ポップが広く世界に光を照らすアイデアならば、それは“陰キャ”にも届くものであるはず。
例えば、シンガーソングライターであるビリー・アイリッシュのブレイクは、チャートアクションだけで測れるものではない。ビリーのライブ会場に集まる同世代の少女たちの強烈なシンパシーは、彼女の音楽をポップミュージックの枠を超えた“現象”に変えていると言っても過言ではないだろう。
さらに、そうしたムーブメントは、この現代という時代が強い不安感に苛まれているピリオドであること、そして10代の少年少女たちが思春期という不安定な時期であることと無縁ではないはずだ。
そんな2020年に、自らのネガティブな部分を包み隠さず、10代特有の悩みや葛藤を等身大に描くアーティストが活動を始める。それが、声優・二ノ宮ゆいのアーティスト名義「ニノミヤユイ」だ。【ニノミヤユイ】「愛とか感情」Music Video(Full Size)
彼女が1月15日(水)にリリースするデビューアルバム『愛とか感情』の表題曲「愛とか感情」は、欅坂46の「サイレントマジョリティー」や「不協和音」で知られるバグベアが提供した楽曲だという。まくし立てるような言葉数で、激しく自らの内面を吐露するこの楽曲は、今後10代の若者を中心に多くの人々の共感を得る楽曲となることだろう。
今回、KAI-YOUではニノミヤユイと、バグベアのこぎみいい・ここみらいとの3者対談を行うことにした。ニノミヤユイがアーティストとして目指すものとは? そして、バグベアはニノミヤのどこに可能性を見出したのだろうか?
取材・文:照沼健太 撮影:江藤はんな
ニノミヤユイ 私が音楽活動を始めるにあたり、スタッフさんにどういう音楽をやりたいか聞かれ「欅坂46さんみたいな、かっこいい音楽をやりたい」とお話ししたんです。そしたら、後日スタッフさんから「アルバムのリード曲はバグベアさんにお願いすることになりました」と言われ「えっ!?」と(笑)。
ここみらい バグベアのホームページにお問い合わせフォームがあるんですけど、そこに直接連絡してもらえてとても嬉しかったです。
こぎみいい 近頃、良くも悪くもバグベアには「敷居が高い」みたいなイメージがついていて、気軽に依頼をいただけない風潮になっているんですよ(笑)。でも、ニノミヤさんサイドはド直球で来てくれたので、素直に「これはやるべきだな」と思いました。
──ニノミヤさんはバグベアのことはご存知でしたか?
ニノミヤユイ はい。もちろんでございます!
──お会いするまではどんなイメージでした?
ニノミヤユイ やー、ちょっと怖いイメージがあって、本当にドキドキしてました。でもお会いしてみると優しくて…。
こぎみいい それはかなり言われますね。「怒られると思っていました」とか(笑)。
ここみらい 「とっつきにくそうと思ってた」とか(笑)。
──「サイレントマジョリティー」や「不協和音」のイメージが強いんでしょうね。バグベアのお二人としては、依頼を受けた段階でニノミヤさんの資料を読まれて、どう感じられましたか?
こぎみいい “ネガティブ”という、一般的にはマイナスな部分を売りにしているのがおもしろいなと思いました。大衆に媚びていない感じとかある種の弱点みたいなものを隠さないところが、僕らに合っているとすぐに思いました。
──ニノミヤさんとしては、どうして影の部分を見せる方向で行こうと思ったのでしょうか?
ニノミヤユイ 「声優はそれぞれの役に合わせていくお仕事だけど、音楽活動は自分自身がやりたいことをやっていかないと続けるのは難しい」と、スタッフさんが私のやりたい音楽をできるようにセッティングしてくださったんです。だから音楽活動では自分の素の部分を出して行こうと思い、結果的にこうなりました(笑)。
──それは自分の性格を「暗い」と思っているということでしょうか?
