連載 | #6 ニコニコ町会議

小林幸子が語る、ボカロにしびれたワケ 本人がコミケ参加を振り返る!

コミケでの思い出

8月に開催された「コミックマーケット86」で小林幸子さん自らが手売りしている様子

──今年は8月にコミケで自身のボカロカバーミニアルバム『さちさちにしてあげる♪』約1,500枚を手売りされて、アニメやマンガが好きな、いわゆるオタクの世界の人たちと直接触れ合いましたよね。

小林 コミケに参加してみて感じたのが、こっちの世界の人たちはものすごく素直。実際に話してみると、みんなシャイで言いたいことをうまく言えないんだけど、涙ぐみながら「買えてよかった、おばあちゃんに買ってきてって言われて…」って喜ぶんですよ!

その人は日光に住んでる田舎のおばあちゃんのために並んでくれたんですけど、久しぶりにおばあちゃんから電話がかかってきたみたいで。

 おばあちゃんどうしたの?

おばあちゃん お前ミッケー行くんだっけ?

 ミッケーって何?

おばあちゃん ミッケーだよミッケー

 コミケのこと?

おばあちゃん あぁ、そうそう!

 それがどうしたの?

おばあちゃん 小林幸子がいるんだろ? CD買ってきてくれよ

って会話があったようで、私その話を聞いて本当に嬉しくって。

──一同(笑)。

おばあちゃんは頒布してるCDがボカロのカバーアルバムってことは知らないんだけど、そのお孫さんは5時間も並んで買ってくれたんです。

しかも「これまで全然親孝行できてなかったけど、やっとおばあちゃんに親孝行できたぁ!」「ありがとうございます!」って言うんですよ。

「もう、な〜んて優しい人なんだろう!」って思いました。

小林幸子さんの『さちさちにしてあげる♪』を買い求めて並んでいる行列

1キロも並んでるって聞いた時も信じられなかったんですけど、普段アニメとか見てる人たちが炎天下の中何時間も並んでくれてるのは、間違いなく私のCDを待ってくれている人たちなんだと思うと、握手なんかもしたりして。そしたら中には「結構です」って断られることもあったんです。

「あれ? なんで?」って思ってたら、「幸子さん、握手する時間があったら早く後ろの人に頒布してあげて下さい」って。

そういう人。それがコミケに参加する人たちなんです。こんなに優しいなんて、私正直びっくりしました。

ほかにも、叩くとすぐに冷たくなる「冷却パウチ」はどれだけの人にいただいたか覚えてないくらいだし、「喉が枯れちゃうかもしれないので舐めて下さい」ってのど飴をくれたり、飲み物をくれる人もいたり、私が「ありがとうございます」って言うのはわかるんですけど、並んでくれた人たちが私に「ありがとうございます」って言ってくれるんです。

あと「冬は、冬は来るんですかぁぁぁ?」ってよく聞かれたんですけど、冬コミの参加は考えてません(笑)。あまりにも暑かったので(笑)。

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ニコニコ動画やニコニコ生放送などのサービスで知られるniconicoのほぼすべてを地上で再現した大きなイベント「ニコニコ超会議」。 その「ニコニコ超会議」を、全国各地を巡りながら、その町々で再現するのが、今回の「ニコニコ町会議」です! 「ニコニコ超会議」とは異なり、長野や名古屋、大阪、愛知、愛媛など、主に地方を中心に開催されるため、地元の祭りとの併催となる「町会議」。そのため、niconicoが運営しているイベントながら、非常に地元色が色濃く反映されるイベントであり、「超会議」とは違う地元ならではの感動や優しさが感じられる大人気のイベントです。 ちなみに「ニコニコ町会議」の読み方は「にこにこちょうかいぎ」。読み方は「ニコニコ超会議」と同じなので、会話するときに若干煩わしいのが難点です……。 ちょっとややこしくないですか? とドワンゴの人に尋ねたところ、ややこしいので我々は「まちかいぎ」と呼んでいますと言っていました。 たしかに、「まちかいぎ」だととてもわかりやすくていいですよね! そんな「ニコニコ町会議」ですが、協賛はなんとあの自動車メーカーのスズキ。毎年、スズキの車がニコニコカーとしてアレンジされて、全国各地の町会議に出展されています。 今年は一体どの町で開催されるのでしょうか? 気になりますね〜〜〜

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