個性あふれるキャラクター、著名MC陣による本格的な作詞・作曲、中毒性の高いMVなどから人気に火がついた「ヒプノシスマイク」(ヒプマイ)。
6月からはユーザー参加型の企画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Battle Season」が開幕。CDやグッズの購入で手に入る「バトルカード」からユーザーが各ディビジョンに投票することで、試合の勝敗が決まるというものだ。
8月8日に行われた中間発表では、イケブクロvsヨコハマのバトルはイケブクロがわずかに優勢、シブヤvsシンジュクのバトルは4000票差をつけてシンジュクがリードしていた。
ヒプノシスマイクとの出会い
イケブクロ/ヨコハマ/シンジュク/シブヤと4つのディビジョン(チーム)に分かれており、ラップバトルを通して領土争いを行っているという舞台設定だ。
各ディビジョンのリーダーは木村昴さん、浅沼晋太郎さん、速水奨さん、白井悠介さんが演じるキャラクターがつとめる。
多くのファンと同様、筆者もまた、ヒプノシスマイクに魅了されているうちの1人である。出会いはとあるイベントだった。
一度聴いただけで耳から離れなくなるような音楽、その場の誰もが熱狂している様子を見て興味がわいた筆者は帰り道に曲をダウンロード。それからはすっかりヒプマイの虜になってしまった。
今回、「Battle Season」の勝敗を決める本イベントが開催。たまらず現地に足を運んだ筆者がヒプノシスマイクのライブをレポートにてお届けする。
当日は最高気温35度以上を記録した猛暑日だったが、中でもここが日本で1番熱い場所だったに違いない。
取材・文:俗・ナナコ 撮影:粂井健太
オリジナルカラーを放つ各ディビジョン
18時の開演に先立って流れだしたのはイケブクロ・ディビジョンのBuster Bros!!!による「IKEBUKURO WEST GAME PARK」。木村昴さん(山田一郎役)からラップに乗せてライブ中のマナーがアナウンスされる。
声優陣が登場すると、木村昴さんから「盛り上がっていってくれ! みんな手上げろ!」と声が掛かり、いよいよライブがスタート。
5月に発表された「ヒプノシスマイク –Division Battle Anthem-」からはじまり、「ヒプノシスマイク –Division Rap Battle-」とアンセムソングが続く。
パフォーマンスはもちろん、舞台演出やスクリーンに映し出されるカメラのカット割りも素晴らしかった。繰り返し見たアンセムソングのMVの構図や表現が会場全体で再現されている。
「二次元と三次元が交差した」と感動を覚える瞬間だった。
イケブクロvsヨコハマ
バトルで先頭を切ったのはBuster Bros!!!の3人によるパフォーマンス。石谷春貴さん(山田二郎 役)による「センセンフコク」は先鋒にぴったりの選曲。石谷春貴さん
天﨑滉平さん
最後の曲「IKEBUKURO WEST GAME PARK」は、身振り手振りをまじえ、ひとりひとりが楽しみながらラップをしているのが伝わってきた。
木村昴さん
神尾晋一郎さん(毒島メイソン理鶯 役)が歌う「What’s My Name?」は繰り返されるコール&レスポンスが特徴。
神尾晋一郎さん
会場がゆったりとした空気に包まれる中、駒田航さんが浅沼晋太郎さんに電子タバコでシガーキスをする演出が発生。
裏社会で生きる男たちが寄り添い合うヨコハマ・ディビジョンならではのアダルティな演出にオーディエンスからはこの日一番の悲鳴が上がる。
会場の異様な空気をよそに涼し気な表情で電子タバコをくゆらせる2人を見て、筆者も思わず「ずるい……!」と声が漏れてしまった。
浅沼晋太郎さん
イケブクロ・ディビジョンが再登場すると、Buster Bros!!! vs MAD TRIGGER CREWの曲「WAR WAR WAR」を披露。
特に両ディビジョンの3番手である天﨑さんと神尾さんのにらみ合いは、お互いの額が触れ合うほど激しく、見ている側にも緊張感が伝わる。
左から天﨑滉平さんさんと神尾晋一郎さん
シブヤvsシンジュク
シブヤ・ディビジョンのFling Posseによるパフォーマンスは、野津山幸宏さん(有栖川帝統 役)が歌う「3$EVEN」からはじまる。軽やかにラップを繰り出しながら「フリースタイルやってみようか」と即興でラップを差し込む。野津山幸宏さん
白井悠介さん
最後には、どこからか取り出したセルフィースティックで自撮りを試みる白井悠介さん。
しかし時間が来てしまい「あ、あ、あ~~~!!…また今度(笑)」と言って下がっていく姿は、ポップで自由なシブヤ・ディビジョンの色を物語っていた。
続いてはシンジュク・ディビジョンの麻天狼が登場。
木島隆一さん(伊弉冉一二三 役)による「シャンパンゴールド」で会場全体が一二三のホストクラブになったかのようなグルーヴ感に包まれる。
木島隆一さん
伊東健人さん
神々しいまでのパフォーマンスだった。
速水奨さん
FlingPosseと麻天狼
たかはし智秋も登場
全ディビジョンとゲスト2人のパフォーマンスが終了し、再びステージ上にキャストが集合。木村昴さんがMCとなり、3誌同時でのコミカライズ連載スタートやTANITAとのコラボ、サンリオとのコラボの3つのお知らせが発表された。1stバトルでは、131票という僅差でMAD TRIGGER CREWが決勝進出。2ndバトルでは、麻天狼は5000票差をつけて勝利し、決勝進出を果たした。
肩を組んで喜び合うディビジョンや静かに肩を落とすディビジョン、また客席には涙を流すファンの姿も多数見られる。
MCの木村昴さんが決勝進出したディビジョンのリーダーにコメントを求めると、浅沼晋太郎さんは「正直イケブクロが勝たなくてどうするって思ってました。昴(木村昴)はこのヒプノシスマイクというコンテンツを引っ張ってくれました。でも勝っちゃったからには死ぬ気で頑張ります。Buster Bros!!!ありがとう、お前らの想いも持っていくぜ!」と話した。
ヒップホップに人生変えられて、ここまでやってきた。
クロージングにあたってリーダーから一言ずつコメント。速水奨さんは「死ぬ気でやれば死なないことがわかった。今日はビール3杯は飲みたい」とコメント、白井悠介さんは「僕たちに勝ったんだから頑張ってもらわないとね。でも心残りがあるから……みんなで自撮りしよう!」とセルフィースティックで会場のオーディエンスとの記念撮影を行った。
木村昴さんも「ヒップホップに人生変えられて、ここまでやってきた。こんなにたくさんの人がヒップホップを知ってくれて嬉しい。ヒップホップは本当に面白い! 悔しいのも嬉しいのもヒップホップ、ヒップホップはライフスタイルだから。Buster Bros!!!を応援してくれてありがとう!」と熱い思いを爆発させる。
左からEGOさん、KEN THE 390さん
終了後も涙ながらに語り合う来場者の姿を見て、「ヒプノシスマイク」はラッププロジェクトでありながらドラマ的な魅力があると感じた。
出演者とファンがひとつになって初めて完成するテリトリーバトル。投票の結果によって曲はおろか物語さえも進化していくというのは、参加する人間全員の気持ちをエモーショナルに巻き取っていくとてつもないプロジェクトだ。
シナリオが定められている作品とは異なり予測が不可能、だからこそ面白いと言える。
この先にどんな展開が待っているのか目が離せない。
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