2009年5月のリリースから8年以上経過した現在も販売され続け、全世界での売上本数が1億2200万本を突破したという『Minecraft』(マインクラフト)。最近では、プログラミングの学習ツールとしても活用されるなど、ゲームとしてだけではない広がりも見せている。
『マインクラフト』の世界は、立方体のブロックで構築されており、そのブロックを破壊したり、設置したりできるのが特徴だ。エンディングは用意されているものの、基本的には自由に遊べるゲームである。
それは一方で、目的がわからず、どう遊べばいいのか迷うことも意味する。楽しみ方がわかりにくいゲームにも関わらず、ここまで普及したのにはYouTubeやニコニコ動画など動画配信サービスが一役買っていることだろう。よゐこのマイクラでサバイバル生活 第1回
2017年6月からはお笑い芸人・よゐこによる実況動画が任天堂の公式チャンネルYouTubeで公開され、高い人気を博した。そんな動画を見て、『マインクラフト』のおもしろさを知り、遊んでみたいと思った人はかなりいるはずだ。
それでは『マインクラフト』はいつ頃から日本で流行しはじめたのだろうか? 今回は、そのきっかけをつくったと言われる動画実況者の1人、ぬどんさんに直撃。当時の状況を振り返ってもらった。
取材、文:杉山大祐 編集、撮影:ふじきりょうすけ
ぬどん 僕が動画を公開した2010年11月時点で、ゲーマーたちの間で『マインクラフト』はすでに流行っていました。ただし現在とは違い、ゲームではなく、ブロックでさまざまなものをつくる3Dお絵かきツールとして遊ばれていたんです。
最初にリリースされたクラシック版は、ブロックを自由に組み立てる「クリエイティブモード」しかなかったので、そうした遊び方がほとんどでした。「マインクラフトで○○つくってみた」という動画が早い時期から公開されて、再生数を稼いでいた状況だったかと思います。
──そうだったのですね。当初はそんな遊び方で注目されていたことを知りませんでした。
ぬどん 『マインクラフト』の元ネタと言われている『Infiniminer』も同じ状況だったようです。自分たちの陣地でより多くの鉱石を採掘することが目的の対戦ゲームなだったのですが、陣地にあるブロックを組み立てて、何かをつくることのほうが面白かったようで。誰も対戦をしなくなってしまったそうです。Minecraft: Nintendo Switch Edition ローンチ トレーラー
ぬどん 『Infiniminer』でブロックで何かをつくる遊びが注目されていて、それ自体を目的としてつくられたのが『マインクラフト』でした。
個人的には、お絵かきツールとして遊ばれていた頃は、存在を知っていたものの、あまり興味を持てなかったです。遊ぼうと思ったのは、アルファ版が登場してからですね。
──アルファ版になって興味を持ったのは、どんな理由から?
ぬどん マインクラフトの世界を冒険する「サバイバルモード」が追加されたんです。正確には、アルファ版の前段階のIndev版に搭載されていたようですが、このモードは、夜になると、ゾンビなどのモンスターが襲ってくるんです。
ですが、当時はベッド(※1)が実装されておらず、復活地点を変更できなかったんです。なので、どんなに移動していても主人公が死んだらスタート地点に戻される点や、明かりを照らす松明の素材になる木炭もなかったので、石炭を探して採掘しなければならないことなど、現在よりもかなりハードなゲームでした。
モンスターに襲われるときは、ほとんどホラーゲームに近い緊張感でしたね。 ぬどん 夜が来るとモンスターに襲われてしまうので、主人公の身を守るために家をつくらないといけないんですね。
そうした身を守る行為が、家を建てるというクリエイティブに繋がるのがすごいなと感じました。 ぬどん しかも、「クリーパー」というモンスターは、主人公に近づくと、自爆してせっかく建てたものを破壊してしまうんです。プレイヤーがつくったものを理不尽に壊すなんて、当時はかなり衝撃的でした。
※1 ベッド…マインクラフト Beta 1.3より実装されたアイテム。設置して、夜に使用することで時間を朝までスキップできるほか、ベッドを設置した場所を復活地点に変更できる。
ぬどん どんどん親切になっています。例えば、現在のコンシューマー版は道具のレシピが表示されるので、いちいち調べなくてもよくなりましたね。万人向けになったのではないでしょうか。
