アーティストAcky Brightインタビュー 会社でこっそり描き続けた“落書き”で世界デビュー

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落書きは“クオリティ”ではなく“スタンス”

──アーティスト活動を通しての印象的な仕事について教えてください。

あき(Acky Bright) 今年やった仕事はどれも印象に残っています。2021年に入ってから今日まで1日も休んでいないくらい怒涛なのですが、どの仕事も特別ですね。MoMAの有名なキュレーターであるパオラ(アントネッリ)さんに選んでいただいて、文化庁の「CULTURE GATE to JAPAN」に参加できたのはすごく光栄でした。

あとは、BMW「HEROES OF RIVALRY」の漫画も印象的な仕事です。週刊で8話の連載を死ぬ思いでやりました(笑)。と言うのも、BMWの漫画の最終話の納期と、KADOKAWAさんの漫画誌『テラン』とDCコミックス『THE JOKER』の表紙の納期が同時期で。とんでもない量の仕事をしていました。「よく働いているな、俺……」と命の危機を感じつつ、濃密で楽しい時間でした(笑)。

それからちょっと余談なんですけど……

──何でしょう?

あき(Acky Bright) MoMAのパオラさんが僕を紹介するときに言ってくれた言葉がすごく印象的だったんです。「80年から90年代の漫画やアニメの影響を感じさせつつ、そこに現代の感性を取り入れながら描いている」と。

個人的にもすごく嬉しかったので、今回個展の開催にあたって自分のプロフィールに使わせていただきました(笑)。 あき(Acky Bright) あとTwitterで村田雄介先生が言ってくださった「かわカッコいい」も……。

自分のプロフィールを自分で考えるのは難しかったので、自分の好きな人がくれた言葉を少しずつ入れて考えたんです。その結果、“「80年~90年代マンガ・アニメ」×「現代の感性」から描かれるかわカッコいい作品”というかっこいい一文が生まれました。

──まさかプロフィール文の誕生秘話をうかがえるとは(笑)。アーティスト活動で国内外の様々なプロジェクトに参加される中でも、「落書き」のスタイルは意識しているのでしょうか?

あき(Acky Bright) 仕事を含め「好きに気楽に表現できることが一番理想的」というマインドを根本に持っています。要するに、僕にとって落書きは“クオリティ”ではなく“スタンス”なんですよ。「落書き」って漢字にすると「落ちる+書く」だけど、僕は同時に「楽しく+書く」の意味を持っていると思います。

描いたイラストに対して「落書きのクオリティじゃない」と言われることもあるけど、ラフに描いた絵が落書きではないし、描き込んだ絵でも落書きだと言える。僕の中では「落書き」ってなんの制約もない中で自由に好きに描くことじゃないかと。 あき(Acky Bright) イラストに限らず、クライアントが求めていないのに、前例という枠の中で仕事をしようとする人って、僕含め多いと思うんですよ。知らず知らずのうちに規律に入っていこうとする。

どう色を塗ればいいのか、どういう構図がいいのか、漫画家やアーティストとして何をすべきか──と、正解を見つけようとしがち。そうならないために、これからも「落書き」のスタンスで自由にやっていきたいと思っています。

紙とペンがあれば描ける「白黒」「線画」の魅力

──あきさんにとって「白黒」「線画」のイラストが持つ魅力をどうお考えですか?

あき(Acky Bright) 色がないことで余白が生まれて見る人によって色を置き換えられるし、情報が少ないように見えて実はすごく情報が埋められる、エッジの立つ描き方だと思っています。あまり深くは考えたことがなかったけど、そういう部分に魅力を感じるのかもしれません。

あとは、僕自身アカデミックな場所で絵を学んできた人間じゃないから、逃げ口上かもしれないけど……「白黒の線画」の魅力は紙とペンがあれば誰でも好きに自由にたくさん描けるところ。僕はとにかく、90歳になっても100歳になっても絵はずっと描いていたい。「白黒の線画」なら長く描けるなと思っています(笑)。 ──ツールやスキルがなくても「楽しく描ける」のが「白黒」「線画」の魅力ということですね。

あき(Acky Bright) もちろん技術的な基礎知識の大切さは理解していますけど、仮に備わっていなくても世に出ていけるし、そこそこ楽しいことができる。みんなの心を少しでも動かせるかも、と僕自身が体現していければ。僕のスタイルを見て、いろんな人が「自分もできるかも」と思ってくれたら最高ですね。

そういう意味でも、個展では「こうじゃなきゃダメ」みたいな枠を全部ぶち壊していきたいなと思っています。今回のキュレーター「EBISU HORIZON」さんも「白黒の線画でいいです!」と言ってくれて、僕のスタンスで開催することができたのはとてもありがたくて。 あき(Acky Bright) ネット上だけでは得られない情報や経験を持ち帰ってもらえるように僕らなりに考えました。

徐々に完成していく会場や展示物と、徐々に痩せるか太っていくかもしれない僕など(笑)、来るたび見るたび、ちょっとずつ変わっていく展示を目指しています。来たらすごく面白いはずなので、いろいろな人に楽しんでもらいたいです。

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※ご連絡後、一定期間お返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
※発送は当選お知らせ以降、順次対応させていただきます。

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