本書はファッション界を席巻するスニーカーについて、ファッション雑誌『Boon』(祥伝社)や『UOMO』(集英社)で編集をつとめ、その栄枯盛衰を見てきた小澤さんが論述したもの。
業界の第一人者が、「エア マックス 95」から今日までのスニーカーについて、NBAとヒップホップカルチャー、エアマックス狩り、神格化する藤原ヒロシ、ダッドシューズはなぜ人気を博したのか、iPhoneがもたらした情報革命とエア ジョーダン復活、などあらゆる角度からスニーカーと文化の発展を紐解いている。
価格は990円(税込)。
社会現象まで起こした「エア マックス 95」
「エアマックス狩り」という社会現象まで起こしたナイキのスニーカー「エア マックス 95」。そんな熱狂的な人気を得た「エア マックス 95」の発売当初は、一部のスニーカーファンに好まれていた新作スニーカーだった。
しかし、ポケベルのCMで広末涼子さんが着用したことをきっかけに人気を獲得。
昨今のスニーカーブームについて、小澤さんは「ターニングポイントは日本で大ヒットしたナイキ『エア マックス 95』だった」と指摘している。
あの一足から世界はどう変わったのか?
ファッションライター・小澤匡行さんがスニーカーのはじまりから近代までを書いた『東京スニーカー史』。今回の『1995年のエア マックス』では、「エア マックス 95」がもたらした文化はもちろん、そこからNBA、ヒップホップ、裏原宿、SNSなどの文化とスニーカーの関係性について綴っている。
また、前作より5年の間で発展したSNSやフリマアプリで変化した最先端のスニーカー文化事情についても解説。スニーカー史の一部始終が詰まっている。
【目次】
第1章 "テン"年代のスニーカー
世界に先駆けてブームを経験した国、日本/スマートフォンが生んだ気軽さ/本質の先に見えたベーシック/ウィメンズと市民権/デジタルネイティブが起こしたリバイバルブーム/セレブリティと 21世紀型ヒップホップカルチャー/中国人とインバウンド/聖地としての東京/EC とフェイク/需給バランスと転売ヤー/株式化したスニーカー/アプリとリセール
第2章 「シューズ」から「スニーカー」へ―90年代前半までに何が起きたか
日本独特のヴィンテージカルチャー/NBA とヒップホップカルチャー/マイケル・ジョーダンの登場「/エア ジョーダン 1」は本当にNBA のルールに抵触したのか/日本では評価されなかった初期エア ジョーダン「/エア ジョーダン 5」日本発売「/エア マックス」の進化/アディダスの本質回帰『/SLAM DUNK』とバルセロナ・オリンピック/ストリートバスケットがもたらしたもの/価値をメディアが整理する/グランジとローテクスニーカー
第3章 1995年のエアマックス―世界の何を変えたのか
「この新作は売れないかもしれない」/「エア マックス95」が生まれるまで/1995年に「エア マックス」は日本でどう受け止められたのか"/国民的ブーム"の真実「/スラム街」化したマーケット「/エア マックス狩り」/ナイキジャパンの勝算と誤算
第4章 インターネットとスニーカー―冬の時代の先に
魔の1998年/日本市場を狙ったアメリカ企業の失敗/ショップの苦境/冬の時代とストリート/藤原ヒロシと「ダンク」復刻/ハイテクの変容/モードとの融合/ハイブランドとスポーツメーカーの協業/インターネットはスニーカーに何をもたらしたのか
第5章 変容するスニーカー―ミレニアム以降に起きたこと
なぜ「ダンク」はストリートを支配できたのか/東京で起きた小売店の快進撃/神格化する藤原ヒロシと進むプレミアム化/ナイキ SB 誕生/ホワイトダンク展の意味/あらゆるものと結びついた「エア フォース 1」/幹を太くした「スーパースター」/ナイキとアップル/あふれる情報とその整理/ニューバランスのぶれなさ/ファストファッションの浸透がもたらしたもの「/ヴィンテージの進化」としてのコンバース アディクト/世界を席巻するニューバランス
最終章 スニーカーの今とこれから
「東京発」から「ヒップホップ発」へ/iPhone がもたらした情報革命と「エア ジョーダン」復活/ヘルシー志向の先で飛躍したニューバランス「/スタンスミス」から見たリブランディングの価値/2010年代前半の「エア マックス」/ベアフット(裸足)思想が到達した「編み」/変わらない藤原ヒロシの影響力/アーバンカルチャーとシュプリーム/ビッグ・コラボレーションの功罪/プレ値を更新しているのは誰か/ダッドシューズはなぜ人気を博したのか/ウィメンズの開花がもたらしたもの/アートとして/国際化が進む先で
エアマックス狩りはこち亀で知りました
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