漫画配信サイト・マンガ図書館Zが、11月26日(火)12時にサービスを停止すると発表した。
理由はクレジットカード会社からの決済停止。運営する株式会社Jコミックテラスは10月29日、契約する決済代行会社から「アダルトコンテンツの取り扱い」を理由に、同月末での契約解除を通達されたと発表していた。
今回の発表で同社は、立て直しを含め協議を重ねたが、「作家様への還元ができなくなるようなサイト運用を続けることは、結果的に作家様、ユーザ様からの信頼も裏切ることになる」と判断。サービス停止を決断した。
決済停止はカード会社の判断「覆すことのできない状況」
マンガ図書館Zを巡っては6月、サービスを立ち上げた漫画家の赤松健さん(現参議院議員)がXで、「国際ブランドのクレジットカードから『特定のワード』を含む作品の配信停止を要求された」と投稿していた。
Jコミックテラスは11月5日の発表で、「決済サービスの契約を10月末ですべて解約せざるを得なくなりました」と報告。
決済代行会社と協議したものの、解約の主な要因が「カード会社の判断によるものであり、すでに弊社では覆すことのできない状況」だったと説明した。
なお、Jコミックテラスはマンガ図書館Zの再始動の道を模索していることを明かしており、「非営利団体への移行やクラウドファンディングなども検討」しているという。
絶版本が読める唯一無二のサイト 運営は漫画家 赤松健ら
マンガ図書館Zは、絶版となった漫画を中心に、広告付きで無料配信している漫画配信サイト。現在はGYAOと漫画家・赤松健さんによって設立されたJコミックテラスが運営している。
2010年に前身となるサービス「Jコミ」が公開された14年前は電子書籍がまだ一般的ではなく、いまや膨大な数となった漫画配信サービスも数えるほどしかなかった。
そんな中、インターネット上で誰もが無料で漫画を読むことができた「Jコミ」は、漫画配信サービスの先駆けとも言える。
また、絶版になり今ではプレミア価格が付けられている稀覯本や、電子化していない数多くの漫画を中心に配信しており、漫画配信サービスが乱立する現在でも、唯一無二の存在として重宝されていた。
突如クレカが使えなくなる 相次ぐ決済停止の波
2022年頃から、漫画などを配信するサービスにおいて、Visa、Mastercard、American Expressといったクレジットカード会社の決済停止が相次いでいる。
2024年だけでも、大手ダウンロード販売サイト・DLsiteや、クリエイター支援サイト・ファンティア、pixivやBOOTHなどピクシブ社の関連サービス、ニコニコと、多くのプラットフォームで特定のクレジットカードが利用できなくなる事態に。
マンガ図書館Zのサービス停止も、相次ぐクレカ決済停止の影響によるものだ。
なお、マンガ図書館Zを運営するJコミックテラスでは、他社ストアに作品を提供する卸事業も手がけており、今後は卸事業に注力し継続すると共に、前述した再始動の道を模索するとしている。
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