手汗ぐっしょりサメ映画『ロスト・バケーション』 恐怖と孤独が支配するスリラー

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恩田雄多
手汗ぐっしょりサメ映画『ロスト・バケーション』 恐怖と孤独が支配するスリラー
手汗ぐっしょりサメ映画『ロスト・バケーション』 恐怖と孤独が支配するスリラー

『ロスト・バケーション』/画像はすべてソニー・ピクチャーズ公式サイトより

POPなポイントを3行で

  • サメ映画『ロスト・バケーション』NHK BSPで放送
  • 秘密のビーチで楽しむ休暇が人喰いザメのせいで悪夢に
  • 『ゴシップガール』ブレイク・ライブリーの好演
誰も知らないプライベートビーチで過ごす1人だけのバケーション──。

うっとりするようなシチュエーションに聞こえるけど、1匹の侵入者によって夢のような時間は悪夢へと変わる。海を恐怖の空間へと誘う巨大な人喰いザメによって。

NHK BSプレミアムで10月26日(月)13時から放送される『ロスト・バケーション』(2016年公開)は、そんな悪夢が重苦しい緊迫感と共に続くサバイバルスリラーだ。

【画像】まさに悪夢『ロスト・バケーション』場面カット

秘密のビーチは1匹のサメによって天国から地獄へ

物語の主人公である医学生・ナンシーは、休暇を利用して亡き母が教えてくれたメキシコにある秘密のビーチを訪れる。

父と幼い妹の世話、医師になるための勉強漬けの日々から解放され、1人自由気ままにサーフィンを楽しむナンシー。

絵に描いたような最高の休暇は、巨大な人喰いザメによって失われ、ナンシーは一転恐怖に支配されてしまう。

脚を負傷して大量に出血しながら岩場に泳ぎ着いたものの、サメが周囲を徘徊する中で助かる方法は見つからない。

1人だけのビーチ、裏を返せば、危機に直面したときに助けを求める相手がいないことを意味する。彼女は絶望的な状況に追い込まれた。

痛快なサメ映画とは一線を画す重苦しい『ロスト・バケーション』

サメ映画と聞いて、いわゆるB級的な面白さを思いかべる人も多いかもしれないが、『ロスト・バケーション』はまた別の魅力を持った作品だ。

止まらない出血によって生存へのリミットが迫るという緊張感、岸まであともう少しなのに届かない絶望と孤独。

もし自分がそんな状況に陥ったら──想像するだけで冷静な判断もできずにすべてをあきらめてしまいそうだ。

体力的な限界と混乱する思考。それでも彼女が生きるために選んだ究極の決断とそれに至るまでの展開には、一度握った手を開かせないほど見入ってしまう。

恐怖と対峙するナンシー役にブレイク・ライブリー

主人公・ナンシーを好演したのはブレイク・ライブリーさん。テレビドラマ『ゴシップガール』のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役でブレイクした女優だ。

ちなみに、夫は『デッドプール』でお馴染み、2021年にゲームのモブキャラ役で主演する『フリー・ガイ』の公開が控えるライアン・レイノルズさんだ。

監督はホラーやアクションを得意とするスペイン出身のジャウム・コレット・セラさん。数々の映画音楽を手がけてきたマルコ・ベルトラミさんの音楽が、作品にただようスリルを一層後押しする。

苦しむことなくこの場を離れられたらどれだけラクだろうか? 鑑賞中、幾度となくそんな思いを抱いてしまう『ロスト・バケーション』。未体験の人はこの機会にぜひ。

【画像】まさに悪夢『ロスト・バケーション』場面カット
映画 『ロスト・バケーション』予告

あんなに怖いのになんでサメに惹かれちゃうんだろ

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放送情報

ロスト・バケーション

製作総指揮・監督
ジャウム・コレット・セラ
製作総指揮
ダグ・メリフィールド
製作
リン・ハリス、マティ・レシェム
脚本
アンソニー・ジャスウィンスキー
撮影
フラビオ・ラビアーノ
音楽
マルコ・ベルトラミ
出演
ブレイク・ライブリー、オスカル・ハエナダ、ブレット・カレン ほか
製作国
アメリカ
製作年
2016
原題
THE SHALLOWS
備考
英語(※一部スペイン語)/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ
放送
NHK BSプレミアム 10月26日(月)午後1時00分〜2時27分

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