個々も際立つ主題歌「これが私たちニジガク」
──ここからはアニメを彩る楽曲についてお聞きしていきます。OP曲「虹色Passions!」は、それぞれの個性を重んじるニジガクのテーマソングでありながらも、「ひとりじゃないよ いつもみんないるから」というフレーズや、タイトルもPassion“s”という複数形にしていることから、全員で歌う意義を持った曲に仕上がっているようにも感じました。これから新たな代表曲の1つとなっていく曲だとも思いますが、キャストの皆さんはどんなメッセージを込めて歌われているのでしょう?
相良 TVアニメのOPだからやっぱり気合は入っています。
今までの全員曲では、かすみんを主張しすぎるとちょっと浮いてしまうことがあったので抑えようとしていたんですが、今回は明るく元気でメッセージ性も強い曲なので、最初からかすみん全開で! タイトル通り私たちの溢れ出るパッションを詰め込めたと思います。
楠木・鬼頭 正解!
特に私は愛ちゃん(宮下愛)が落ちサビを歌ってるのがすごい好きで、愛ちゃんが歌ってるからこそ心に響くなって。全員曲だけどメンバーそれぞれの魅力が詰まっていて、それでいてOPらしく堂々としてる。「これが私たちニジガクです」って思いを込められました。
楠木 普段は抑えようとしているかすみんと逆で、せつ菜は全員曲のときはニュアンスを濃いめに入れるようにしていました。せつ菜は喋っているときも節回しが強めなので、それを歌に反映させようとしています。
今回は、アニメをきっかけにニジガクを知ってくださる方もいると思ったので、この曲が私たちの自己紹介になるように、いつもよりワンフレーズごとを印象的に聞いてもらえるように意識しました。
歌声を合わせても目立つメンバーと違って、せつ菜はそのままだと埋もれてしまうことがあって。でも全員曲を歌うときに、せつ菜は歌声で全体にエンジンをかける役割を担える子だと思っているので、今回はそれをより強く意識して歌っています。
相良 確かに可愛い声のメンバーに加えて、せつ菜や果林(朝香果林)のかっこいい歌声があることでニジガクの音の幅が生まれてる感じがするな。
鬼頭 全体に厚みが出るよね。
全員曲でいうと、彼方は毎回頑張るみんなに追いつけるように、ソロのときより元気に歌うようにしています。今回はOPだし明るい曲なのでいつもより頑張って、いつもより元気な彼方を見せようと意識しました。
楠木 毎回「いい話だったな」って思える曲になっていますよね。EDらしくゆったりしているけど、前に進んでいこうって前向きさも感じるような。
相良 確かに、歩いていくようなイメージがある! 終わりの曲ってよりは、もっと頑張ろうって気持ちにさせられる曲だから、終わるとまた最初から見直しちゃう(笑)。
鬼頭 歌詞がいいよね。サビ頭の「どこへ向かうかまだわからないけど 面白い未来が待ってると」って部分は、本当にどうなるかわからないまま始まった私たちとすごい重なるから、自分の心境も思い出してすごい泣ける。
楠木 ライブで泣いちゃうかもしれない!
相良 レコーディングのときからヤバかったもんね(笑)。
可愛すぎて「たまんなかった」中須かすみのソロ曲
──毎回エピソードを印象的に彩っているそれぞれのソロ曲では、個性にフォーカスしたフレーズが印象的に繰り返されていて、これまでとは違うニジガクの作品性をより色濃く表現した楽曲になっています。相良 これまでのソロ曲は可愛いかすみんだったり、アンニュイな部分を見せるかすみん、自分と対話するかすみんと、いろんなかすみんを表現してきたんですが、アニメで初めて見てくださる方も多いと思ったので、「Poppin' Up!」(アニメ第2話挿入歌)ではより強く「THE かすみん!」を表現しました。
語尾の言い回しだったり、かすみんにしか出せないニュアンスを取り入れて、「これがかすみんです! こういう思いを表現します!」って自己紹介になるような曲にしたいと。
楠木 ダンスもめちゃくちゃかすみんっぽくて可愛いよね、人差し指を顎に添えるところなんてヒェッってなったもん(笑)。可愛い! じゃなくてヒェッ。これはかすみん推しのあかりんもたまんなかったんじゃない?
鬼頭 たまんなかったね(笑)。
──せつ菜は第1話の「CHASE!」と3話の「DIVE!」で2回ソロ曲の披露があり、どちらも迫力のあるライブシーンでとても印象的でした。
楠木 せつ菜のソロは熱くてロックな曲が多いので、今回も可愛いよりはかっこいい感じが出るようにしています。
ただ今までは、曲の中でじわじわと盛り上げていって爆発させる曲が多かったんです。でも「DIVE!」は始まりからガッとインパクトのある曲なので、最初からエンジン全開で歌ってます。
もともと「DIVE!」のサビ頭が「CHASE!」のシャウトと同じキーの音だったんです。「CHASE!」のときは苦しいキーに挑戦することで、必死さが表現できたのでよかったのですが、今回は侑を惚れさせたオーラや余裕感、力強さをニュアンスとして出したかったので、少し音を下げさせてもらいました。
結果的に、壁を1つ乗り越えた強さや、菜々っぽさも織り交ぜた感情の動きを、より印象的に歌うことができたと思います。
鬼頭 彼方は今まで自分の世界観や自分のファンに向けての曲が多くて、彼方の世界観を中心に歌っていました。でも今回の「Butterfly」(アニメ第7話挿入歌)は妹の遥ちゃんのことを歌っていて、遥と彼方の姉妹の曲になっているんです。
曲調からして今までのメルヘンな雰囲気と全然違いますし、これだけ今までと違う曲の中でしっかり彼方を表現できるか不安になったけど、実際は彼方らしさがありながらも、新しい彼方を見てもらえる曲にできたと思います。
楠木 歌い方も変えたの?
鬼頭 歌い方自体は変えてないけど、キーがいつもより高めだからかなり印象が違う曲になってると思う。
今までのようにウィスパーではあるけど、テンポも速くて大変だったし、これをライブで踊りながら歌えるんだろうかって今から心配……かな(笑)。
相良 それは私も思った! メンバーがみんな可愛くかっこよくライブしていて、これがニジガクの本気ってのを見せてくれる分、キャストの私たちも頑張らないといけないよね。
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