2020年4月に、YouTubeチャンネルを開設してYouTubeでの活動を開始した、佐々木未来(みころん)、愛美(あいみん)、伊藤彩沙(あやさちゃん)をメンバーとする「声優三姉妹 チームY」(以下「チームY」)。
コロナ禍に入り、多数の声優がYouTubeを始めた頃でもあったが、チームYの特徴は、3人とももともとYouTubeが好きで、「YouTubeをやってみたい」というところからスタートし、自主制作ユニットとして企画や動画制作、SNS投稿までも基本的に自分たちで行っている点である。
ブシロードグループの声優事務所 響にあって、異例の活動方針と言える。
YouTubeを始めて2024年で4年が経過したチームYは、現在では「YouTuber」の枠を飛び出して、写真集の制作、オリジナル曲の制作、リアル脱出ゲームへの声の出演など、声優ユニットとしても様々な活動を対外的に行っている。今年は初のオリジナルアルバムをクラウドファンディング形式で制作することが決定している。
活動当初はヒカキンさんらが運営する大手事務所・UUUMのサポートで運営されていたYouTubeチャンネルだったが、現在は独立して活動が継続されているのもポイントだ。
韓国・ソウルでのファンミーティングも経て、活動の幅がさらに広がってきているチームYに、現在の動画制作の具体的なプロセスや、韓国で学んだこと、クラウドファンディングの展望と今後の夢などについてお聞きした。
取材・文:中村香住 撮影:小野奈那子 編集:新見直
目次
きっかけは「3人で仕事がしたくて」
──改めて、2020年4月にこの3人でYouTubeを始めた理由やきっかけを教えてください。
佐々木未来 もともと、ミルキィホームズシスターズ(アニメ『ふたりはミルキィホームズ』から派生した声優ユニット)6人の中で、年齢が若い「チームヤング」=チームYと呼ばれていて、3人で一緒にいることが多く、プライベートでも仲良しでした。この3人でYouTubeをやりたいという話は、コロナ禍前からしていて。
伊藤彩沙 ずっと3人で仕事をしたいと言ってたんですが、なかなか機会がなくて。じゃあもう自分たちでやるしかない、と。そのタイミングでUUUMさんとご縁があり、「いざ始めよう」となりました。
佐々木未来 まさにこの部屋(ブシロードの会議室)じゃない? UUUMさんと打ち合わせしたの。チャンネル名から考えて、「チームY」はもちろん入れるんですけど、「声優」という言葉を入れたほうがやっぱりわかりやすいんじゃないかとか、3人で姉妹みたいだし「三姉妹」って頭につけてみようか、みたいな感じで。
本当に、そこにあるホワイトボードに 「声優三姉妹 チームY」と書いたところから始まりました。
──UUUM、特にバディ(クリエイターの担当者)の池ちゃんからはどんなサポートを受けていましたか?
愛美 毎月のデータをわかりやすくまとめて、みんなで会議する時に持ってきてくれたりとか。
伊藤彩沙 あと、スケジュール管理をしてくれる。やっぱり締切を決めないと、コンスタントに動画をあげ続けることって難しいんですよ。結構細かな締切を週に何個も設定してくれて、スケジュール管理をしてくれるのがすごくありがたかったです。
──当時の細かな締切とは、例えば何についての締切でしたか?
愛美 そもそもの動画の撮影素材の共有、あとヒアリングシート…。
佐々木未来 ヒアリングングシート! なつかしい!
伊藤彩沙 動画をどういう方向性で編集してほしいか、みたいな。
愛美 カットしてほしい箇所や、逆に絶対使ってほしい箇所などを簡単にまとめたヒアリングシートを各動画で提出していました。
他には、サムネイルのシーン指定や写真指定、文言の指定などの締切もありました。また、当時週3回動画を投稿していたので、動画監修が毎日のようにあり、それも締切が全部「何時までに」と細かく設定されていました。
伊藤彩沙 動画監修は初稿のほかに、翌日に修正稿もあって。ずっと(締切に)追われてました。
佐々木未来 動画のタイトルを決めるのも、始めたての頃は一回一回3人で電話しながら、こうじゃないああじゃないとずっと相談してました。「こっちに括弧をつけたらどうか」とかそういう細かいところまで、3人で決めてましたね。
UUUMからの独立後、方向性に大きな変化が!
──その後、2022年10月にはUUUMからの独立を発表されていました。なぜ、UUUMから独立をしようと考えたのでしょうか?
愛美 一番は、編集のテイストなどに、自分たちの意志をより細かく反映したいと考えるようになったことが大きいかもしれません。
伊藤彩沙 本当に多くを学ばせていただいた場所でした。
──UUUMさんからの独立以後、新型コロナウイルスの流行も少しずつ落ち着き、YouTubeを始めた頃と比べるとそれぞれが声優業でより忙しくなってきたのではないかと思います。それに伴ってYouTubeの活動も新たなフェーズに入ったのかなと思うのですが、方向性に変化はありましたか?
愛美 方向性はだいぶ変化があったかなと思います。「長く楽しく続けていきたい」というのが一番大きくあるので、自分たちのペースでやっていく方向に変わりました。
体制が変わって見なくなってしまった視聴者もいると思うんですけど、今はこのペースで見てくれる新しいファン層を育てている最中なのかなと思います。ずっと応援してくれている人たちは、みんな「皆さんのペースでいいですよ」と言ってくれて、感謝してます。
佐々木未来 本当に、絶対言ってくれるね。
──今の体制で、「YouTuber」活動をする上での3人の役割分担はどのようになっていますか?
愛美 今は、動画編集は3人での持ち回りでやってます。UUUMさんから独立して、外部の編集さんに頼んでいた時期もあったんですが、ここ数ヶ月は一回自分たちでやることにチャレンジしてみようと思ってまして。
伊藤彩沙 そう、最近は何気に「編集者」としての道を進みだしました。まさか全員が編集をすることになるとは思わなかったですよ!
愛美 あやさが提案してくれたんですよ。それまでもちょいちょい自分たちで編集する機会があったんですけど、今後YouTube続けていくにあたって編集をどうするかという話になった時に、あやさが「2人の編集好きやから、みんなでやらへん?」って。それで、「あやさが好きって言ってくれるなら、やってもいいかな」と思いまして。
佐々木未来 嬉しくなっちゃって。
──そういえば、伊藤さんがThreadsに「チームYの編集って誰がやったかわかりたいですか!?」と投稿されていたのを見ました。今は編集担当者を「あえて」伏せているというわけではないということでしょうか。
愛美 なんか「頑張って編集しました」って言うのもなあ、みたいな。
伊藤彩沙 でも、やっぱり2人の編集がめっちゃ面白いんですよ。面白いからこそ、誰が編集したのかを知ってほしいという気持ちはあるかも。「ここのセンスめっちゃ面白いな」とか、「こんな細かいことやっててすごいな」とかいつも感動しながら見てるから、それを考えると、知ってほしい気がします。
愛美 言ってこうか? 誰が編集したか書いていこう。
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