強い女の生き様を描いた上村一夫
今回の展示では、昭和の絵師と呼ばれた上村一夫が描き続けた女の強さと哀しさを「血とエレジー」というテーマで展開。 ドロドロとした女の情念、置かれた環境に流されない逞しさ、強い女の生き様。数々の名作に描かれた情感溢れる世界が味わえる。展示初日は昭和歌謡における稀代のヒットメーカー・阿久悠と上村一夫による幻の漫画作品『人喰い』の単行本の発売日。期間中は会場であるnostos booksで購入できる。
購入者先着30名には上村一夫ポスターがプレゼントされる。
『人喰い』は、互いに天才と認め合い生涯の友だった2人が、1971年に描いた異色漫画。芸能界で勝ち残るために他者を喰いつくしていく一人の女を、作詞家として業界に名を馳せた阿久が斬り込み、上村が艶のある筆致で華を添えた、刺激的かつ隠れた名作だ。
新作オリジナルアイテムは活版印刷カード
展覧会の開催に合わせてオリジナルアイテムを販売。 1977年1月から1980年9月までの期間、スポーツニッポン日曜版に連載されていた上村一夫の挿絵入りコラム「浮世絵」シリーズからイラストを厳選。活版印刷カード5種類を制作した。 会場では、これら「浮世絵」シリーズの原画も展示される。明日からスタートする上村一夫原画展「血とエレジー」に合わせてノストスオリジナルの活版印刷カードを作りました!制作秘話をどうぞ!https://t.co/t1AZ0W8QP2
— nostos books (@nostos_books) 2018年6月11日
コラージュ作家・石井利佳による上村一夫コラージュも
さらに、nostos books店長でありコラージュ作家でもある石井利佳が、上村一夫作品を使って新たにコラージュ作品を発表。 石井は、英国ダブの雄エイドリアン・シャーウッドのレコードジャケットや、フルカワミキのCDジャケット、銀座線リニューアルCMのコラージュ作品などを手がけてているアーティスト。上村一夫作品をモチーフにどんな作品を生み出すのか、イベントのスタートを楽しみに待ちたい。
なお、展示に合わせた古書も厳選して展開。上村一夫の作品に触れ、作品世界を深める機会になりそうだ。
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イベント情報
上村一夫原画展「血とエレジー」
- 期間
- 2018年6月12日(火)〜7月1日(日)
- 会場
- nostos books 東京都世田谷区世田谷4-2-12
- 時間
- 12:00~19:00 水曜定休
- 電話
- 03-5799-7982
【上村一夫(かみむらかずお)プロフィール】
1940年(昭和15年)3月7日、神奈川県横須賀市生まれ。 1962年(昭和37年)、武蔵野美術大学デザイン科卒業。 同年、広告代理店・宣弘社入社。 イラストレーターとして広告制作に携わるが、同社員の阿久悠氏と知り合ったことから、劇画の世界に入る。
1967年(昭和42年)、『月刊タウン』創刊号「カワイコ小百合ちゃんの堕落」でデビュー。翌年、『平凡パンチ』連載の「パラダ』(原作・阿久悠)で本格的に劇画進出。以後、「同棲時代」、「修羅雪姫」(原作・小池一夫)、「しなの川」(原作・岡崎英生)など叙情的な名作を次々と発表。
特に「同棲時代」は"劇画史に一時代を画した"と評されるヒット作品となった。また、その流麗な筆画から"昭和の絵師"と称され、月産400枚の原稿を手掛ける多忙さを極めた。
1985年11月、下咽頭腫瘍で入院。 翌1986年(昭和61年)1月11日、逝去。享年45歳。2017年にはフランスのアングレーム国際漫画祭で遺作賞を受賞。
https://kamimurakazuo.com/
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山田友佳里
1990年4月22日午年、金沢出身。ギリ平成生まれのデジタルネイティブ、アート・デザイン系古本屋 nostos booksを拠点にしながらカレーを作り続けるフリーランス編集者。実は理工系。毎週金曜に松陰神社前でカレーを出しています。
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