2017年、あるサウンドがJ-POPシーンを席巻した。
「Future Bass(フューチャーベース)」と呼ばれるそのジャンルは、Perfumeの「If you wanna」、w-inds.の「Time Has Gone」などさまざまなメジャーアーティストが導入。なかでも三浦大知さんの「EXCITE」は日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞し、紅白歌合戦でも披露されるなど、まさに一躍脚光を浴びた形だ。 そして、そんなジャンルの発展に貢献し、SkrillexやDiploなど海外のメジャーアーティストたちからも厚い支持を得るレーベルが今回取材した「TREKKIE TRAX」だ。
これまで渋谷のクラブで行ってきたパーティを中心に、世界各地でもDJプレイを繰り広げてきた彼らだが、上述した「EXCITE」の作曲は同レーベルを主宰する一人・Carpainter(Taimei)が担当。名実ともにいよいよポップシーンの最前線へと踊りだした。
結成から5年を迎えたTREKKIE TRAX。これまでの活動、そして音楽シーンを振り返りながら、今後の展望を語ってもらった。
取材・文:ふじきりょうすけ 写真:山下智也、市村岬
futatsuki 一番下はCarpainterで23歳ですね。andrewは24歳で、Seimeiが25歳で……僕は実は今年で30歳です。
──5年経った今でもまだまだ若いんですけど、初期は特に同世代の方たちとの関わりが多かったですよね。
andrew 自分たちが未成年だったので、未成年が曲を出してパーティをするレーベルだ、と。ほかに決まってたのは当時のネットレーベルで流行っていたアニメの二次創作的なリミックスは出さない……というくらい。
当時はネットレーベルが乱立していた時期だったんで、よそと同じことはやらないようにしてましたね。
──そこから年齢的にもジャンルも本当に幅が広がりましたよね。
andrew 俺らが20歳を超えたぐらいからですね。未成年という縛りも結局1、2年活動してたら俺たちが未成年ではなくなるし、20代になってからは気兼ねなくクラブに行けるようになったから。
Carpainter (昼のイベントもあるので)違法で行っていたわけではないですけど(笑)。はじめは周りがほぼ未成年だったので、知り合いの曲を出していると自然とそうなってた。
futatsuki 未成年、という枠を払った最初のリリースはThe Ohmくんの『Gorilla EP』ですね。 Seimei それまではSoundCloudとかでいい人を見つけても「ちょっと年上だね?」って話とかをしてたんだけど。クラブに行けるようになって人と会って、直接デモをもらうようになっていって変わっていったんです。
Carpainter いや、徐々に変化してきた感じですね。
Seimei フィンランドの「Top Billin」っていう──Dillon FrancisとかDiploが最初の頃からいた登竜門的なレーベルがあって。
そこから2014年頃にTREKKIE TRAXのコンピレーションをやらないかっていう話をもらって速攻で2枚出したんですよ。そしたら、1枚目の時点で海外のメディアが取り上げてくれて。
最近よく記事を掲載してくれている「NEST HQ」もTop Billinから知ってくれたんです。
──NEST HQはSkrillexのレーベルだけあって、逆輸入的に日本でも注目度が上がっていった印象です。
Seimei そしてMasayoshi Iimoriの名前がちょっとずつ知られていくのにリンクしていく。そのあたりから彼のリリースやリミックスがレーベルでも増えていきましたね。 ──「ULTRA JAPAN」へも出演していたり、日本人として初めてNEST HQで特集が組まれ、その後もリリースしているMasayoshi IimoriさんはTREKKIE TRAXでも特に重要なアーティストの1人ですね。なぜ彼はここまでの注目を集めたんでしょうか?
