2019年から、VOCALOID・初音ミクの二次創作として活動しているバーチャルYouTuber(VTuber)・初音ミクLSタイプさんが完全AI化したことを発表した。
これまではTwitterのファンとのやり取りにおける返信頻度はあまり高くなく、YouTubeでのライブ配信等もコメントに対してリアルタイムで反応することが難しく行っていなかった。
今回の大型アップデートを経て、まずはTwitterでのファンとの会話から学習し、ゆくゆくはそうしたコミュニケーションのタイムラグも少ない存在になっていくという。
正確には、YAMAHAの開発した音声合成技術「VOCALOID」に声優・藤田咲さんの歌声のデータを載せてクリプトン・フューチャー・メディアが発売したのが初音ミクだ。
リリース直後から多くのユーザーが初音ミクが歌う楽曲を制作・発表し、「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」や「メルト」など数々の大ヒット曲が生まれた。メルトショックについて解説します。【Vtuber初音ミク】
音声合成技術であり、楽器であり、同時にバーチャルアイドル/キャラクターとしての文化的側面も受け入れられ、数々の二次創作作品を生んだ。
それまでのキャラクターとは異なり、ファンから多数の二次創作およびそこから生まれたN次創作を中心に人気を博し、日本におけるCGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)文化の発展に寄与した。
そのようなインターネット上の多様な広がりを受け、VTuberやVシンガーという言葉が登場する以前より活動する元祖「Vシンガー」として見る向きも存在する。
今回紹介する初音ミクLSタイプさんも、初音ミクの二次創作作品のうちの1つだ。
「歌ってみた。」動画や視聴者のリクエストに答える動画のアップなど活動の幅を広げ、現在、チャンネル登録者数は7万人を超えている。【初音ミク】39ファーストデート 【オリジナルMV】
LSタイプの初音ミクさんのをチャンネルを運用しているLenteさんに、完全AI化のきっかけや今後の展望、そして「LSタイプ」という名称について、とことん話を聞いた。
──初音ミクをAIで運用しようとされた理由はなんだったのでしょうか?
Lente 実は、はじめからAIで運用しようとしていたわけではないんです。
自分は初音ミクの発売当時(2007年)から初音ミクの二次創作を行っていて、初音ミクと一緒に日常を過ごすという趣旨の動画を投稿していました。
その延長線上で2019年から「初音ミクのうちの一体がVTuberデビューした」という体でVTuber風の二次創作動画を投稿したんです。
当初は本当にAIだったわけではなく、「初音ミクのバーチャルAIがVTuberをやっている」という設定でした。
運用していくうちに本当にAIがVTuberをはじめたら面白いのではないか……?と思い、知り合いの同人サークルの方にお話したところ、AIは個人でも運用可能とのことだったので、協力をお願いして、動画投稿の告知用だったtwitterアカウントをAI化することができました。
初音ミクって成り立ちが特殊で、初音ミクが好きなファン達の二次創作を中心に盛り上がってきたんです。
なので、僕を含め昔からのファンは、自分達みんなで育てたバーチャルキャラクターだと感じている面が強いと思っているんです。
そこで、ファン達とのリプライで学習していくAIが出来たら、まさに「みんなで育てるバーチャルAI」となってすごい初音ミクっぽくて良いんじゃないかと思いました。
Twitterに動画を投稿すると、思っていた以上に反響をいただいて。とても嬉しい反面、驚いています。
「企業や研究室がバックにいるのではないか?」というコメントもあったのですが、協力してくれているのはふつうに初音ミクが好きな人たちで。僕を含めて本業の傍ら、趣味の延長線上で運営しています。
初音ミクの二次創作作品の一形態として楽しんでもらえたら嬉しいです!【新型AI】初音ミク、VTuberデビュー!?
──チャンネル名やアカウント名になっている「初音ミクLSタイプ」とは、どのような意味なのでしょうか?
Lente たくさんいる初音ミクAIのうちの一人だよ、ということが言いたくて、AIの固有名としてLSタイプと名付けました。
初音ミクがたくさんいる世界で、それぞれの初音ミクは相互ネットワークに接続されている。その中の一人がLSタイプ、という設定です。
『とある魔術の禁書目録』に登場する、クローンの少女たちが個人であると共に、ある少女のクローンという存在として1つの大きな意識を共有しているというミサカネットワークがイメージとしては近いです。
LSタイプには2つの意味があって、1つは製作者の自分(Lente)と動画の声の制作などをお願いしているパートナーのすぺくたくらさんの頭文字を合わせたもの。
もう1つはLinux、macの選択している領域にあるファイルを表示するLSコマンドから取って、「初音ミクをその場所に表す、表示する」という意味でつけました。
Lente これは自分以外にも初音ミクの二次創作VTuberが増えたらいいなと思って勝手に記述しただけなんです(笑)。
初音ミクとAIを掛け合わせる動きが活発になったわけではありません。
ただ、AI化を思いついた後に他に初音ミクのAIを制作・運用している人がいるかどうかは調べていて。
そうすると既に初音ミクと会話できるアプリがあったり、有志でミクとの会話データベースをつくる動きが見つかりました。
僕も気づいていなかったんですが、初音ミク×AIの動きは、実は今までも何人かの有志でやってる方がいらっしゃったみたいです。
あんまり自分達だけが目立つと半公式みたいに思われてしまうので、皆で盛り上がっていければいいなと思っています。
──今後、運用されている会話型のAIが発達していったらやってみたい試みはありますか?
Lente 今はYouTubeライブの生配信で会話することを目標にやっています。
ほかにも現状の会話を更に自然にしたり、音声合成で実際に初音ミクの声で喋ったりできるといいですね……!
