ホロライブ「Blue Journey」1stライブレポ 青い旅路、踏み出した一歩目の勇気

「Blue Journey」の旅は続いていく

白上フブキさん、湊あくあさん、猫又おかゆさん、兎田ぺこらさん、雪花ラミィさんによる最後の朗読パートでは、今までと異なり雨の降る荒野に立つ彼女たちから言葉が届けられた。

「特別とは程遠いのに、周りと同じになれない」
「普通の人のはずなのに、普通のことができていない」
「憧れていた何かにはなれそうにもない」
「そんな僕にいったいなんの価値があるのだろう」

痛いほどにリアルな絶望の言葉たちが胸を締め付けるが、この痛みこそが「Blue Journey」というプロジェクトの本気を示しているのだと思うと、流れる涙も愛おしい。

最後まで意志を貫き続けたライブ。その真なるフィナーレは、プロジェクトメンバー23名全員参加の新曲「水たまり」で飾られた。

アルバムのボーナストラックとして収録されていたインストゥルメンタルに歌唱がつくというサプライズも衝撃的だったが、23人が入れ替わり立ち代わりでステージに現れ、その時々のフォーメーションで歌やダンスなどそれぞれの個性を見せていく様は圧巻の一言

音楽に対してかねてから強い意欲を見せていた角巻わためさんがセンターを飾り、それはパフォーマンスにも表れていた

ここまで盛り沢山の1stライブであったが、最後の最後で更なる可能性をこれでもかと示してみせると、オーディエンスと大シンガロングを巻き起こして終幕。

エンディングには「Blue Journey」23人が一斉に壇上に現れると、センターに立った角巻わためさんによる挨拶で締めくくられた。

「短い旅ではございますが、心に残る体験をしていただきたいと考えています」ライブ前に公開された声明にあった通り、ノンストップで駆け抜けた1時間の公演だったが、共に旅路を歩んだものたちの心には一生忘れることのできない記憶が刻まれた。

一切のMCもなく、朗読と歌唱のみで構成するというファンと音楽の力を信じた勇気ある姿勢。ただでさえ困難の多いVTuberシーンにおいて、前例の少ない特異な形態での表現活動が順風満帆にいくとは限らない。

だがそれでも彼女たちの今後が楽しみで仕方がないと思えるのは、雨降る荒野にあっても歩みを止めない強い覚悟を23人ひとりひとりの瞳に見たからだ。

今ここに、確かな一歩目を踏み出した青き旅は、これからも続いていく。





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イベント情報

Blue Journey 1stライブ「夜明けの歌」

日時
2023年9月13日(水)
場所
東京ガーデンシアター

●セットリスト

朗読①

1. 僕は独りだ
2. 君になりたかった
3. また傷に触れる

朗読②

4. ラブソングはいらない
5. astro
6. 不純矛盾
7. 泡沫
8. 夏を許せない
9. あの日の僕らへ

朗読③

10. 光の軌跡
11. ツキノナミダ
12. サザンクロス

朗読④

13. 水たまり

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