新人VTuber 儒烏風亭らでんの放蕩な魅力 アートやカルチャーに深い造詣

新人VTuber 儒烏風亭らでんの放蕩な魅力 アートやカルチャーに深い造詣
新人VTuber 儒烏風亭らでんの放蕩な魅力 アートやカルチャーに深い造詣

儒烏風亭らでん/画像はホロライブ公式サイトより

9月4日にデビューしたVTuber事務所・ホロライブプロダクションの5人組ガールズユニット・ReGLOSS

火威青さん、音乃瀬奏さん、一条莉々華さん、儒烏風亭らでんさん、轟はじめさんからなるこのユニット。同事務所の新グループ「hololive DEV_IS」の音楽アーティストとして配信や動画投稿を展開しています。

そんなReGLOSSの中でも、現在注目を集めているのが、儒烏風亭らでん(じゅうふうてい らでん)さん。

“ヤニカス”というある意味でこれまでのホロライブプロダクションらしからぬ個性と、突拍子もない言動、そして伝統芸能に造詣が深いというギャップ。

この記事では、そんな儒烏風亭らでんさんのぶっ飛んだ初配信から執筆現在までの足跡を振り返ります。

伝統と革新に身を包んだ新人VTuber・儒烏風亭らでん

新たに創設された「hololive DEV_IS」は、女性VTuberグループ・ホロライブと男性VTuberグループ・ホロスターズに並ぶ、カバー社運営の新グループ。

カバー社は発表で、従来のVTuberの枠組みを超えた「成長」「挑戦」をテーマに精力的なユニット活動を行っていくと説明。

次世代VTuberグループの幕開けをご覧ください」と呼びかけるなど、そのデビュー以前からファンたちの期待は膨らむばかりでした。

儒烏風亭らでんプロフィール

儒烏風亭らでんプロフィール

伝統と革新に身を包み、落語家に浪漫を抱くおばあちゃん子。 新旧和洋を問わず文化・芸能を愛しており、美術館通いの結果、 金欠気味の日々を過ごしている。決してお酒の買いすぎが原因ではない。 落語と出会ってからはより話すことが好きになり、噺作りにも挑戦中。 カバー株式会社のプレスリリースより

儒烏風亭らでんさんのプロフィールに添えられたのは「伝統と革新に身を包み、落語家に浪漫を抱くおばあちゃん子」という紹介文。

「伝統と革新」という言葉はたしかに「従来のVTuberの枠組みを超える存在」に相応しい紹介にも思えます──「金欠気味」「お酒の買いすぎ」という文字がカバー社のプレスリリースに踊るというのは迫力がありますが。

従来の枠組みを超えた初配信──放蕩な魅力

ホロライブからデビューが告知された9月4日、儒烏風亭らでんさんは早速X(旧Twitter)にも投稿。

大手事務所からデビューするVTuberのSNS初投稿といえば、しっかりした挨拶やネタを仕込まれることも多く、キャラクターの方向性を知る上でも、非常に注目が集まるところです。 そんな初投稿に儒烏風亭らでんさんが選んだのは「残金6,725円」というなかなかしみったれた世知辛い金額。

端数の25円が哀愁を誘い、収益化から入金までにかかる時間までを思い馳せてしまいます。

当日にはデビュー曲「瞬間ハートビート」で立派な歌声を披露しているだけに、生活感ある投稿とのギャップにも話題が集まりました。
【初配信】#らでん初配信 はじめまして、らでんです #hololiveDEV_IS #ReGLOSS
そして9日10日に行われた初配信。配信前から、サムネイルに載った能面を被る儒烏風亭らでんさんの姿にざわつくファンたち。

初配信は落語に興味があるという看板に偽りない、博多弁全開の軽快なトークでスタート。ホロライブの新人に相応しい話芸でファンを引き付けます。

と、ここまでは良いのですが開始7分過ぎには「こんなめでたい日、飲まないわけにはいかねぇよな~!」と自堕落大学生のような飲酒宣言。

以降、30分の枠の中をノンストップで喋り続けた結果、自己紹介はおざなりに。

残り約30秒に自己紹介を詰め込んで詳細は翌日の「第二回初配信」に持ち越すという初配信らしからぬ急展開で、リスナーの心に爪痕を残しました。

ポップカルチャーにもファインアートにも精通

以降の配信でも飲酒と喫煙、更にスロットの話題などが頻出。

シラフで配信できない」「キセルを使って喫煙する」「(収益化まで運営から)スロット禁止令が出ている」など、これまでのカバー社所属のVTuberの印象を覆すようなエピソードには事欠きません。

一方で、「文化・芸能を愛して」いるとの紹介通り、好きな漫画は大童澄瞳さんの『映像研には手を出すな!』。

好きなアニメにも今敏監督の『妄想代理人』を挙げるなど、どうやらポップカルチャーにも精通している様子がうかがえます。
質疑応答の時間をとらせていただきます
ファインアートについても、配信でリスナーから美術鑑賞について質問されると、どのように鑑賞するのか精神的・物理的それぞれの側面から説明。

ただ自堕落なだけではない、たしかな学術的知性を感じさせる回答をしています。 また、配信だけでなくXで様々な美術館の展覧会を紹介する様子は、自身でも「展覧会紹介botになりそう」と危惧するほど。

紹介する投稿の文章も端正で、読みやすさを考慮する姿勢を感じさせます。

上から下まで文化や芸能を耽溺する自堕落さ。その愉しさが人にも伝播するような放蕩な在り方が、儒烏風亭らでんさんの魅力と言えるでしょう。

儒烏風亭らでんはVTuberの伝統性に革新をもたらすか

ここまで紹介してきた儒烏風亭らでんさんの魅力。

当然といえば当然なのですが、カバー社の紹介文に嘘偽りや、VTuberのデビューにお決まりの“フィクション性”(設定)がないことに驚きます。

インターネットに詳しくなかったという儒烏風亭らでんさんがホロライブを意識したきっかけは、同事務所のアキ・ローゼンタールさんのMV「シャルイース」を観たこと。
【3DMV】シャルイース /Aki Rosenthal【ホロライブ|民族調オリジナル】
「バーチャルYouTuberってこんな表現ができるんだ」と興味を持ったと語っており、アキ・ローゼンタールさんへの敬愛だけでなく、表現自体への関心の高さを感じさせます。

配信者やVTuber文化を研究したいと語る儒烏風亭らでんさん。彼女がホロライブ、ひいてはVTuber全体の伝統に革新をもたらす日も、そう遠くないのかもしれません。

※記事初出時、作品名に誤りがございました。お詫びして訂正いたします

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匿名ハッコウくん

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