「ニコニコ動画は新しいボカロPが発掘されやすい」
──それぞれの活動初期や現在の潮流をうかがってきましたが、みなさんが思うニコニコ動画の良いところって何ですか?ピノキオピー 一番はランキングがあることだと思います。最初の頃は本当に、“戦場”感が面白かったんですよね。「新人が来たぞ!」「あいつを倒したぁ!」みたいな下剋上もあって。
ただ、ニコニ広告が入ったことで間接的に順位を操作できるようになってしまったので、ゲーム性が欠けてしまったところはあります。
はるまきごはん 新しい曲が上位になって、インプレッションを得られるチャンスがあるのは良いことだと思っていました。ただランキングって、プレイヤーにとっては聖なる場所で、いわばオリンピックのメダルじゃないですか。
それをスポンサーのついた選手が金メダル取れちゃうのはどうなんだろうとも思う。ただ、実際問題として良いの? 悪いの? みたいなところは、僕の中で最終的な結論は出ていません。僕の曲だって広告で上がって、それで知った人もいるだろうから。
シャノン あとは、コメントが動画内に流れるのがやっぱり良いですよね。YouTubeのコメントは見終わったあとに書くものですけど、ニコ動はリアルタイム性がある。 ピノキオピー コメントのおかげで、画面の向こうに人がいるのを意識しやすいですよね。曲の中のどのポイントで盛り上がっているかが一目瞭然だし、ネガティブなコメントも、どこでそう感じたかがわかりやすいぶん、改善につなげやすいなと思います。
はるまきごはん ニコ動って、新しい人を見つける場としてはめちゃくちゃ良いと思っていて。僕、ニコ動で新しく出てきた人が注目され始めているときのオーラがすごく好きなんですよ。そのオーラってYouTubeだとあんまりわからなくて。
これは僕がずっと言ってることなんですけど、YouTubeが「みんなが好きなボカロPに注目が集まる場所」だとしたら、ニコ動は「その前の段階の人たちがまず発見される場所」に特化すべきだと思っています。
シャノン 僕もそうだったんですけど、界隈にザワザワされる前に、ディグるのが上手な歌い手さんが見つけてくれるパターンもありますよね。
ピノキオピー 確かに、最近はボカロPより歌い手さんのほうがディグってるかも。
シャノン それこそ、僕の曲を歌ってくれた宮下遊さんも「新しい人はニコ動で探してる」って言ってました。実は彼がディグってる様子を見たことあるんです。ニコ動でその日投稿されたボカロ曲を出して、上から順番に聴いて、良いなと思った曲をマイリストに登録するっていう。
ピノキオピー うわ、今っぽい!
3人も知らない逸材が現れるかも「The VOCALOID Collection」
──最後に、ボカコレに参加しようと思っている新人ボカロPや未来のボカロPに向けて、メッセージをお願いします。ピノキオピー ルーキーランキング(※)にやばい新人が現れて、全員ぶっ倒すみたいなことが起きることを期待してます(笑)。みんながお互いに意識して切磋琢磨して、良いバトルになればいいですよね。
はるまきごはん 対象はボカロPデビューから2年以内ですけど、このために転生(アカウントをつくり直すこと)してまで投稿してきたらすごくないですか?
ピノキオピー それまでの実績とか捨ててゼロからってなったら相当面白くなりそう!
はるまきごはん あれ? そしたらシャノンさんも対象?
シャノン 僕はもう3年目なので。
はるまきごはん となると、本当に僕らも知らないボカロPを知れる可能性があるってことですよね。
このイベントがきっかけで、今まで知られてなかった新しいボカロPをお客さんたちが発見できれば嬉しいです。すでに広く知られているボカロPというよりは、そういうボカロPから配布されるStemデータとかを活用して、新しい人にスポットが当たるのを楽しみにしてます。
シャノン ニコ動のいいところでもあるんですけど、ニコ動の視聴者ってランキングを上から下まで見るんですよ。だから上位にならなくても、見てくれている人はいるよってことをお伝えしたいです。むしろそういう人たちに見つけてもらうことが、今回参加する大きな意味じゃないでしょうか。
※ルーキーランキング:ボカコレルーキーランキング。ボカロPデビューしてから2年以内の人が対象。インタビュー内にあったような広告の影響はない。
「The VOCALOID Collection -2020Winter-」をチェックする 【ボカロP提供】REMIX用Stemデータをチェックする
1日限りのスペシャルライブ、チケット絶賛販売中(リアル会場 / ネット視聴)
The VOCALOID Collection LIVE
日付:2020年12月12日(土)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
[第1部]OPEN 12:00 / START 13:00
<出演者>
愛川こずえ / +α / あるふぁきゅん。 / 164 / いりぽん先生 / 仮面ライアー217 / koma'n / SHARE LOCK HOMES / 針原翼(HarryP) / ピノキオピー / Heavenz / みうめ / めろちん / 小林幸子 / けったろ / つかさし / nero / NORISTRY / Rio
[第2部]OPEN 17:30 / START 18:30
<出演者>
ありく / いりぽん先生 / ウィル / 仮面ライアー217 / 神沢有紗 / SHARE LOCK HOMES / john/TOOBOE / ツユ / DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺ / 八王子P / ぽるし / めーとる / めろちん
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ピノキオピー
ボカロP
2009年より動画共有サイトにボーカロイドを用いた楽曲の発表し、ピノキオピーとして活動開始。以降も精力的にオリジナル楽曲を発表しつつ、アーティストへの楽曲提供などを行っている。ライヴに於いては、電子と肉体の共演、融合を基軸に、ドラムとターンテーブリストをサポートメンバーとして従えたバンドセットとワンマイク&バックDJスタイルなど柔軟なパフォーマンスを提供している。
http://pinocchiop.com/
https://www.youtube.com/user/pinocchiopchannel
はるまきごはん
ボカロP
作詞作曲編曲、イラスト、映像、アニメーション制作まで、全てのクリエイションを1人で妥協なく手がけ、そのポップな名前とは裏腹に、切なくてエモーショナルな唯一無二の世界観を描き続けている「はるまきごはん」。VOCALOIDと自身歌唱によるふたつの表現の切り口を持ち、オリジナルアニメーションを駆使したライブも評価が高い。数々の人気アーティストへの楽曲提供や、2020年には出身地札幌で開催された“SNOW MIKU 2020”の公式テーマソングも手がけている。
シャノン
ボカロP
2017年からボカロ作品を発表。作詞作曲編曲、イラスト、アニメーションを自身で手掛ける。作りこまれた、ストーリー性の高い作風がリスナーの考察心をかきたてる。「ヨミクダリの灯」「魚類による考古学」などが話題となり、新世代ボカロPの一人として注目を集めている。はるまきごはんが主催するアニメ制作チーム・スタジオごはんの一員としても活動中。
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