「アザトース」
フォロワー数が300万人を超えながらもあまりX(旧Twitter)を更新しない米津玄師さんが12月13日の夜、突如このようにポストしました。
一見「ありがとう」を砕けた言い方でちょけてポストしたのかな、という感慨を抱きますが(というか多分、アメリカレコード協会の「今年を代表するアーティスト」に選出されたという投稿への応答なので、文脈的にはそうなのですが)、本質は違います。
「アザトース」はすべての無限の中核であり、万物の創造の源であり、多次元宇宙の根幹にすら繋がる非常に重要な言葉です。
一般人には恐れ多くてこんな投稿できない、定命の我々であれば本来は伏すべき、あまりに恐ろしい名前なのです。
「旧支配者」があくまで自然法則に則った、生物的な存在であるのに対し、外なる神は、はるかに概念的で、宇宙や神そのものに近い存在です。「異形の神(アザーゴッド)」や「旧き神々(エルダーゴッド)」と呼ばれることもあります。そもそも存在性が違いすぎるため、人間には知覚することができないともいわれています。
そんな「外なる神」を統べる王の中の王こそが、アザトースです。
実は「クトゥルフ神話」の生みの親であるハワード・フィリップス・ラヴクラフトさんですらも、アザトースに言及した作品は非常に少ないです。
例として、小説「闇に囁くもの」(1931年発表)では、「死霊秘法がアザトホートという名称で慈悲深くも隠した、あの角のある空間の向うのもの凄い原子核の渾沌世界」と描写されています。
その後もいろいろな書き手やクリエイターによってアザトースという邪神が描写されることになりますが、そもそも人間には知覚し難いレベルの強大すぎる恐怖なので「なんかマジでヤバくて、宇宙的ですごい」ということだけ知っていれば大丈夫だと思います。
よくわからないくらいすごい存在! 憧れますよね。かっこいい!
結論から言うと、たぶん大丈夫です。
1920年代からはじまり、様々な形で編纂され続けている「クトゥルフ神話」ですが、むしろ2020年代の今まさに、文化的な特異点を迎え、ポップカルチャーとしてさらなる広がりを見せています。
現代でも様々な創作物に「クトゥルフ神話」の影響を見ることができますし(パッと思いつく感じだと漫画『ダンダダン』がそうです。アニメ化が楽しみですね)、何よりも重要なのは『クトゥルフ神話TRPG』というゲームの流行です。
数あるTRPG(会話で進行するロールプレイングゲームのこと)の中でも、国内での『クトゥルフ神話TRPG』の人気はすさまじく、このインターネット時代では、YouTube上でセッションをオンライン配信する人も多いです。 また、人気ゲーム配信者のジャック・オ・蘭たんさんは、あざとかわいいキャラクター(ポケモンなど)を見るなり「外宇宙の神、あざとさを司る者、アザトース」などと時々しゃべっています。キミの卵が欲しい…【はじめてのポケモン剣盾】#21
米津玄師さんが邪神崇拝を行なっているのか、あるいはTRPGのプレイヤーなのかは定かではありませんが、ジャック・オ・蘭たんさんと交流があることは過去のポストから知ることができます。
とりあえず「アザトース」はとても文脈性の高い、そして同時に非常に恐ろしい言葉であることを分かっていただけたのではないでしょうか。
今後、米津玄師さんの音楽からも「クトゥルフ神話」のエッセンスを感じ取れるような作品が登場するかもしれません。とても楽しみです。
フォロワー数が300万人を超えながらもあまりX(旧Twitter)を更新しない米津玄師さんが12月13日の夜、突如このようにポストしました。
一見「ありがとう」を砕けた言い方でちょけてポストしたのかな、という感慨を抱きますが(というか多分、アメリカレコード協会の「今年を代表するアーティスト」に選出されたという投稿への応答なので、文脈的にはそうなのですが)、本質は違います。
「アザトース」はすべての無限の中核であり、万物の創造の源であり、多次元宇宙の根幹にすら繋がる非常に重要な言葉です。
一般人には恐れ多くてこんな投稿できない、定命の我々であれば本来は伏すべき、あまりに恐ろしい名前なのです。
アザトースとは何か──? そのおぞましき名前
いきなり答えを出してしまいますが、アザトースとは、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトさんをはじめとする小説家やクリエイターによって紡がれ続けている架空の神話体系「クトゥルフ神話」に登場する「外なる神」の王です。アザトホースとも発話されています。 「クトゥルフ神話」には「旧支配者」というカテゴリに存在する神的生物も存在するのですが(クトゥルフがそうです)、外なる神は完全にそれらとは別格の上位存在です。「旧支配者」があくまで自然法則に則った、生物的な存在であるのに対し、外なる神は、はるかに概念的で、宇宙や神そのものに近い存在です。「異形の神(アザーゴッド)」や「旧き神々(エルダーゴッド)」と呼ばれることもあります。そもそも存在性が違いすぎるため、人間には知覚することができないともいわれています。
そんな「外なる神」を統べる王の中の王こそが、アザトースです。
実は「クトゥルフ神話」の生みの親であるハワード・フィリップス・ラヴクラフトさんですらも、アザトースに言及した作品は非常に少ないです。
例として、小説「闇に囁くもの」(1931年発表)では、「死霊秘法がアザトホートという名称で慈悲深くも隠した、あの角のある空間の向うのもの凄い原子核の渾沌世界」と描写されています。
その後もいろいろな書き手やクリエイターによってアザトースという邪神が描写されることになりますが、そもそも人間には知覚し難いレベルの強大すぎる恐怖なので「なんかマジでヤバくて、宇宙的ですごい」ということだけ知っていれば大丈夫だと思います。
よくわからないくらいすごい存在! 憧れますよね。かっこいい!
いや、米津玄師どうしたん?
ちょっと「クトゥルフ神話体系」に馴染みのない方は、混乱してしまったと思います。「米津玄師、大丈夫なの?」と。結論から言うと、たぶん大丈夫です。
1920年代からはじまり、様々な形で編纂され続けている「クトゥルフ神話」ですが、むしろ2020年代の今まさに、文化的な特異点を迎え、ポップカルチャーとしてさらなる広がりを見せています。
現代でも様々な創作物に「クトゥルフ神話」の影響を見ることができますし(パッと思いつく感じだと漫画『ダンダダン』がそうです。アニメ化が楽しみですね)、何よりも重要なのは『クトゥルフ神話TRPG』というゲームの流行です。
数あるTRPG(会話で進行するロールプレイングゲームのこと)の中でも、国内での『クトゥルフ神話TRPG』の人気はすさまじく、このインターネット時代では、YouTube上でセッションをオンライン配信する人も多いです。 また、人気ゲーム配信者のジャック・オ・蘭たんさんは、あざとかわいいキャラクター(ポケモンなど)を見るなり「外宇宙の神、あざとさを司る者、アザトース」などと時々しゃべっています。
もしかしたらそこからの引用なのかもしれませんね。描きました。蘭たんが隣りで酔いまくってて面白いです。宜しくお願いします。 https://t.co/mPCvMeQ6T0
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) June 13, 2019
とりあえず「アザトース」はとても文脈性の高い、そして同時に非常に恐ろしい言葉であることを分かっていただけたのではないでしょうか。
今後、米津玄師さんの音楽からも「クトゥルフ神話」のエッセンスを感じ取れるような作品が登場するかもしれません。とても楽しみです。
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2件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:9435)
ありがとう的な使い方は
すでにニャル子さんが流行らせていた。
匿名ハッコウくん(ID:9431)
アザッシュといい蘭たん本当に好きなんだな