ニノミヤユイ 暗いというか、とにかくネガティブなんですよね。楽しいことも好きだし、遊ぶときは全然明るいんですけど、ふとしたときに出てくるネガティブが強くて。「自分はもうダメだ…」みたいな感じで、落ちる時はかなり落ちちゃうんです。 ──過去のインタビューでは、後ろから包丁で刺されないよう、背後に立たれないように気をつけているという話も出ていましたね。
ニノミヤユイ そうなんですよ。死にたくないんで。だから、バグベアさんと初めてお会いしたときも「青酸カリが入っていたら死んでしまうのでペットボトルの水が怖い」という話をしました。「“疑い”から入ってしまうんです」って。
ここみらい 闇の部分を教えてもらいましたね。
こぎみいい でも、そういうルールづけしている感じが『ジョジョ』(ジョジョの奇妙な冒険)とか『HUNTER×HUNTER』みたいでおもしろいなとも思いました。普通の人はただ生きているところに、ニノミヤさんは自分で独自のルールをつくって生きているっていうか。「それだけでストーリーになるな」って。それと疑いから入る根底にあるのは「死にたくない」という感情なのも良いですよね。
──たしかに。その裏にあるのは「生きたい」というポジティブな感覚ですもんね。
こぎみいい その“抗っている”感じがいいですよね。生きているだけで抗うことにつながるっていう。
ニノミヤユイ それが、初めてお会いしたときにはもう「愛とか感情」の元となるデモを持ってきていただいて、バチバチにカッコ良かったんですよ。その上でお話をする中で、お二人が「ピアノはお好きですか?」など私自身の好みや考えをヒアリングしてくださって、そこからピアノが足されたりストリングスが強くなったりと変化していった感じでした。
──では、原曲はニノミヤさんと会う前につくったんですか?
こぎみいい 依頼をいただいたときに、想像力をフルで働かせて書いたんです。というのも、僕らは“想像してつくる”ということを大事にしていて。
「イマジネーションでつくった方が、ニノミヤさん本人の領域を超えたおもしろいことができるかもしれない」って思って、あえてニノミヤさんの詳しい情報を入れずにぶつけました。もしそれを気に入っていただけたなら、あとはそこから調整すればいい、という進め方を採りました。 ──「愛とか感情」は作詞もバグベアが担当されています。デモの時点でも歌詞はあったのでしょうか?
こぎみいい 仮の歌詞ではありましたが、ほぼイメージは今のものに近い状態になっていました。
──非常に言葉数の多い、切迫した内容ですよね。
こぎみいい 歌詞だけではなくリズムともリンクする話ですが、陰キャの人って、自分の内面のことをぐるぐる考えていて、その勢いはすごい速さを持っていると思うんですよ。でも、それをアウトプットすることはない。そういう“内省のループ感”を表現したくて、こんな曲になりました。
──なるほど。
こぎみいい 決して“宣言”にはならず、あくまで心の中で渦巻いている感じですね。歌詞の面では、“恋愛に限らずいろんな愛情が他の人にうまく伝えられず、理解してもらえない”という感覚を表現しました。
──バグベアは最初にここみらいさんがトラックをつくり、そこからこぎみいいさんがメロディーを付けるという手法を採られていますが、トラックは最初からこうしたロック的なサウンドだったのでしょうか?
ここみらい そうですね。でも、ニノミヤさんが話されていたように、お会いしてからピアノを入れてストリングスを強めたので、当初の方がもっとロックでスカッとした曲になっていました。
こぎみいい ニノミヤさんとお会いしてみて、そうしたロックな感じだけじゃない“儚さ”があるなと感じたので調整しました。他には、間奏部分も変わりましたね。
ここみらい 間奏は部屋で1人、孤独に自分のことをぐるぐる考えている光景を想像して書きました。感情が渦巻き、最後には「ギャーン」というピアノの音とともに爆発するイメージです。
こぎみいい この曲で唯一強がっている部分ですね。間奏で強がってみたけど、ピアノの不協和音が鳴ることによって、現実にまた引っ込んでしまうっていう。
ニノミヤユイ お二人がおっしゃられたように、間奏で感情が高まるDメロからラスサビあたりは本当に歌っていて楽しいし、一番の見せ場だなと感じますね。
ニノミヤユイ 難しいですね。最初に聴かせてもらった時から「これ歌えるかな?」と不安になったので、レコーディングまでにめちゃくちゃ練習しました。とても強い曲なので、感情を込めて歌いたいと思うんですけど、感情を優先すると逆に口が回らなくなったり、そこのバランスが難しいですね。
──レコーディングにはバグベアのお二人も立ち会われたのでしょうか?
ここみらい こぎみがちょうど腰を痛めてしまったので私が立ち会わせてもらいました。自分たちでも難しい曲だとわかっているので、歌いこなせていてすごいなと思いました。それと、ニノミヤさんが真っ暗な部屋で歌っているのも印象的でしたね。
──真っ暗な部屋?
