TREKKIE TRAXインタビュー 「物語が最高のパーティをつくる」

J-POPを席巻した「EXCITE」

──少し話が変わるんですが、仮面ライダーの主題歌にもなった三浦大知さんの「EXCITE」は紅白でも披露されるなど、2017年のヒット曲となりましたよね。こういったダンスミュージックの人気が再燃しているような気がしていて。

futatsuki 流行を辿ると、アメリカでダンスミュージックを基礎としたポップスがトレンドになっていて。それを日本でもブレンドしないとね、みたいなことがメジャーアーティストの楽曲を聞いていても随分増えましたよね。

そこでダブステップやフューチャーベースとかのダンスミュージックでJ-POPをつくることがだんだん浸透してきた。その結果、今そういう新しい音楽をつくれるトラックメイカーは? ってなった時に僕たちに声がかかったと思うんです。

Seimei 僕たちとしても、こういう歌モノのプロデュースを増やしてしていきたい。例えば、「EXCITE」でもジャージークラブのビートを入れてたりして、僕らの大好きなコアなダンスミュージックがつくれてるわけなんですね。

仮にメジャーの曲を増やしていくことに「セルアウトだ」みたいな批判があったとしても──僕らはそういうポップスのフィールドでもやりたいと思ってる。メジャーっていうフィールドも新しい音楽を取り入れる方向になっていくと思うから。
三浦大知「EXCITE」
Carpainter 「EXCITE」も最初はBPM160のサイケトランスみたいな感じでつくったりはしてたんだけど……(笑)。そこに三浦大知さんの編曲を担当しているUTAさんが、R&Bっぽい質感やゲームミュージックっぽいピコピコ音みたいなものをいれてくれたりして。

そこまでやっちゃうんだ! みたいな。「新しい音使いをして行こう」みたいな気持ちは僕が想像していた以上でしたね。

──Perfumeの「if you wanna」がフューチャーベースです! ってニュースで紹介されたのは衝撃でした。

Carpainter 凄いことだけど順当でもあるよね? ダブステップも出てきて2年後くらいに日本のポップス界で使われだして。フューチャーベースも僕たちのシーンだと2年前くらいには盛り上がってたから。

andrew 日本は消費者に合わせていた部分もあってそのペースが若干遅く感じることもあったんだけど…、だんだん新しい音楽を取り入れていく方向性になってきてるんじゃないかな。その結果としてCarpainterを起用したら面白いんじゃって話が出てきたんだと思う。

futatsuki アメリカとかでも、突然僕たちがよく聞いていたトラックメイカーが有名なアーティストのプロデュースしていたりするんですよ。たぶんそれって、今面白いサウンドをつくっている人たちをオーバーグラウンドにあげて行こうとかではなく、良い音楽をつくれる人と一緒に制作したらもっと面白い楽曲がつくれるっしょみたいな。

それこそCashmere Catが Ariana Grandeをフィーチャーするとか。ポップスの最先端にいる人たちが本来アンダーグラウンドで活動している人たちをしっかり使ってる。マーケット的に売れるとかじゃなくて、ヤバい音楽できるんじゃない? ってテンションだと思うんですよね。その結果、新しいポップスの流れができてきてるんだと思います。
Cashmere Cat - Adore (Audio) ft. Ariana Grande
──アメリカ、ヨーロッパってヒット曲のリミックス文化が強くて、多さも速さも桁違いじゃないですか。それは日本よりもクラブが日常的にあるからだと思うんですけど、近いことが日本でも少しずつ。

Carpainter それこそ「EXCITE」のリミキサーを選ばせてもらう時も普通にクラブでかけられるくらいの人にしたいと強めに言ってましたね。その当時のフューチャーベースっていうトレンドをできる人に頼みたいって。

──仮面ライダーのCDにQuarta 330さんのリミックスが入っていたのはかなり驚いたんですが、そういう理由だったんですね…!

