アイデア出しに視聴者動向の分析、タイトル決めの悩み
──どんな内容の動画を撮影するかはどのように決めていますか。以前、電話も含め週2~3回ほど企画会議を行っているとのお話しがありましたが、今も行われているのでしょうか?
伊藤彩沙 今は、グループLINEで文面だけで企画を決めちゃうことも結構ありますね。明日急遽撮影行けるとなった時は、さすがに電話して決めることもありますが。
──企画のアイデアが思いついたら、随時グループLINEに投げている感じでしょうか。
佐々木未来 そうですね。そこにあやさが色を乗せてくれたりとか。「もうちょっと練るわ!」みたいな。
伊藤彩沙 確かに、それあるかもしれない!(笑) アイデアをもらうと、「そのお題から絶対もっと良い、3人にふさわしい企画ができそう」と思っちゃいます。
愛美 あやさは、YouTubeに人一倍熱い思いがある気がします。
伊藤彩沙 YouTubeめっちゃ見ますし、面白い動画があったらみんなにシェアもします。
愛美 「これやりたい」みたいなのいっぱい来る。でも次に企画会議する時には、忘れちゃうんですよね。(笑)
伊藤彩沙 なんでなんだろうな。いっぱいやってみたい動画企画あるはずなのになあ。
──分析ツールで視聴者の動向を分析する際には、再生回数以外にどのような指標や要素を重視していますか?
愛美 YouTube Studio(YouTubeのクリエイターが、投稿した動画の分析や管理などを行えるツール)の機能自体が 「この動画は普段の視聴者にエンゲージしてません」みたいなアドバイスを常にしてくれるので…。
伊藤彩沙 「この動画は視聴継続時間が長いです」とかな。
愛美 そうそう。それはかなり参考にしてますね。
伊藤彩沙 あいみんがYouTube Studioを見てくれることが多くて、まるでメルマガのような感じで「チャンネル登録者数、伸びてきました」などのお知らせをたくさんしてくれて、ありがたいなと思ってます。
──再生回数で言うと、チームYの「鉄板」ジャンルは何ですか?
伊藤彩沙 やっぱり、3人が仲良くしている姿がわかりやすい動画は結構伸びる気がします。
愛美 あと「大食い」系はやっぱり伸びますね。 大食いは鉄板ですね、うちらの。
佐々木未来 逆に伸びなくて悩んだのは、特に初期の、女性をターゲットにしたファッションや美容系動画でした。私たちは好きだからやりたいんですけど、「YouTubeって難しいんだなあ」と思った記憶がありますね。
──なるほど。でもヤングマン(チームYのファンネーム)のジェンダー比に関しては、女性のファンも結構いる印象があります。
愛美 意外といますね。 今は男性:女性=6:4ぐらいかな。もっと男性に偏るかなと思っていたので意外でした。
佐々木未来 初期はもっと男性が多かったよね。
伊藤彩沙 初期は男性:女性=7:3ぐらいだったかな。でも、今は外でたまに声をかけていただく時、女性が多いですね。
──例えば、一般の視聴者やこれからチームYを知る人のための動画として、意識されてるジャンルはありますか?
愛美 今までのデータから見ると、「歌ってみた」とかコラボ系は定期的にやった方が、チャンネル登録者数は増える印象があります。
佐々木未来 あと「カバンの中身」企画は、いつもチームYを応援してくださる方以外の評判もすごい聞くなって。チームYじゃなくても「声優のカバンの中身」として、気になる人が多いみたいです。そこの層に向けた動画とかかなあ。
愛美 「声優」っていう謳い文句を売りにするかしないかについて、いつもせめぎ合いがあって。例えばタイトルを付ける時に、「この動画は『声優』って付けよう」「この動画は付けないでおこう」みたいなバランスがいつも難しいなと思っています。
佐々木未来 ずっと悩んでますね、これは。
韓国で「エンタメとはかくあるべし」を教えてもらった!