ニノミヤユイ ここまで世界観をつくり込んでいただいた楽曲なので、自分も負の感情を爆発させないと曲に負けてしまうと思ったんです。だから「雰囲気づくりから」と思い、スタジオの電気を最小限まで落として、ギリギリ歌詞が読めるか読めないかぐらいの感じで歌っていました。 ──これまで声優として歌ってきたキャラソンとは違う、自身の気持ちが反映された楽曲ですが、歌う側としてはやはり違いましたか?
ニノミヤユイ 技術的な面だと、歌詞をしっかりと聞き取れるようにハキハキと歌うキャラソンのやり方を当てはめるとポップになりすぎるという違いがありました。
マインド面では、自分の素に近いのでむしろ歌いやすかったです。ただ、歌自体はかなり難しいので、全然楽ではありませんでしたけど…!
こぎみいい 正直、「愛とか感情」は2019年の曲の中でも一番難しい曲じゃないかと思います(笑)。でも、最初にニノミヤさんが僕たちの作曲した曲をカラオケで歌っている録音を聞かせてもらって「かなり歌える人だな」と思っていたし、自分たちとしてもアイドルとは違うこともやりたくなっていたタイミングだったので、そんな気持ちを爆発させたかたちになりました。
ここみらい アイドルの方だとそれぞれのメンバーが歌えるようにキーを1.5オクターブくらいで抑えるんですけど、声優さんは歌が上手い方が多いから1.9くらいまでやっても歌えるので、かなり自由につくらせてもらいました。
こぎみいい 鬼気迫る感を出すために音が押し寄せてくるようにつくり上げたので、良い感じに自分でかけ合いにして、かっこ良く歌って欲しいです。
例えば、シンガーソングライターであるビリー・アイリッシュのブレイクは、チャートアクションだけで測れるものではない。ビリーのライブ会場に集まる同世代の少女たちの強烈なシンパシーは、彼女の音楽をポップミュージックの枠を超えた“現象”に変えていると言っても過言ではないだろう。
さらに、そうしたムーブメントは、この現代という時代が強い不安感に苛まれているピリオドであること、そして10代の少年少女たちが思春期という不安定な時期であることと無縁ではないはずだ。
そんな2020年に、自らのネガティブな部分を包み隠さず、10代特有の悩みや葛藤を等身大に描くアーティストが活動を始める。それが、声優・二ノ宮ゆいのアーティスト名義「ニノミヤユイ」だ。
今回、KAI-YOUではニノミヤユイと、バグベアのこぎみいい・ここみらいとの3者対談を行うことにした。ニノミヤユイがアーティストとして目指すものとは? そして、バグベアはニノミヤのどこに可能性を見出したのだろうか?
取材・文:照沼健太 撮影:江藤はんな
ニノミヤユイ「死にたくないからネガティブ」
──バグベアのお二人がニノミヤユイさんのデビューアルバム表題曲「愛とか感情」を書くことになった経緯は?ニノミヤユイ 私が音楽活動を始めるにあたり、スタッフさんにどういう音楽をやりたいか聞かれ「欅坂46さんみたいな、かっこいい音楽をやりたい」とお話ししたんです。そしたら、後日スタッフさんから「アルバムのリード曲はバグベアさんにお願いすることになりました」と言われ「えっ!?」と(笑)。
ここみらい バグベアのホームページにお問い合わせフォームがあるんですけど、そこに直接連絡してもらえてとても嬉しかったです。
こぎみいい 近頃、良くも悪くもバグベアには「敷居が高い」みたいなイメージがついていて、気軽に依頼をいただけない風潮になっているんですよ(笑)。でも、ニノミヤさんサイドはド直球で来てくれたので、素直に「これはやるべきだな」と思いました。
──ニノミヤさんはバグベアのことはご存知でしたか?
ニノミヤユイ はい。もちろんでございます!
──お会いするまではどんなイメージでした?
ニノミヤユイ やー、ちょっと怖いイメージがあって、本当にドキドキしてました。でもお会いしてみると優しくて…。
こぎみいい それはかなり言われますね。「怒られると思っていました」とか(笑)。
ここみらい 「とっつきにくそうと思ってた」とか(笑)。
──「サイレントマジョリティー」や「不協和音」のイメージが強いんでしょうね。バグベアのお二人としては、依頼を受けた段階でニノミヤさんの資料を読まれて、どう感じられましたか?