もともとは、どんな素材をどのように組み合わせれば、目的の道具がつくられるのか、ゲーム内で知る機会はほとんどありませんでしたから。 ぬどん インターネットでレシピを調べる必要があった当初の『マインクラフト』は、チュートリアルなどで丁寧に説明されて、何も見ずに遊べて内容が理解できる他のゲームとは違って、かなりハードルが高い印象でした。
しかし、当時はそれを含めて楽しめました。『マインクラフト』が出る少し前、ニコニコ動画では、『I WANNA BE THE GUY』という「死にゲー」と呼ばれる高難易度ゲームの実況が話題になりました。
プレイヤーが失敗して死ぬ際のリアクションが面白くて、実況動画としても人気が高いコンテンツになったのです。さらに、フロム・ソフトウェアの『Demon's Souls』(デモンズソウル)(※2)が発売され、高難易度ゲームのプレイヤーや動画が増えました。
『マインクラフト』が流行しだしたのは、そんなハードな難易度のゲームが受け入れられやすいタイミングだったのではないでしょうか。
※2Demon's Souls…フロム・ソフトウェアが開発したプレイステーション3用アクションRPG。近年稀に見る難易度の高さで、主人公が死んでゲームオーバーになる頻度が多いことから「死にゲー」と呼ばれ、人気を博した。
ぬどん 「サバイバルモード」があんなに楽しいのに、お絵かきツールとしてしか遊ばれていないのが惜しいので、動画をつくりました。「サバイバルモード」の面白さをなんとか知ってもらい、ほかの実況者の人にも動画を上げてもらって、どんなプレイをするのか僕も楽しみたいなと。
自分が動画をアップしていた頃、「サバイバルモード」の動画で話題だったのは、J-monさん(※3)くらいで。少し遅れて方向音痴さん(※4)の動画が人気でしたね。J-monさんは普通に遊ぶのではなく、解説動画でしたが。
──ぬどんさんの動画では、クリーパーが思わぬタイミングで現れて、一生懸命建てた家を破壊してしまうことが面白さの1つでした。アルファ版はクリーパーの出る頻度が多かったのでしょうか?
ぬどん 現在と同じだと思います。当時はモンスターの出現を抑える「湧き潰し」(※5)という技術が知られていなかったので、モンスターがひっきりなしに現れていました。
実は自分が動画を出しはじめて、しばらくした後に湧き潰しの方法が広まりつつあったんですが、モンスターが多く出るほうが「動画的におもしろいな」と思って、僕はそのままにしていました(笑)。
──ぬどんさんがアップしている他の動画に比べて、『マインクラフト』の実況は編集に力を入れている印象です。
ぬどん 今じゃ絶対にやらないですね(笑)。自分は基本的にゲームを遊ぶときはすべて生放送で配信をしていて、楽しかったらそのまま動画にしています。ちゃんと編集したほうが面白くなるとは思いますが、カットするのがなんとなくもったいなくて。
面倒くさがり屋というのもありますが。ただし、あの「史上最大の(中略)マインクラフト実況」シリーズだけは、他の人にプレイ動画をつくってもらえるくらいゲームの面白さを印象づけたくて。編集を頑張りました。 ──随所にテレビ番組のパロディ的な演出が入っていますね。
ぬどん それもゲームを面白く見せるための工夫の1つでした。もともとは生放送の配信時に、クリーパーに何度も家を壊されたのがきっかけです。
当時、『大改造!!劇的ビフォーアフター』が流行っていたのもあって、視聴者とのやり取りで「あいつがリフォームの匠なんじゃないか」という話になって。クリーパーを「匠」と呼ぶようにしました。
それから、動画全体にテレビ番組の要素を取り入れるようにしました。あまり知られていない『マインクラフト』をそのまま見せるのではなく、知っているものに絡めて見せたほうが面白いと錯覚させられると考えて。
ただ、あの方法はグレーというより、ブラックだと思っているので、もうやりません。ちなみに、クリーパーを「匠」と呼ぶこと自体を広めたのは別の実況者ですね。その元ネタとして知られたという感じです。
──ぬどんさんの動画が人気になり、『マインクラフト』動画が流行しました。その時の心境を教えてください。
ぬどん 「やったぜ!」と思いました。サバイバルモードをプレイする動画が見たいと思って、動画をつくり、その目標が達成されたので。
でも、しばらくはその状況に満足してしまって、自分では動画つくらなくなってしまったんですよね。一視聴者として動画を見る側になっていました。 ──その後、動画だけではなく、ゲームも爆発的に流行しました。世間的にここまで普及するか予測できましたか?