TREKKIE TRAXは家なんだよね

──レーベルとしての展望を聞かせていただけますか?

futatsuki 2軸にわかれているんですけど、CarpainterやMasayoshi Iimoriみたいなある程度実績のあるアーティストは、それこそもっとマスに向けた音楽をつくらせてみたいですね。

彼らは自分たちの音楽をある程度やり切ってる。だからその先目指さないといけなくなると、ポップスっていうのも面白そうですし。

andrew あとは日本人のリリースをもっとしたいって話が出てくるんじゃないかなと……(笑)。

というのも俺らより出て間もない子たちをCarpainterとかMasayoshi Iimoriレベルに育てたいというか……密にコミュニケーションをとれるのは国内のアーティストだし、海外と対等にという意味でも、そういった部分にもっと力もいれていきたいですね。 ──2年ほど前にMaltineのtomadさんに取材した際、レーベルが注目されたことで中々2枚目を出してくれるアーティストがいないのが悩みだ、という話をされてたんです。アーティストと一緒に成長したいというところがTREKKIE TRAXの核なんですね。

futatsuki 一応僕たちは、最近リリースしているアーティストとは「最初の2枚はTREKKIE TRAXからリリースしてね」といっています。契約ではなく口約束みたいなものですが…。

Seimei アメリカやイギリスの大きいレーベルだとよくあることなんですけどね。

andrew だからといって契約で縛ってるって意味ではなくて「そこまでサポートしますよ」って言う意味だから。海外レーベルにプロモーションもするし、俺らにしかできないことがあるんで。

futatsuki 結局2枚出す、とかいう話はしつつも…最後までTREKKIE TRAXでやってくれる人は誰かな?っていう部分が重要になってくるんです。だから日本人のリリースが少なくなってる。

──それはレーベルカラーが強くなったから?

futatsuki 5年間やってきて、TREKKIE TRAXからリリースするとある程度どうなるかわかってきたと思うんです。これまで無名だったアーティストがどんどんDJのオファーが来たり、それこそ出演料が上がったり(笑)

その結果、アーティストのブランディングのためにTREKKIE TRAXからリリースしたい!みたいな話も増えてきて……。

でも僕らってさっきも言った通り無償で労力を提供してるんで、やるんだったらビジネスじゃなくて友達のサポートをしたい

だからまずは友達になるところから始めましょうよって。

Carpainter こいつと友達になれるかなみたいなフィルターはある。

andrew 海外のアーティストにもTREKKIE TRAXがサポートしているアーティストなんだよ、って紹介するわけじゃないですか。離れちゃったら俺らが紹介する意味もないし、その人の今後の将来にとっても意味もないし……。

──親に彼女を紹介したのに、翌日別れるとか言われたら最悪……みたいな(笑)。

andrew 向こうの親御さんも悲しいでしょ! って(笑)。CarpainterもMasayoshiも結局一番仲がいいから一緒にやってこれてる。 Seimei Carpainterは俺から見たら身内(※実弟)だし…(笑)。

futatsuki そうですね。ストリートのクルーっぽく、信頼できる仲間を増やすことでレーベルを大きくしていく感じやってるんで。

──仲間との信頼関係こそが、TREKKIE TRAXのアイデンティティなんですね。

Seimei レーベルとしては相当濃いと思いますね。ガチガチのファミリーみたいな。インターネットでつながっている友達みたいなテンションじゃなくて、TREKKIE TRAXは家なんだよね。家族みたいなもんなんです。

5周年パーティへご招待!

今回はTREKKIE TRAXより、5周年パーティ「TREKKIE TRAX 5th Anniversary Party in Tokyo」へKAI-YOUの読者さまもご招待いただけることになりました!

こちらを抽選で2名さまにプレゼントさせていただきます。

応募条件はKAI-YOU公式アカウント(@KAI_YOU_ed)をフォローして、本記事をTwitterでシェアしていただいた方。応募締切は、2月2日(金)12時までです。

当選された方は、Twitterのダイレクトメッセージにてご連絡いたします。奮ってご応募ください!

※ゲスト名をいただき、当日ご入場いただけるようにいたします。チケットの郵送はございません。
※こちらの応募受付は終了いたしました。
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イベント情報

TREKKIE TRAX 5th Anniversary Party in Tokyo

日時
2018年2月3日 (土) 23:00 ~
場所
club asia
DOOR
3500円(1D別)
前売
3000円(1D別)

関連キーフレーズ

TREKKIE

インディペンデントレーベル

TREKKIE TRAXは2012年に日本の若手DJが中心となり発足したインディーレーベルである。
これまでのテンプレートに囚われない様々な音楽を世界に向けて発信することを指針とし、全国各地で活動しているトラックメーカーとともに楽曲リリースを行っている。

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