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MonsterZ MATE 3rdアルバム『WalkerZ』全曲レビュー その世界観を紐解く

MonsterZ MATE 3rdアルバム『WalkerZ』全曲レビュー その世界観を紐解く

3rdアルバム『WalkerZ』通常版ジャケット

POPなポイントを3行で

  • MonsterZ MATEの3rdアルバム『WalkerZ』が発売
  • 「Roulette!」のほか新曲を含む10曲をレビュー
  • MZMが描く日常とVTuberの非日常の世界観を考える
狼男のアンジョーさんと吸血鬼のコーサカさんによるバーチャルYouTuberVTuber)音楽ユニット・MonsterZ MATEの3rdアルバム『WalkerZ』が、12月8日(水)にリリースされた。

MonsterZ MATEの「日常の1週間」を舞台にしたコンセプトアルバムになっており、5月開催のワンマンライブで披露された「Roulette!」など10曲が収録されている。
MonsterZ MATE 3rdアルバム『WalkerZ』 スポット
前作からさらに音楽の幅を広げたものとなっており、“MonsterZ MATEが描く日常”と“VTuberの非日常”の世界観を楽しむことができる。

全体的に「日常に寄り添っている、でもそのすぐ隣には非日常がある」というメッセージを感じることができた。一般社会に溶け込む人外である彼ららしいアルバムといえるだろう。

今回はこのアルバムに収録された全曲をレビューし、筆者なりにその世界観を解剖していく。

なおアルバムの発売を記念して、12月15日(水)20時から「3rd Anniversary LIVE -UNITE-」の全編無料配信が決定した。配信後は非公開になるとのことなので、見逃さないようにしたい。

『WalkerZ』全10曲で紡がれるMZMの世界観

ラジー

アルバムの1番手を飾るのは疾走感のあるナンバー「ラジー」。アンジョーさんのエッジの効いた歌声と、コーサカさんの叩きつけるようなラップの合間に、テンポよくアイロニカルなセリフが挟まっている。

緩急が鋭く、後半にかけて聴いている側のエンジンもかかっていく激しさがある。強い意志とストーリー性を感じさせる歌詞も相まって、アニメのOPにそのまま起用されても不思議ではないキャッチーさを感じた。『WalkerZ』のオープニングにぴったりの一曲だ。

Unison

「Unison」は、小気味良いギターとシンセサイザーと透き通ったコーラスがオシャレな一曲。

目まぐるしくやるせない日常の痛みや陰り、何かが起こるかもしれないという期待感を煽るラップ。また、現実から連れ出してくれるような、浮遊感のある歌詞とアンジョーさんの透き通った歌声が耳に染み渡る。

-Hanakin-

クラブナンバーを彷彿とさせるイントロ、そこからの畳みかけるコーサカさんのラップで盛り上がり度ナンバーワンな楽曲「-Hanakin-」。

アンジョーさんの響かせる「Hold up」に思わずタテノリしてしまいそうだ。今日が金曜でもそうでなくても、頭を空っぽにして呑んで踊って夜の街に身を任せたい、そんな気分にさせてくれる。

TOKYO MONSTERZ

「TOKYO MONSTERZ」は、東方アレンジを経てボカロPとしても活躍する烏屋茶房さんが作曲を担当していることもあり、アップテンポと裏拍が印象的だ。

挑発的な歌詞とジャズ調のサウンドが相まって、キャッチーな楽曲に仕上がっている。日常の怒りを、非日常への挑戦の原動力に変えたい、そんな時に聞きたい一曲。

ランウェイで歌えば

サビの基本メロディラインは変わらないのに、前半と後半で自分を濡らす雨への印象がなんだか変わって聞こえる。雨自体は何も変わらないのに、自分の捉え方が変わったことを編曲と歌声で表していて気持ちが良い。

サビの祈るような「雨 雨」という投げかけや、「止まない雨があるって知らない癖に」というリリックからは、現実や挫折で全てがうまくいくわけではない、それでもなんだか前に一歩進んでみたくなる、そんな元気をもらえる。切なくもメッセージ性を感じさせる一曲だ。

ブルスク feat.Marpril

3月に行われた「TUBEOUT! Vol.6」で初お披露目された、バーチャルアーティストユニット・Marprilとのコラボ楽曲「ブルスク」。

コーサカさんと親交の深いYACA IN DA HOUSEさんが作編曲・歌唱・パート作詞を担当しており、MZM×YACAならではの、日常のあれこれを楽しむようなチルなナンバーになっている。

Marprilの2人の柔らかな歌声が爽やかさや浮遊感をプラスしていて心地良い。

MUNO

ファン待望の「治安の悪いMZM」。ダウナーで日々の不満をぶちまけたようなリリックが、ドロッとした感情を響かせてくる。

「怒り」の感情を押し出した、まさにヒップホップという曲だが、シンプルなかっこよさで魅せている。

「なんてことない」を楽しむナンバーである「ブルスク」の後ろに持ってきていることも、アルバムとしてのコントラストが効いていて憎い演出だ。

フロムアイム

軍歌や洋楽の雰囲気も感じる力強いナンバー。「天国へDa La La」で止まる空白には、歌詞と相反して火の粉の中に突き進んでいくような印象。「天国」が額面通りのワードではないことを思わせてくれる。

「アイラブユーを思い知れ!」のフレーズに後戻りのできない覚悟と状況を感じて、脳内にアドレナリンが溢れてきそうだ。アルバム発売と同時に、軍服風のライブ衣装を身にまとう2人が印象的なMVもアップされている。

星霜レイテンシー

サックス×ピアノのジャジーでリラックスできる一曲。アンジョーさんのシャラっとした歌声は子守唄のように心に沁みていき、コーサカさんが落ち着いた低音で紡ぐラップは心音のように心地良い。

一方、歌詞を見れば「レイヤー」「0と1」「カーソル」「窓」「2.5」「仮想現実」など、オタクと呼ばれる人にとってはドキっとするようなワードが散りばめられている。

夢や仮想といった曖昧なものの上に立つ存在との距離を感じる切なさと、それを自覚しつつも目を逸らしたい、夢見心地でいたいという気持ちが胸を刺す。

Roulette!

3周年記念の配信ワンマンライブ「3rd Anniversary LIVE -UNITE-」にて初披露され、今年5月にリリースされたシングル曲。

MZMの名物企画であるロシアンシュークリームをテーマに、過去の楽曲の歌詞や動画の小ネタを散りばめ、MZMよく知るファンなら最高に盛り上がれる一曲に仕上がっている。今回のアルバムを締め括るにふさわしい楽曲だ。

MZMで乗り切る日常

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