ふざけたことこそ、真面目にやればやるほど面白い。それがユーモアであり、ズラしである。
ともすれば、Travis Japanの新曲「Crazy Crazy」のMVは、ダンスに真剣に向き合ってきた彼らだからこそできる、コメディムービーと言えるだろう。
『ウエスト・サイド・ストーリー』的な対立する2グループのダンスバトル
STARTO ENTERTAIMENT社所属のアイドルグループの中でも屈指のダンススキルを誇るTravis Japan。「Crazy Crazy」は、12月4日(水)にリリースする2ndアルバム『Viisual』からの先行配信曲。
Black Eyed Peas「Pump It」を彷彿とさせる、高速ピッキングのエレキギターが印象的なポップナンバーだ。
MVの監督は、Travis Japanの楽曲では過去に「Sweetest Tune」のMVも手がけた韓国のYvng Wingさんが監督をつとめている。
その物語の下敷きになっているのは、さながら『ウエスト・サイド・ストーリー(West Side Story)』的な、2つの対立するチームによるダンスバトルである。
20代後半のTravis Japanが不良高校生に
「Crazy Crazy」のMVに、Travis Japanのメンバーたちは、なぜか17歳のヤンキー高校生として登場。
学ランを着崩した平均年齢20代後半の7人が、TJ高校で送る学生生活が描かれる。
Travis Japanのメンバーたちは、突如善行を働かないと気が済まなくなる病気に罹患。
素行不良だからか他の生徒から一歩距離を置かれている彼らが、急に品行方正になり──というのが大まかなストーリーラインだ。
ミュージカルのように時に歌い、時に踊りながら物語が進んでいく。
最終的に、Travis Japanは、ステレオタイプ的にメガネをかけ、いかにも優等生然としたVillainsと対立。ヤンキーらしく喧嘩……ではなくダンスバトルで勝負することになる。何の前振りもなく、唐突に。
トンチキは真剣でハイクオリティだからこそ面白い
確かにダンスバトルには、ギャングの抗争の際、犯罪や暴力の代わりにブレイクダンスが行われるようになったという歴史的背景があり、物語の筋としては通っている。
それでもなお、トンチキなコンセプトのMVだと評さざるを得ない。
しかし、そんなシュールなコンセプトでも、否だからこそあえて、Travis Japanは真面目に演じ、歌い踊る。
Travis Japanが真剣に17歳のヤンキー高校生を演じ、アメリカで武者修行して培ったハイクオリティなダンスを披露すればするほど、そのトンチキさがより際立つのだ。
ふざけたことこそ、真面目にやればやるほど面白いのである。
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4件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:10974)
ハイクオリティだからこそ
良い!好き!の気持ちを言語化していただけて嬉しいです。
ふざけ倒してるのに歌もダンスもビジュアルもハイクオリティで気持ちいい!
悪党たちのダンスもかっこよくてダンスバトルの続き見たくなります。振付師の方が乱入者として登場するシーンも大好きです。
このダンス難しいらしいですが難しいダンスを踊っている感じがしなくて、ダンスって楽しそう!がまず伝わってくるのがさすがです。
匿名ハッコウくん(ID:10972)
1960年代生まれの自分はすぐにDick Daleの「Misirlou」だと思いましたが、1996年生まれの都築さんがBlack Eyed Peas「Pump It」を思い出すのは、やはりジェネレーションギャップなのでしょうか笑
なんにしてもこれで来るか!という感じはありました。こんなトラックを使っておきながらサビはドレミファソラシドの音階を刻んで上がっていくだけという誰でもすぐに覚えられるキャッチーなメロディー。期待を裏切ってくるTravis Japan、最高です。
匿名ハッコウくん(ID:10971)
Jr時代から「いい子たち」と評される事の多い彼らがヤンキーに扮する時点でキャラクターにギャップの面白さがあって、そこにシュールなコンセプトとスキルフルで真剣な表情でのダンスシーンが合わさる事でトンチキ感が際立っていると感じています。
ミュージカルのようなストーリー性のあるMVを端的に分かりやすく説明されていて嬉しくなりました。
ありがとうございます。
MVを端的に分かりやすく評されてる記事で嬉しくなりました