壁はあると思っています。そのどちらでもあるパラレルアーティストとして活動することで、懸け橋になっていきたいです。

仮に私がいなくなったとしても、NÄOの曲は残り続けるので、自分の感じたことや思いを歌詞にするというのにこだわり続けたいし、一番スタイルに合っているとは思います。

ただ活動を続けていく中で、いろんな刺激を受けて変わっていくこともあるだろうし、ファンの方からの声を受けて、新しいスタイルで曲をつくるのもいいかもしれません。

でも、NÄOとして音楽を続けていく上では、絶対に嘘は書きたくないという思いを貫いていきたいです

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