VTuberに関する文芸/歴史編纂/研究を主題とした書籍『風とバーチャル』の第3集が、「コミックマーケット105」(C105)で頒布される。
日付は2日目となる12月30日(月)。場所は東京ビッグサイト(東京国際展示場)の東7ホール “s” ブロック 48ab。
第3集は、これまでのVTuberの記録活動の集大成として制作。また、今号をもって『風とバーチャル』の発行は無期限休止になると明らかにされている。
VTuberシーンの現状や歴史を記録する『風とバーチャル』
『風とバーチャル』は、VTuberジャーナリストの古月さんが主宰するVTuberの歴史編纂・記録誌として、2021年に発足。
“世界初のバーチャルYouTuber”であるKizuna AI(キズナアイ)さんが誕生して以降のVTuberシーンの現状や、これまでの歴史を記録するべく活動してきた。
第1集は2023年末、第1.5集と第2集が2024年8月に頒布。業界関係者やVTuberへのインタビュー、識者によるコラムのほか、年表などが収録された。
あしやまひろこ、根岸貴哉ら寄稿 VTuberの名義問題にもフォーカス
第3集は、これまでと異なり最新情報を盛り込んだ書き下ろし原稿を収録。
寄稿者には、VN3ライセンスの主幹をし、内閣府「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」にも参加したあしやまひろこさんや、立命館大学 先端総合学術研究科の研究指導助手の根岸貴哉さんなどが名を連ねる。
弁護士の関真也さんは、VTuberの名義問題について、過去の裁判例などから法的論点を整理。移籍・独立等の後も、同じVTuber名を使用し続けることができるかどうかに焦点をあてている。
インタビューでは、元フジテレビの坂本浩さんに取材。「VTuber」という言葉が生まれる以前に制作された、世界初のリアルタイムで動く3DCGキャラクター「ノケゾリーナ」などの取り組みについて話を聞いた。
また、今回もVTuberに関する年表を収録。2022年から2023年までの年表を掲載し、新型コロナウイルス感染症流行後のVTuberの出来事を約100ページ超のボリュームで振り返ることができる。
『風とバーチャル』第3集 目次
小宵「旅する文学」(『風とバーチャル』イメージ詩)
古月「はじめに」
●特別インタビュー
古月「最古のVTuber(?)ノケゾリーナを生み出した坂本浩 独占インタビュー 」
●コラム/エッセイ
八坂天「『バーチャルWalke』」のはじまりと変化を振り返る ~VR・VTuberを観測してきた6年間とこれから」
SRVTオーディションWiki管理人「SHOWROOMのバーチャルジャンルとオーディション概説」
安倉儀たたた「パレードで、いつか。」
ヒガキユウカ「ホロスターズは如何にして今日の人気を獲得したのか」
かなた「VTuberはいかにしてリアルを表現してきたか」
あしやまひろこ「Vの身体」
根岸 貴哉「あなたはVTuberをみていますか?――ゲーム実況とワイプの観点から考えるVTuber」
泉信行「アニメキャラクターに見た夢、VTuber前史とアニメが交差した先に――石ダテコー太郎アニメから魔法少女ホロウィッチ!まで」
●弁護士解説
関真也「VTuberの移籍・独立時における名称の権利処理について」
VTuber年表(108ページ)
古月「おわりに」
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書籍情報
「風とバーチャル」第三集
- 編集長
- 古月(@ran_koga_mas)
- 題字
- 八坂天(@10V_tkc)
- イラスト:
- 河地りん(@gingatrain814)
- DTP
- EMA(@ema_zakiyama)、ぷる
- 協力
- TAG、FG
- ページ数
- 220ページ
- サイズ
- B5
- イベント価格
- 2000円
関連リンク
連載
2024年12月29日(日)・30(月)の2日間にわたって、東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される“冬コミ”こと「コミックマーケット105」(C105)を特集。
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