ストリートで今何が? ラップの格闘技「戦極MCBATTLE」試合レポ 後編

BEST4! エンターテインメントとバチバチと火花を散らす真逆の2戦

DOTAMA vs MC松島

左からMC松島さん、DOTAMAさん

ガンジースタイルMC松島は、バトル序盤から「ここからは週刊少年ジャンプMCバトルやろうぜ」と宣言し、会場を一気に沸かす。

DOTAMAも相手の懐に飛び込み、MC松島が宣言した週刊少年ジャンプに絡めたラインで勝負に臨む。

MC松島が「SDならばジャンクスタも良いけど、やっぱりスラムダンク!」と言えば、DOTAMAは「山王の深津ばりに冷静沈着!」とアンサー。さらに「これがアメリカ人には出来ない日本語で作る日本語MCバトルの最終進化形態!」と、会場を沸かすMC松島。非常にバトル愛に溢れる試合だった。

お互いのテクニックがぶつかり合う中、決め手となったのはDOTAMAが放った「あんたは所詮Twitter芸人ラッパー〜俺はフリーザ、セル、魔人ブーみたいに強く進化!」というパンチラインだろう。

MC松島も「だったら俺は鳥山明!すべてを作る男!」とつまづきながらもアンサーし、いい味が出ていた。しかし勝者はDOTAMA! エンターテインメント性の強い試合で今大会を盛り上げたMC松島。今後も目が離せないMCであるのは間違いないだろう。
SIMON JAP vs Mr.Smile

左からMr.Smileさん、SIMON JAPさん

この日最も火花が散った一戦。先攻のSIMON JAPが「お前は空回り〜この試合は肩ならし〜お前は単なる玉無し」の連続ライムでスタートダッシュを切る。決勝で待っている対戦相手が因縁のDOTAMAのためか、より一層気合いが入っているようだった。

後攻のMr.Smileは、SIMON JAPに全く物怖じする事無く、SIMON JAPのバックグランドをディスる爆弾を投下。最終バースでは、「意気がるな!→死にますか?」というSIMON JAPPのパンチラインにも、「脅せば俺が負けるとでも思ってんのか!」と痛烈なカウンターを。判定は五分五分となり、痛み分けで延長戦へ。

延長戦では、若手とベテラン両方の言い分が衝突。Mr.Smileは「客向いて逃げの一手か?〜この野郎しか言えねぇなら消えろ!」と追撃&挑発。しかし、勝負慣れしているSIMON JAPは「チョークスリーパー〜成仏しな」と余裕を見せながら次々とラインを吐き出し、見事SIMON JAPに軍配が上がった。

Mr.Smileは、ここで負けはしたが、確実に今大会のダークホースだった。もっと言えば、Mr.Smileの過激なラップが、今大会の1つの流れを生み出したといっても過言ではない。今後の活躍が非常に楽しみだ。

【次のページ】決勝戦! 優勝は誰だ!?
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