こぎみいい “ネガティブ”という、一般的にはマイナスな部分を売りにしているのがおもしろいなと思いました。大衆に媚びていない感じとかある種の弱点みたいなものを隠さないところが、僕らに合っているとすぐに思いました。
──ニノミヤさんとしては、どうして影の部分を見せる方向で行こうと思ったのでしょうか?
ニノミヤユイ 「声優はそれぞれの役に合わせていくお仕事だけど、音楽活動は自分自身がやりたいことをやっていかないと続けるのは難しい」と、スタッフさんが私のやりたい音楽をできるようにセッティングしてくださったんです。だから音楽活動では自分の素の部分を出して行こうと思い、結果的にこうなりました(笑)。
──それは自分の性格を「暗い」と思っているということでしょうか?
ニノミヤユイ 暗いというか、とにかくネガティブなんですよね。楽しいことも好きだし、遊ぶときは全然明るいんですけど、ふとしたときに出てくるネガティブが強くて。「自分はもうダメだ…」みたいな感じで、落ちる時はかなり落ちちゃうんです。 ──過去のインタビューでは、後ろから包丁で刺されないよう、背後に立たれないように気をつけているという話も出ていましたね。
ニノミヤユイ そうなんですよ。死にたくないんで。だから、バグベアさんと初めてお会いしたときも「青酸カリが入っていたら死んでしまうのでペットボトルの水が怖い」という話をしました。「“疑い”から入ってしまうんです」って。
ここみらい 闇の部分を教えてもらいましたね。
こぎみいい でも、そういうルールづけしている感じが『ジョジョ』(ジョジョの奇妙な冒険)とか『HUNTER×HUNTER』みたいでおもしろいなとも思いました。普通の人はただ生きているところに、ニノミヤさんは自分で独自のルールをつくって生きているっていうか。「それだけでストーリーになるな」って。それと疑いから入る根底にあるのは「死にたくない」という感情なのも良いですよね。
──たしかに。その裏にあるのは「生きたい」というポジティブな感覚ですもんね。
こぎみいい その“抗っている”感じがいいですよね。生きているだけで抗うことにつながるっていう。
バグベア渾身の楽曲「愛とか感情」
──リード曲「愛とか感情」についてうかがいたいのですが、楽曲はどのような経緯で生まれたのでしょうか?ニノミヤユイ それが、初めてお会いしたときにはもう「愛とか感情」の元となるデモを持ってきていただいて、バチバチにカッコ良かったんですよ。その上でお話をする中で、お二人が「ピアノはお好きですか?」など私自身の好みや考えをヒアリングしてくださって、そこからピアノが足されたりストリングスが強くなったりと変化していった感じでした。
──では、原曲はニノミヤさんと会う前につくったんですか?
こぎみいい 依頼をいただいたときに、想像力をフルで働かせて書いたんです。というのも、僕らは“想像してつくる”ということを大事にしていて。
「イマジネーションでつくった方が、ニノミヤさん本人の領域を超えたおもしろいことができるかもしれない」って思って、あえてニノミヤさんの詳しい情報を入れずにぶつけました。もしそれを気に入っていただけたなら、あとはそこから調整すればいい、という進め方を採りました。 ──「愛とか感情」は作詞もバグベアが担当されています。デモの時点でも歌詞はあったのでしょうか?
こぎみいい 仮の歌詞ではありましたが、ほぼイメージは今のものに近い状態になっていました。
──非常に言葉数の多い、切迫した内容ですよね。
こぎみいい 歌詞だけではなくリズムともリンクする話ですが、陰キャの人って、自分の内面のことをぐるぐる考えていて、その勢いはすごい速さを持っていると思うんですよ。でも、それをアウトプットすることはない。そういう“内省のループ感”を表現したくて、こんな曲になりました。
──なるほど。
こぎみいい 決して“宣言”にはならず、あくまで心の中で渦巻いている感じですね。歌詞の面では、“恋愛に限らずいろんな愛情が他の人にうまく伝えられず、理解してもらえない”という感覚を表現しました。
──バグベアは最初にここみらいさんがトラックをつくり、そこからこぎみいいさんがメロディーを付けるという手法を採られていますが、トラックは最初からこうしたロック的なサウンドだったのでしょうか?