ぬどん できなかったですね。当時は、インターネットで調べながらでないと遊べないというハードルの高さから、一部のゲーマーしかプレイしていなかったので。
ただし、個人的にゲーマーは日常的に遊び続けるだろうなとは思っていました。実際には、PCだけでなく家庭用ゲーム機やスマホにも移植されて、ゲーマーどころか一般人レベルで遊ばれていますが。
──先ほど挙がったJ-monさん、「方向音痴のマインクラフト」のBellさん含め、マインクラフトを流行らせた1人に、ぬどんさんが挙がると思いますが、ご自身はどう思いますか?
ぬどん 流行らせたわけではないと思いますよ。流行るのをちょっと早めたかなといった感じです。僕が実況動画をやらなくても『マインクラフト』は絶対に流行っていたでしょう。
──ニコニコ動画では『マインクラフト』流行のきっかけを生んだ一人と目されながら、流行はゲーム自体の面白さからと謙遜するぬどんさん。
ゲーマー、あるいは動画実況者として、純粋に楽しいゲームを周りに広めたいという思いがあったからこそ、マインクラフトの流行を巻き起こしたのではないだろうか。
※3 J-monさん…ニコニコ動画で、最古のマインクラフト実況動画を公開したことで知られる実況者。動画中、たびたび出てくる流暢な英語から「インチキ外国人」とコメントされ、自身も「インチキ外国人」の名を冠した動画を公開。
※4 方向音痴さん…現在も続く人気シリーズ「方向音痴のマインクラフト」をニコニコ動画に公開する実況者。動画タイトルから「方向音痴の人」「方向音痴さん」と呼ばれることが多いが、正しい実況者名はBell。
※5 湧き潰し…マインクラフトでモンスターが出現しないようにする手法。基本的には明るい場所には現れないため、松明などの光源を一定間隔設置することを指すことが多い。
『マインクラフト』の世界は、立方体のブロックで構築されており、そのブロックを破壊したり、設置したりできるのが特徴だ。エンディングは用意されているものの、基本的には自由に遊べるゲームである。
それは一方で、目的がわからず、どう遊べばいいのか迷うことも意味する。楽しみ方がわかりにくいゲームにも関わらず、ここまで普及したのにはYouTubeやニコニコ動画など動画配信サービスが一役買っていることだろう。
それでは『マインクラフト』はいつ頃から日本で流行しはじめたのだろうか? 今回は、そのきっかけをつくったと言われる動画実況者の1人、ぬどんさんに直撃。当時の状況を振り返ってもらった。
取材、文:杉山大祐 編集、撮影:ふじきりょうすけ
お絵かきツールでしかなかった『マインクラフト』
──ぬどんさんはかなり早い段階で『マインクラフト』に注目していたかと思います。どのようにして知ったのでしょうか?ぬどん 僕が動画を公開した2010年11月時点で、ゲーマーたちの間で『マインクラフト』はすでに流行っていました。ただし現在とは違い、ゲームではなく、ブロックでさまざまなものをつくる3Dお絵かきツールとして遊ばれていたんです。
最初にリリースされたクラシック版は、ブロックを自由に組み立てる「クリエイティブモード」しかなかったので、そうした遊び方がほとんどでした。「マインクラフトで○○つくってみた」という動画が早い時期から公開されて、再生数を稼いでいた状況だったかと思います。
──そうだったのですね。当初はそんな遊び方で注目されていたことを知りませんでした。
ぬどん 『マインクラフト』の元ネタと言われている『Infiniminer』も同じ状況だったようです。自分たちの陣地でより多くの鉱石を採掘することが目的の対戦ゲームなだったのですが、陣地にあるブロックを組み立てて、何かをつくることのほうが面白かったようで。誰も対戦をしなくなってしまったそうです。
個人的には、お絵かきツールとして遊ばれていた頃は、存在を知っていたものの、あまり興味を持てなかったです。遊ぼうと思ったのは、アルファ版が登場してからですね。
──アルファ版になって興味を持ったのは、どんな理由から?
