hmng個展、空間へのこだわり
印刷の他にもう1点、hmngさんがこだわったのが空間デザインです。hmngさん自身、ゆくゆくは空間デザインを手掛けたいという意思があり、今回の個展はその第一歩としての意味合いも持っていました。 「建物の都合で施工が伴うものはできなかったのですが、代わりに私物のインテリアを持ち込んだり、簡易的に壁を追加したり、壁に色を塗ったりといった工夫を実現させていただいています。あれこれわがままを言ってしまったのですが、Anicoremix Galleryのオーナーさんがとても親切に応えてくれました」(hmngさん)会場中心にある水色の壁が、hmngさんのアイデアで追加されたものだそう。片面にはhmngさんの得意とするファッションイラストが。もう片面にはメイキングが展示されています。 また、個人的に「この個展ならではだな」と感じたのが、会場内に設けられたミラーフォトスポットです。 韓国インテリアにハマっているというhmngさんが、私物で用意したスペースです。hmngさんのファンにはファッションが好きな方も多く、おしゃれをして展示に来て、その記念として写真を撮ってSNSにアップしたりできるように、という考えで用意したそう。
取材中も、多くの来場者が写真撮影をしていました。
過去に担当したアニメMVの展示も
聴いたことのある音楽に思わず振り向けば、会場奥には大型モニターが。そこには、hmngさんが担当した「もう少しだけ」(YOASOBI)、「バイバイレイニー」(星街すいせい)、「海想列車」(湊あくあ)、「染み」(HOWL BE QUIET)、「パンドラ」(buzzG)、「夜を越える足音」(ミテイノハナシ)のMVが順番に流されていました。
その横には、各MVの設定画と場面写が所狭しと掲示され、「もう少しだけ」に関しては、通常なかなか見られない絵コンテ資料も自由に見られる形となっています。
写真の掲載は控えますが、hmngさんのファンだけでなく各アーティストのファンにとっても、必見のスペースと言えるでしょう。
「個人作品であるイラストだけの展示と迷ったのですが、今回の個展は去年一年間の集大成という意味も込めていたので、仕事で担当したMVから厳選して流すことにしました。このギャラリーで、展示にモニターを使用したのは初めてだそうです」(hmngさん)
人生初の個展、1日目を終えて……
筆者が取材にうかがったのは、ちょうど1日目の終盤。最後に、無事初日のクローズを迎えたhmngさんに、感想をうかがってみました。
「実は数日前まで、『全然人こなかったらどうしよう……』ってずっと憂鬱だったんです。でも今日を迎えてみて、朝から並んでくださっている人がいたり、いつもリプライをくれる人が来てくれたり、1時間くらいかけてじっくり見てくださる人もいたりして……そういうのを見ていたら、本当に個展をやってよかったなって思いました。見てくれている人がちゃんといるんだと思って、元気をいただきました」(hmngさん) 個展のパンフレット冊子に、「TVアニメーターのお仕事から転身して、2021年の2月からイラストやMVの仕事を始めて個人の作品をこういった形で見てもらえるなんて、1年前は想像もしていなかった」とつづったhmngさん。
転身からの1年で一歩一歩積み上げてきたものを、贅沢にもまるごと体感できる個展になっていました。
会場ではテーマソングやMVの音楽も相まって、他の個展にはない空間体験を味わうことができます。ぜひ、足を運んでみてください。
現代のイラストレーション
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イベント情報
個展「直径2ミリのファインダー」
- 会期
- 2022年3月30日(水)から4月10日(日)※月曜日休
- OPEN:12:00 CLOSE:19:00(最終日は17:00)
- 会場
- Anicoremix Gallery 東京都渋谷区神宮前4丁目28−1 B1
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