ここみらい そうですね。でも、ニノミヤさんが話されていたように、お会いしてからピアノを入れてストリングスを強めたので、当初の方がもっとロックでスカッとした曲になっていました。
こぎみいい ニノミヤさんとお会いしてみて、そうしたロックな感じだけじゃない“儚さ”があるなと感じたので調整しました。他には、間奏部分も変わりましたね。
ここみらい 間奏は部屋で1人、孤独に自分のことをぐるぐる考えている光景を想像して書きました。感情が渦巻き、最後には「ギャーン」というピアノの音とともに爆発するイメージです。
こぎみいい この曲で唯一強がっている部分ですね。間奏で強がってみたけど、ピアノの不協和音が鳴ることによって、現実にまた引っ込んでしまうっていう。
ニノミヤユイ お二人がおっしゃられたように、間奏で感情が高まるDメロからラスサビあたりは本当に歌っていて楽しいし、一番の見せ場だなと感じますね。
最強の難曲に立ち向かうニノミヤユイ
──しかし、歌うのがかなり難しそうな曲という印象ですが、実際歌ってどのように感じられますか?ニノミヤユイ 難しいですね。最初に聴かせてもらった時から「これ歌えるかな?」と不安になったので、レコーディングまでにめちゃくちゃ練習しました。とても強い曲なので、感情を込めて歌いたいと思うんですけど、感情を優先すると逆に口が回らなくなったり、そこのバランスが難しいですね。
──レコーディングにはバグベアのお二人も立ち会われたのでしょうか?
ここみらい こぎみがちょうど腰を痛めてしまったので私が立ち会わせてもらいました。自分たちでも難しい曲だとわかっているので、歌いこなせていてすごいなと思いました。それと、ニノミヤさんが真っ暗な部屋で歌っているのも印象的でしたね。
──真っ暗な部屋?
ニノミヤユイ ここまで世界観をつくり込んでいただいた楽曲なので、自分も負の感情を爆発させないと曲に負けてしまうと思ったんです。だから「雰囲気づくりから」と思い、スタジオの電気を最小限まで落として、ギリギリ歌詞が読めるか読めないかぐらいの感じで歌っていました。 ──これまで声優として歌ってきたキャラソンとは違う、自身の気持ちが反映された楽曲ですが、歌う側としてはやはり違いましたか?
ニノミヤユイ 技術的な面だと、歌詞をしっかりと聞き取れるようにハキハキと歌うキャラソンのやり方を当てはめるとポップになりすぎるという違いがありました。
マインド面では、自分の素に近いのでむしろ歌いやすかったです。ただ、歌自体はかなり難しいので、全然楽ではありませんでしたけど…!
こぎみいい 正直、「愛とか感情」は2019年の曲の中でも一番難しい曲じゃないかと思います(笑)。でも、最初にニノミヤさんが僕たちの作曲した曲をカラオケで歌っている録音を聞かせてもらって「かなり歌える人だな」と思っていたし、自分たちとしてもアイドルとは違うこともやりたくなっていたタイミングだったので、そんな気持ちを爆発させたかたちになりました。
ここみらい アイドルの方だとそれぞれのメンバーが歌えるようにキーを1.5オクターブくらいで抑えるんですけど、声優さんは歌が上手い方が多いから1.9くらいまでやっても歌えるので、かなり自由につくらせてもらいました。
こぎみいい 鬼気迫る感を出すために音が押し寄せてくるようにつくり上げたので、良い感じに自分でかけ合いにして、かっこ良く歌って欲しいです。
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イベント情報
【追加公演】ニノミヤユイ 1st LIVE「愛とか死、或いは名もない感情からの逃避」大阪公演
- 開場日時
- 2020年4月11日(土) 開場 16:30 開演 17:00
- 会場
- 梅田Zeela(大阪府大阪市北区堂山町1-5)
- チケット
- 一般先行抽選販売を受付中 ※2月17日(月)23:59まで
- https://t.livepocket.jp/e/ninomiyayui_1stlive_osaka
関連リンク
照沼健太
Editor / Writer / Photographer
編集者/ライター/カメラマン。MTV Japan、Web制作会社を経て、独立。2014年よりユニバーサルミュージック運営による音楽メディア「AMP」の編集長を務め、現在は音楽・カルチャー・広告等の分野におけるコンテンツ制作全般において活動を行っている。ブログメディア「SATYOUTH.COM」を運営中。
http://satyouth.com
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