ぬどん マインクラフトの世界を冒険する「サバイバルモード」が追加されたんです。正確には、アルファ版の前段階のIndev版に搭載されていたようですが、このモードは、夜になると、ゾンビなどのモンスターが襲ってくるんです。
ですが、当時はベッド(※1)が実装されておらず、復活地点を変更できなかったんです。なので、どんなに移動していても主人公が死んだらスタート地点に戻される点や、明かりを照らす松明の素材になる木炭もなかったので、石炭を探して採掘しなければならないことなど、現在よりもかなりハードなゲームでした。
モンスターに襲われるときは、ほとんどホラーゲームに近い緊張感でしたね。 ぬどん 夜が来るとモンスターに襲われてしまうので、主人公の身を守るために家をつくらないといけないんですね。
そうした身を守る行為が、家を建てるというクリエイティブに繋がるのがすごいなと感じました。 ぬどん しかも、「クリーパー」というモンスターは、主人公に近づくと、自爆してせっかく建てたものを破壊してしまうんです。プレイヤーがつくったものを理不尽に壊すなんて、当時はかなり衝撃的でした。
※1 ベッド…マインクラフト Beta 1.3より実装されたアイテム。設置して、夜に使用することで時間を朝までスキップできるほか、ベッドを設置した場所を復活地点に変更できる。
マイクラが受け入れられたのは『Demon's Souls』のおかげ?
──現在の『マインクラフト』はかなりマイルドになっているということでしょうか。ぬどん どんどん親切になっています。例えば、現在のコンシューマー版は道具のレシピが表示されるので、いちいち調べなくてもよくなりましたね。万人向けになったのではないでしょうか。
もともとは、どんな素材をどのように組み合わせれば、目的の道具がつくられるのか、ゲーム内で知る機会はほとんどありませんでしたから。 ぬどん インターネットでレシピを調べる必要があった当初の『マインクラフト』は、チュートリアルなどで丁寧に説明されて、何も見ずに遊べて内容が理解できる他のゲームとは違って、かなりハードルが高い印象でした。
しかし、当時はそれを含めて楽しめました。『マインクラフト』が出る少し前、ニコニコ動画では、『I WANNA BE THE GUY』という「死にゲー」と呼ばれる高難易度ゲームの実況が話題になりました。
プレイヤーが失敗して死ぬ際のリアクションが面白くて、実況動画としても人気が高いコンテンツになったのです。さらに、フロム・ソフトウェアの『Demon's Souls』(デモンズソウル)(※2)が発売され、高難易度ゲームのプレイヤーや動画が増えました。
『マインクラフト』が流行しだしたのは、そんなハードな難易度のゲームが受け入れられやすいタイミングだったのではないでしょうか。
※2Demon's Souls…フロム・ソフトウェアが開発したプレイステーション3用アクションRPG。近年稀に見る難易度の高さで、主人公が死んでゲームオーバーになる頻度が多いことから「死にゲー」と呼ばれ、人気を博した。
合計再生数990万回以上! 「史上最大の(中略)マインクラフト実況」誕生秘話
──お絵かきツールとして遊んでいる動画が多いなか、「サバイバルモード」を遊んだぬどんさんの「史上最大の(中略)マインクラフト実況」が公開されました。どういう思いで、動画をつくったのでしょうか?ぬどん 「サバイバルモード」があんなに楽しいのに、お絵かきツールとしてしか遊ばれていないのが惜しいので、動画をつくりました。「サバイバルモード」の面白さをなんとか知ってもらい、ほかの実況者の人にも動画を上げてもらって、どんなプレイをするのか僕も楽しみたいなと。
自分が動画をアップしていた頃、「サバイバルモード」の動画で話題だったのは、J-monさん(※3)くらいで。少し遅れて方向音痴さん(※4)の動画が人気でしたね。J-monさんは普通に遊ぶのではなく、解説動画でしたが。
──ぬどんさんの動画では、クリーパーが思わぬタイミングで現れて、一生懸命建てた家を破壊してしまうことが面白さの1つでした。アルファ版はクリーパーの出る頻度が多かったのでしょうか?
