ZOT on the wave&Fuji Taito「Crayon」の再生数に衝撃「え、マジ?」

音楽シーンの最前線を走り続けてきたインディペンデントアーティストを様々な観点からピックアップし、11部門でノミネートアーティストを表彰する「Independent Artist Awards by TuneCore Japan」が、6月9日に開催された。

2022年最も再生された楽曲を表彰する部門「Top Streaming Music 2022」と、全ての音楽配信ストアでこの10年間最も再生された楽曲を表彰する部門「Top Streaming Music of the Decade」の2部門にノミネートした楽曲が、プロデューサー・ZOT on the WAVEさんとラッパー・Fuji Taitoさんによる「Crayon」だ。
Crayon · ZOT on the WAVE · Fuji Taito
今回、KAI-YOU.netは、ZOT on the WAVEさんとFuji Taitoさんにインタビューを敢行した。

3~4年でリスナーが爆発的に増加した、日本のヒップホップ

──「Crayon」は今回のイベント「Independent Artist Awards by TuneCore Japan」で「Top Streaming Music of the Decade」「Top Streaming Music 2022」の2部門にノミネートされました。どのように受け止めていらっしゃいますか?

ZOT on the WAVE そうですね。「Top Streaming Music 2022」は2022年で最も再生回数が多かった楽曲を表彰する部門というのと、「Top Streaming Music of the Decade」は、この10年で最も再生された楽曲を表彰する部門っていうことで……「え、マジ?」みたいになりましたね。

「Top Streaming Music of the Decade」ノミネート作品|全ての音楽配信ストアでこの10年間最も再生された楽曲を表彰する部門(グランプリ受賞はyamaさんの「春を告げる」)

Top Streaming Music (2022)|2022年、全ての音楽配信ストアで再生された楽曲を表彰する部門(グランプリ受賞はTani Yuukiさんの「W / X / Y」)

Fuji Taito それだけ近年はヒップホップが盛り上がっているんだなって。

──お互いをアーティストとして、どう見ていらっしゃいますか?

ZOT on the WAVE Fuji Taitoは熱いっすよね。ラップに気持ちが乗っかってるから、リスナーもこいつ熱いなってのを感じ取れる。それが Fuji Taitoっていうアーティストの特徴だと思います。

Fuji Taito 日本と比べてアメリカとかは色々なプロデューサーの名前が上がる世界だったりとかするんすけど、ZOTさんはいろんなプロデューサーがいる中で、確実に日本のシーンを担っていく人って感じです。
【Fuji Taito】ラップスタア誕生2021 Final Stage / ライブパフォーマンス披露!
──この10年、日本のヒップホップシーンはどう変化したと感じますか?

ZOT on the WAVE まず、圧倒的にパイが大きくなった。特にここ3、4年ぐらいくらいで、本当にリスナーの数が全然変わった。嘘でしょ!ってぐらい増えたと思います(笑)。

Fuji Taito (音楽活動を)やっただけ返ってくる感はありますね。昔は結構どんなに頑張っても、運も努力も才能も、全部がないと駄目だった。いまはそのどれかだけでも突き抜けていたら、アーティストとして食べていける人が多くなったと思います。

クオリティの低い音楽のほうが、見つけるのが難しくなった

──パイが大きくなったからこそ、どこかに刺さる人が出てくるということですね。

ZOT on the WAVE トラップでもブーンバップでも、ヒップホップというジャンルの中にも細分化していろいろある中で、それぞれにリスナーが増えている。王道じゃなくてもいい。やりたいことをやっていける人が増えたと思っています。

──プロデューサーとラッパーのレベルが10年で上がってると思いますか?

ZOT on the WAVE ビートに関しては、やっぱりYouTubeとかでチュートリアルとかめちゃくちゃアップされてるんで、敷居はめっちゃ低くなってると思うんですよ。

下手すれば、iPhoneが1台あればトラックを制作できる。というより、そういう人がすでにいっぱいいると思う。

Fuji Taito ラップに関して言えば、今はラップという表現手法が上手い人が多いなと思います。

ヒップホップというジャンルでも、ちゃんと曲がバズったりする。みんなそれを聴いて、これが表現としてレベルが高いということを判断できてると思うんです。

ディグって言葉を昔は良く聞いたけど、今は意識的なディグが必要ないぐらいに流行してる曲が勝手に流れてくる。それで聴いてみようっていう気持ちになれますよね。

特に今のアメリカのチャートなんか、もう本当に上から順にやばい曲ばっかり。日本でもジャンルごとで検索とかしたら、すぐ良い曲がヒットする。逆にこれはクオリティが低いなって音源を探す方が難しいぐらいです。

インディペンデント活動は「マラソン」であり「自分を知ること」

──今後、インディペンデントアーティストとして大成するために、これだけは絶対外しちゃいけないと考える点などはありますか?

ZOT on the WAVE やり続けること。これは真理だと思っています。

それでいてなおかつ、やり続けなきゃいけないってことはペース配分が必要で。これはマラソンに例えられると思っていて、自分の最大限を発揮するために、やれることのペース配分も自分で決めて、スタミナが切れないように続けていくのは大切ですね。

インディペンデントのアーティストは、誰かに面倒を見てもらってお金を出してもらってっていう活動の仕方じゃない。セルフマネジメントっていう意味でも、長距離のマラソンをしていくことが大切だと思います。

Fuji Taito 俺は、自分のことを理解することが大事だと思っています。

レーベルが付くというのは、良いことも悪いこともあったりすると思うんです。でも自分のことを理解していないと、他者がマネジメントに入ったところで、その人に自分を説明できない。そうしたら“その人から見た自分”を売り出すことになる。本当の自分を表現できなくなる。

でも、今はそれを解決できる時代だなと思います。セルフマネジメントで、自分を表現したうえで稼いで行けると思います。

「1年間、客演だけやってわかりましたね。『俺、一発屋って呼ばれるんだな』みたいな」──稀代のバイラルヒットソングを生み出したプロデューサー・ZOT on the WAVEさんとラッパー・Fuji Taitoさん。2人は「Cayoun」制作の裏側、そして今後の野望を語る。インタビューの全容は動画にて。
ZOT on the wave × Fuji Taito「Crayon」制作の裏側──俺、一発屋って呼ばれんだな
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