Seimei 彼がつくっている音楽がトラップだったりベースミュージックだったり、アメリカで人気のあるジャンルと一致していたからかな。
そして彼の独自性。さっき挙げたジャンルは、アメリカのトラックメイカーの大半がブラックミュージックをルーツにしているのですが、Masayoshi Iimoriはそういうのがあんまりなくて。日本の音ゲーだったり、レイブミュージックだったり、彼らとは違ったものがルーツにある。
その影響を色濃く残しながらアメリカ人が好きなトラップをつくるから、流行にはマッチしてるんだけど向こうにはないスタイルだったから注目されたんだと思います。Masayoshi Iimori - Hardcore
andrew あとはブートレグも向こうのアーティストはヒップホップがほとんどなんですが、彼はエレクトロハウスをサンプリングしたり。それとは別で、初期はナードコア的なアプローチの楽曲もつくっていた。彼のバックグラウンドがアメリカ人には到底ないものだったから。
futatsuki TREKKIE TRAXも海外で活動をしはじめていたから、お互いのタイミングがマッチした形ですね。
「Future Bass(フューチャーベース)」と呼ばれるそのジャンルは、Perfumeの「If you wanna」、w-inds.の「Time Has Gone」などさまざまなメジャーアーティストが導入。なかでも三浦大知さんの「EXCITE」は日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞し、紅白歌合戦でも披露されるなど、まさに一躍脚光を浴びた形だ。 そして、そんなジャンルの発展に貢献し、SkrillexやDiploなど海外のメジャーアーティストたちからも厚い支持を得るレーベルが今回取材した「TREKKIE TRAX」だ。
これまで渋谷のクラブで行ってきたパーティを中心に、世界各地でもDJプレイを繰り広げてきた彼らだが、上述した「EXCITE」の作曲は同レーベルを主宰する一人・Carpainter(Taimei)が担当。名実ともにいよいよポップシーンの最前線へと踊りだした。
結成から5年を迎えたTREKKIE TRAX。これまでの活動、そして音楽シーンを振り返りながら、今後の展望を語ってもらった。
取材・文:ふじきりょうすけ 写真:山下智也、市村岬
TREKKIE TRAXの5年
──TREKKIE TRAXは皆さんが10代の頃に結成されたレーベルでしたよね。今おいくつになられたんですか?futatsuki 一番下はCarpainterで23歳ですね。andrewは24歳で、Seimeiが25歳で……僕は実は今年で30歳です。
──5年経った今でもまだまだ若いんですけど、初期は特に同世代の方たちとの関わりが多かったですよね。
andrew 自分たちが未成年だったので、未成年が曲を出してパーティをするレーベルだ、と。ほかに決まってたのは当時のネットレーベルで流行っていたアニメの二次創作的なリミックスは出さない……というくらい。
当時はネットレーベルが乱立していた時期だったんで、よそと同じことはやらないようにしてましたね。
──そこから年齢的にもジャンルも本当に幅が広がりましたよね。
andrew 俺らが20歳を超えたぐらいからですね。未成年という縛りも結局1、2年活動してたら俺たちが未成年ではなくなるし、20代になってからは気兼ねなくクラブに行けるようになったから。
Carpainter (昼のイベントもあるので)違法で行っていたわけではないですけど(笑)。はじめは周りがほぼ未成年だったので、知り合いの曲を出していると自然とそうなってた。
futatsuki 未成年、という枠を払った最初のリリースはThe Ohmくんの『Gorilla EP』ですね。 Seimei それまではSoundCloudとかでいい人を見つけても「ちょっと年上だね?」って話とかをしてたんだけど。クラブに行けるようになって人と会って、直接デモをもらうようになっていって変わっていったんです。
海外への進出とMasayoshi Iimori
──現在のTREKKIE TRAXはリリースの傾向からも海外志向がかなり強いレーベルだと思います。早い段階からその構想はあったんでしょうか。Carpainter いや、徐々に変化してきた感じですね。
Seimei フィンランドの「Top Billin」っていう──Dillon FrancisとかDiploが最初の頃からいた登竜門的なレーベルがあって。
そこから2014年頃にTREKKIE TRAXのコンピレーションをやらないかっていう話をもらって速攻で2枚出したんですよ。そしたら、1枚目の時点で海外のメディアが取り上げてくれて。
最近よく記事を掲載してくれている「NEST HQ」もTop Billinから知ってくれたんです。
──NEST HQはSkrillexのレーベルだけあって、逆輸入的に日本でも注目度が上がっていった印象です。
Seimei そしてMasayoshi Iimoriの名前がちょっとずつ知られていくのにリンクしていく。そのあたりから彼のリリースやリミックスがレーベルでも増えていきましたね。 ──「ULTRA JAPAN」へも出演していたり、日本人として初めてNEST HQで特集が組まれ、その後もリリースしているMasayoshi IimoriさんはTREKKIE TRAXでも特に重要なアーティストの1人ですね。なぜ彼はここまでの注目を集めたんでしょうか?
Seimei 彼がつくっている音楽がトラップだったりベースミュージックだったり、アメリカで人気のあるジャンルと一致していたからかな。
そして彼の独自性。さっき挙げたジャンルは、アメリカのトラックメイカーの大半がブラックミュージックをルーツにしているのですが、Masayoshi Iimoriはそういうのがあんまりなくて。日本の音ゲーだったり、レイブミュージックだったり、彼らとは違ったものがルーツにある。
その影響を色濃く残しながらアメリカ人が好きなトラップをつくるから、流行にはマッチしてるんだけど向こうにはないスタイルだったから注目されたんだと思います。
futatsuki TREKKIE TRAXも海外で活動をしはじめていたから、お互いのタイミングがマッチした形ですね。
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イベント情報
TREKKIE TRAX 5th Anniversary Party in Tokyo
- 日時
- 2018年2月3日 (土) 23:00 ~
- 場所
- club asia
- DOOR
- 3500円(1D別)
- 前売
- 3000円(1D別)
関連リンク
TREKKIE
インディペンデントレーベル
TREKKIE TRAXは2012年に日本の若手DJが中心となり発足したインディーレーベルである。
これまでのテンプレートに囚われない様々な音楽を世界に向けて発信することを指針とし、全国各地で活動しているトラックメーカーとともに楽曲リリースを行っている。
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