ぬどん 現在と同じだと思います。当時はモンスターの出現を抑える「湧き潰し」(※5)という技術が知られていなかったので、モンスターがひっきりなしに現れていました。
実は自分が動画を出しはじめて、しばらくした後に湧き潰しの方法が広まりつつあったんですが、モンスターが多く出るほうが「動画的におもしろいな」と思って、僕はそのままにしていました(笑)。
──ぬどんさんがアップしている他の動画に比べて、『マインクラフト』の実況は編集に力を入れている印象です。
ぬどん 今じゃ絶対にやらないですね(笑)。自分は基本的にゲームを遊ぶときはすべて生放送で配信をしていて、楽しかったらそのまま動画にしています。ちゃんと編集したほうが面白くなるとは思いますが、カットするのがなんとなくもったいなくて。
面倒くさがり屋というのもありますが。ただし、あの「史上最大の(中略)マインクラフト実況」シリーズだけは、他の人にプレイ動画をつくってもらえるくらいゲームの面白さを印象づけたくて。編集を頑張りました。 ──随所にテレビ番組のパロディ的な演出が入っていますね。
ぬどん それもゲームを面白く見せるための工夫の1つでした。もともとは生放送の配信時に、クリーパーに何度も家を壊されたのがきっかけです。
当時、『大改造!!劇的ビフォーアフター』が流行っていたのもあって、視聴者とのやり取りで「あいつがリフォームの匠なんじゃないか」という話になって。クリーパーを「匠」と呼ぶようにしました。
それから、動画全体にテレビ番組の要素を取り入れるようにしました。あまり知られていない『マインクラフト』をそのまま見せるのではなく、知っているものに絡めて見せたほうが面白いと錯覚させられると考えて。
ただ、あの方法はグレーというより、ブラックだと思っているので、もうやりません。ちなみに、クリーパーを「匠」と呼ぶこと自体を広めたのは別の実況者ですね。その元ネタとして知られたという感じです。
──ぬどんさんの動画が人気になり、『マインクラフト』動画が流行しました。その時の心境を教えてください。
ぬどん 「やったぜ!」と思いました。サバイバルモードをプレイする動画が見たいと思って、動画をつくり、その目標が達成されたので。
でも、しばらくはその状況に満足してしまって、自分では動画つくらなくなってしまったんですよね。一視聴者として動画を見る側になっていました。 ──その後、動画だけではなく、ゲームも爆発的に流行しました。世間的にここまで普及するか予測できましたか?
ぬどん できなかったですね。当時は、インターネットで調べながらでないと遊べないというハードルの高さから、一部のゲーマーしかプレイしていなかったので。
ただし、個人的にゲーマーは日常的に遊び続けるだろうなとは思っていました。実際には、PCだけでなく家庭用ゲーム機やスマホにも移植されて、ゲーマーどころか一般人レベルで遊ばれていますが。
──先ほど挙がったJ-monさん、「方向音痴のマインクラフト」のBellさん含め、マインクラフトを流行らせた1人に、ぬどんさんが挙がると思いますが、ご自身はどう思いますか?
ぬどん 流行らせたわけではないと思いますよ。流行るのをちょっと早めたかなといった感じです。僕が実況動画をやらなくても『マインクラフト』は絶対に流行っていたでしょう。
──ニコニコ動画では『マインクラフト』流行のきっかけを生んだ一人と目されながら、流行はゲーム自体の面白さからと謙遜するぬどんさん。
ゲーマー、あるいは動画実況者として、純粋に楽しいゲームを周りに広めたいという思いがあったからこそ、マインクラフトの流行を巻き起こしたのではないだろうか。
※3 J-monさん…ニコニコ動画で、最古のマインクラフト実況動画を公開したことで知られる実況者。動画中、たびたび出てくる流暢な英語から「インチキ外国人」とコメントされ、自身も「インチキ外国人」の名を冠した動画を公開。
※4 方向音痴さん…現在も続く人気シリーズ「方向音痴のマインクラフト」をニコニコ動画に公開する実況者。動画タイトルから「方向音痴の人」「方向音痴さん」と呼ばれることが多いが、正しい実況者名はBell。
※5 湧き潰し…マインクラフトでモンスターが出現しないようにする手法。基本的には明るい場所には現れないため、松明などの光源を一定間隔設置することを指すことが多い。
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杉山大祐
編集者、ライター
有限会社ノオト所属の編集者、ライター。企業のオウンドメディアの編集や執筆、SNS運用を担当。家庭用ゲーム機からPCゲーム、アーケード、アナログゲームまでをまんべんなく遊ぶ無類のゲーム好き。Twitter ID:@doku_sho
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