ストリートで今何が? ラップの格闘技「戦極MCBATTLE」試合レポ 後編

ストリートで今何が? ラップの格闘技「戦極MCBATTLE」試合レポ 後編
ストリートで今何が? ラップの格闘技「戦極MCBATTLE」試合レポ 後編

DOTAMA vs SIMON JAP 左からSIMON JAPさん、DOTAMAさん

「BAZOOKA!!!高校生 RAP 選手権」を起爆剤に、若者の間でブームが起きているMCバトル! MCバトルでは、ラッパー同士が即興でラップをするフリースタイルで、互いのプライドをかけて、熾烈な戦いが繰り広げられる。

国内には、「ULTIMATE MC BATTLE」をはじめ、多数のMCバトルの大会が存在する。その中でも、今最も注目を集めているのが「戦極MCBATTLE」だ。「戦極MCBATTLE」は、YouTubeやニコニコ動画での配信、さらにはSNSでのプロモーションなど、インターネットを活用した、類を見ないアプローチでHIPHOPファンのみならず、多方面から支持を集め、急速に規模を拡大させている。

今回はそんな「戦極MCBATTLE」の、4月12日・13日と2日間に分けて渋谷で開催された「戦極MCBATTLE第9章 -2Days春祭2014-」本戦ROUNDの模様を、前編後編の2つの記事にわけてお伝えしていく。

主催のMC正社員さんと戦極MCBATTLEスタッフのLさんにベストバウト(最高の試合)を選んでもらい、試合ごとのレポートを綴ってもらった。

会社員を辞め、数多くのMCバトルの大会を主催し、自身もサイファーへ参加するなど、MCバトルにすべてを捧げる男と、スタッフとしてMC正社員さんを支えるLさんの語る言葉で、バトルに参加したMCたちの熱量を感じ取ってもらえれば幸いだ。

この記事ではBEST8、BEST4、そして、決勝戦の白熱したバトルの様子をお伝えしていく。BEST32、BEST16の様子は、下記の関連記事にある前編よりお読みいただける。
関連記事
ストリートで今何が? ラップの格闘技「戦極MCBATTLE」試合レポ 前編

BEST32、BEST16での激闘

「戦極MCBATTLE」では、審査員などはおらず、オーディエンスの反応のみによって勝敗が決められる。五分五分で判定が難しい場合は、延長戦という形が取られる。

BEST32、BEST16の試合では、「HIDADDY vs DOTAMA」、「Jinmenusagi vs 1horse」、「CIMA vs スナフキン」、「ERONE vs 龍道」など、因縁のリベンジマッチや、若手とベテランによるぶつかり合いなど、熾烈なバトルが繰り広げられた。

特にBEST16の「SIMON JAP vs GIL」では、2度にわたる延長戦にまでもつれこみ、非常に緊張感漂う試合となった。

では、ここからはMC正社員さんとLさんが選んだBEST8のベストバウトと、BEST4、そして決勝戦のアツいバトルレポートをご覧いただきたい。

BEST8 BEST BOUT! DOTAMA vs ガッティ、Mr.Smile vs mol53

第一試合 DOTAMA vs ガッティ

左からDOTAMAさん、ガッティさん

BEST8第1試合は、奇しくも関東のMCバトル強者同士の対決となった。先攻のDOTAMAは、気迫のこもったバースをいきなり展開する。それに応えるかのように、熱いメッセージを送る後攻のガッティ。試合が動いたのは3バース目のガッティが放った「DOTAMAお前客の方向いてラップし過ぎ〜年末R指定に負けたのはそのせいじゃないか?」というパンチラインだろう。

これにはオーディエンスが大いに沸いたが、DOTAMAには禁句だったのかもしれない。最終バースでDOTAMAは「俺はキャリア、音楽全部背負ってる!」というパンチラインを立て続けに吐き出す。

さらに終いには、「客の方向き過ぎ?じゃあ、飽きてきたから俺はあんたの後ろ向いて話す!」とガッティに背を向けラップするDOTAMA。MCバトルの概念を壊しながら戦う姿は、まさしくB-BOYそのものだった。

その後、ガッティが「トマッテタマッカ〜負けてたまっか!」、「GOCCIの分も俺は背負う」「レペゼンM.I.T.O.黄金郷の残党!」などガッティにしか出せない意地の一撃を繰り出すが、一歩及ばず。勝者DOTAMA
第四試合 mol53 vs Mr.Smile

左からMr.Smileさん、mol53さん

BEST8第4試合。優勝候補のmol53と対戦するのは、ここに来て一気に存在感が増してきた、予選勝ち上がり組のMr.Smileだ。

先攻のmol53は1バース目から「お前速攻ゴミ箱に行く」、「若手の下克上スタイルはスキルが伴ってねぇ!」とMr.Smileどころか、下克上スタイルを売りにする若手MC達を全面否定。

それに対して後攻のMr.Smileは、「お前はハッタリだけ?〜それじゃガッカリだぜ!」と牽制。さらに「名前が売れてる本物なら、ライブでリリック忘れねぇはず!」と先ほどのmol53のライブトラブルに対して厳しく追及。

この後、お互いが噓をついているといった言い合いになり、膠着状態へ。最終的に、mol53の最終バースでMPCの生演奏がズレるというトラブルが発生し、それを引き合いに出したmol53に対して、「MPCのせいにすんな」と言い放ったMr.Smileに軍配が上がった。

トラブルすらも味方にしたMr.Smileの大金星! mol53は敗退こそしたものの、実に尖っていた…… 握手もしないところも実に彼らしくよかった。

【次のページ】いよいよBEST4の2戦! DOTAMA vs MC松島、SIMON JAP vs Mr.Smile
1
2
3

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

音楽・映像の週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