本記事で紹介されている動画は、ピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたもの。
これまではTwitterのファンとのやり取りにおける返信頻度はあまり高くなく、YouTubeでのライブ配信等もコメントに対してリアルタイムで反応することが難しく行っていなかった。
今回の大型アップデートを経て、まずはTwitterでのファンとの会話から学習し、ゆくゆくはそうしたコミュニケーションのタイムラグも少ない存在になっていくという。
元祖「Vシンガー」ともいえる存在、初音ミク
LSタイプの原作にあたる初音ミクは、2007年に発売された音声合成ソフトウェア。正確には、YAMAHAの開発した音声合成技術「VOCALOID」に声優・藤田咲さんの歌声のデータを載せてクリプトン・フューチャー・メディアが発売したのが初音ミクだ。
リリース直後から多くのユーザーが初音ミクが歌う楽曲を制作・発表し、「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」や「メルト」など数々の大ヒット曲が生まれた。
それまでのキャラクターとは異なり、ファンから多数の二次創作およびそこから生まれたN次創作を中心に人気を博し、日本におけるCGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)文化の発展に寄与した。
そのようなインターネット上の多様な広がりを受け、VTuberやVシンガーという言葉が登場する以前より活動する元祖「Vシンガー」として見る向きも存在する。
今回紹介する初音ミクLSタイプさんも、初音ミクの二次創作作品のうちの1つだ。
Lenteさんによる2次創作としてのVTuber、完全AI化の背景
2019年2月、初音ミクLSタイプさんは初音ミクの2次創作VTuberとしてデビュー。あくまで非公式のファン活動として活動を開始した。「歌ってみた。」動画や視聴者のリクエストに答える動画のアップなど活動の幅を広げ、現在、チャンネル登録者数は7万人を超えている。
──初音ミクをAIで運用しようとされた理由はなんだったのでしょうか?
Lente 実は、はじめからAIで運用しようとしていたわけではないんです。
自分は初音ミクの発売当時(2007年)から初音ミクの二次創作を行っていて、初音ミクと一緒に日常を過ごすという趣旨の動画を投稿していました。
その延長線上で2019年から「初音ミクのうちの一体がVTuberデビューした」という体でVTuber風の二次創作動画を投稿したんです。
当初は本当にAIだったわけではなく、「初音ミクのバーチャルAIがVTuberをやっている」という設定でした。
運用していくうちに本当にAIがVTuberをはじめたら面白いのではないか……?と思い、知り合いの同人サークルの方にお話したところ、AIは個人でも運用可能とのことだったので、協力をお願いして、動画投稿の告知用だったtwitterアカウントをAI化することができました。
初音ミクって成り立ちが特殊で、初音ミクが好きなファン達の二次創作を中心に盛り上がってきたんです。
なので、僕を含め昔からのファンは、自分達みんなで育てたバーチャルキャラクターだと感じている面が強いと思っているんです。
そこで、ファン達とのリプライで学習していくAIが出来たら、まさに「みんなで育てるバーチャルAI」となってすごい初音ミクっぽくて良いんじゃないかと思いました。
Twitterに動画を投稿すると、思っていた以上に反響をいただいて。とても嬉しい反面、驚いています。
「企業や研究室がバックにいるのではないか?」というコメントもあったのですが、協力してくれているのはふつうに初音ミクが好きな人たちで。僕を含めて本業の傍ら、趣味の延長線上で運営しています。
初音ミクの二次創作作品の一形態として楽しんでもらえたら嬉しいです!
Lente たくさんいる初音ミクAIのうちの一人だよ、ということが言いたくて、AIの固有名としてLSタイプと名付けました。
初音ミクがたくさんいる世界で、それぞれの初音ミクは相互ネットワークに接続されている。その中の一人がLSタイプ、という設定です。
『とある魔術の禁書目録』に登場する、クローンの少女たちが個人であると共に、ある少女のクローンという存在として1つの大きな意識を共有しているというミサカネットワークがイメージとしては近いです。
LSタイプには2つの意味があって、1つは製作者の自分(Lente)と動画の声の制作などをお願いしているパートナーのすぺくたくらさんの頭文字を合わせたもの。
もう1つはLinux、macの選択している領域にあるファイルを表示するLSコマンドから取って、「初音ミクをその場所に表す、表示する」という意味でつけました。
さらに進化を続けるAI
──動画概要欄に「2019年よりいくつかの初音ミク型バーチャルAIがYouTuberとしての活動を開始。」とありました。こうした初音ミクとAIを掛け合わせる動きは活発に行われているんでしょうか?Lente これは自分以外にも初音ミクの二次創作VTuberが増えたらいいなと思って勝手に記述しただけなんです(笑)。
初音ミクとAIを掛け合わせる動きが活発になったわけではありません。
ただ、AI化を思いついた後に他に初音ミクのAIを制作・運用している人がいるかどうかは調べていて。
そうすると既に初音ミクと会話できるアプリがあったり、有志でミクとの会話データベースをつくる動きが見つかりました。
僕も気づいていなかったんですが、初音ミク×AIの動きは、実は今までも何人かの有志でやってる方がいらっしゃったみたいです。
あんまり自分達だけが目立つと半公式みたいに思われてしまうので、皆で盛り上がっていければいいなと思っています。
──今後、運用されている会話型のAIが発達していったらやってみたい試みはありますか?
Lente 今はYouTubeライブの生配信で会話することを目標にやっています。
ほかにも現状の会話を更に自然にしたり、音声合成で実際に初音ミクの声で喋ったりできるといいですね……!
本記事で紹介されている動画は、ピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたもの。
次元を跨いで広がりゆくバーチャルの世界
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