──先日、チームYは韓国・ソウルでのファンミーティングを開催しましたが、韓国に実際に行ってみて感じたことはありますか?
伊藤彩沙 本当にたくさんの学びがありましたよ。エンタメに向き合うための志と言いますか。イベントチームの皆さんが愛情と熱量を持って向き合ってくださっていて、私たちがイベントをより素敵なものにするためのサポートが素晴らしかった。すごい細かなところにも「こんなことしてくれたんだ」という感動がありました。
佐々木未来 すごかったね。
伊藤彩沙 めっちゃ細かいことだと、(イベント中にステージに表示された)スライドが動くとか。「動いた!」という衝撃がありました。多分それってひと手間なんじゃないかなと思うんですよ。でも、動いた方が確かにわかりやすくて、盛り上がったんですよ、実際に。
佐々木未来 あと、やり取りがすごく早い。
愛美 VIP席の特典でオリジナルのアクリルスタンドをつくることになって、「いいですか?」 と聞かれて答えた翌日にはもうイラストが送られてきていて。
伊藤彩沙 そのイラストに「この部分はこうしたいです」とお伝えしたら、数十分後とかに次のバージョンが送られてきて。「え、絵の修正ってそんなすぐ返ってくることあるんだ?」と衝撃でした。
愛美 イベントの告知ビジュアルも、一瞬で「こういう感じでどうですか?」と最初の案が送られてきて、OKと返したら、公開時にはさらにブラッシュアップされたビジュアルになっていて。
佐々木未来 100じゃなくて150で返してくれる感じ。
愛美 ロッテワールド(ソウルにあるロッテのテーマパーク)でも学びがあったしね。
伊藤彩沙 「エンタメとは何か」という学びがあった。ハイライトをより際立たせるために、起承転結をつくるやり方ってあるあるかなと思うんですけど、ロッテワールドは違うように感じました。
愛美 違うんだと。韓国は最初からクライマックスを頭に持ってくるというのをロッテワールドで感じまして。
──韓国に行かれた際の動画でもそのお話しをされてましたよね。「最初からクライマックス」はやはり「アトランティス」(出発時のロケットスタートが特徴的なジェットコースター)に乗って感じたことでしょうか?
愛美 はい。あと「彗星特急」(座席が360度回転する、屋内型ダークコースター)もそうだよね。
伊藤彩沙 そして、最後まで全力なのもすごい。
愛美 そうなんですよ。最初に一番の盛り上がりが来たかと思いきや、そうじゃなくて、やっぱり最後はもっとすごいのが来る。 ジェットコースターって、早くてなんぼじゃないですか。それを求めて乗るわけだから、最初から求めてるものが来たら嬉しい。ライブとかイベントも実はそうなんじゃないかと。全てのエンタメの構成に活かせるなと思いました。
伊藤彩沙 あと、いかに予想を裏切るかも重要だなと。
──ファンミーティングでの、韓国のファンの皆さんの反応はいかがでしたか。
伊藤彩沙 すごかったです、本当に!
愛美 迎え撃つ準備ができてる!
佐々木未来 なんか、「もしかして皆さんも演者なのかな」くらいの感じで。
伊藤彩沙 コーナーの一つに、韓国で主流な「MBTI」を発表して相性診断をするコーナーがあったんですけど、それぞれのメンバーのMBTIが発表された瞬間に、「ワーッ」って盛り上がったんですよ。
佐々木未来・愛美 すごかった!
伊藤彩沙 もう、サッカーの試合でゴール入った時ぐらいの大歓声で。「え、そんなに盛り上がってくれるんだ」と、本当に嬉しかったです。我々も余韻に浸りながら、「本当にすごかったね」と。またすぐにイベントができたらなと思いました。
佐々木未来 帰りの車の中でずっとその話をしてました。
※現在広く流行している「MBTI」と言われる性格診断は正確には「16Personalities性格診断テスト」で、国際規格に基づく心理検査「MBTI」とは異なるものではある
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