連載 | #3 「新潟国際アニメーション映画祭」特集

「海外アニメーターが9割」アニメ監督 渡辺信一郎が共同制作で挑戦したこと

『AKIRA』からの影響が海外人気につながる?

森田修平監督。太素プロジェクトでは『弦の舞』を制作

2人はともに、これまで海外人気も高い作品を手がけているが、制作段階で意識しているわけではないという。

森田監督は、「特に意識とかはしていなくて、ただ、昔から海外でよく評価されている先輩方の映像を見たときに、何かが違うぞと、間の取り方やレイアウトの取り方を見ていて。自分もアニメーションをやる以上そういうのをぶっ込みたいなっていうのはあるので」とコメント。

続けて「『AKIRA』を見て映像を目指してきたので、そこは滲み出たというか、教育ですね。教育の賜物なんでしょうね」と、大友克洋監督による名作を挙げた。

渡辺監督も「僕も『AKIRA』には多大な影響を受けた」としつつ、「自分の制作スタンスは昔から変わってない。日本だけ、海外だけというわけじゃないけど、結果的に僕の仕事のスポンサーのほとんどは海外」と明かした。

音楽フェスのような信頼される存在になれば

最後に、2人は第1回目を迎えた「新潟国際アニメーション映画祭」についてもコメント。

森田監督は「自分が本当に影響を受けてきた方々がたくさん参加されていて、なかなか見る機会がないので、ぜひみなさんにも見て楽しんでいただけたらなと思います」と呼びかけた。

渡辺監督は「音楽には毎年フェスがあるけど、誰が出るかじゃなくて、フェス自体が信頼を得ているところは、出演者が発表になる前に売り切れちゃうんですよね。間違いないみたいな。(映画祭も)徐々にそういう風になっていけると良いんじゃないかな」とエールを送った。
1
2
この記事どう思う?

この記事どう思う?

アニメクリエイターたちの言葉

関連キーフレーズ

連載

「新潟国際アニメーション映画祭」特集

アジア最大の長編アニメーション映画祭として開催される「第1回新潟国際アニメーション映画祭」。 2023年3月17日〜22日までの期間中、これまで多かったアート寄りの短編アニメを扱う映画祭とは異なり、長編商業アニメーション部門にフォーカス。 審査委員長を押井守監督がつとめ、世界15ヶ国から10本の作品がエントリーしたコンペティションのほか、大友克洋監督の作品を特集するレトロスペクティブ、りんたろう監督、永野護監督、片渕須直監督、磯光雄監督らが登壇するイベントを実施。 現地取材を交えながら、世界を見据えるアニメ映画祭の模様をレポート。

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。