上坂すみれ×山戸結希も! 最果タヒの詩を原作に若手監督が短編を公開

上坂すみれ×山戸結希も! 最果タヒの詩を原作に若手監督が短編を公開
上坂すみれ×山戸結希も! 最果タヒの詩を原作に若手監督が短編を公開
詩人/小説家・最果タヒさんの詩集を原作に、若手監督と女性アーティストがコラボするショートフィルム集「さいはてれび」が、2月13日(月)より、フジテレビオンデマンド(FOD)にて配信開始された。

配信されているのは3作品。声優・上坂すみれさんが主演し、映画『溺れるナイフ』で知られる山戸結希さんが手がけた「文庫の詩」。

音楽ユニット・ORESAMAぽんさん主演、ポルノグラフィティー、酸欠少女さユりさんなどのMVを手がける荒船泰廣さんが監督した「恋する心臓」。

そして、シンガーソングライター・吉澤嘉代子さんが出演し、大阪芸術大学の卒業制作『SLUM-POLIS』が全国で劇場公開された二宮健さんが監督した「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」が公開されている。

今最も注目される若手詩人・最果タヒ

最果タヒさんは、2004年からインターネット上で詩を公開し、2008年、京都大学在学中にデビュー詩集『グッドモーニング』を発表。当時女性としては最年少の21歳で「中原中也賞」を受賞した。

文庫版『グッドモーニング』

以降、詩集や小説を発表し続け、最新詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は、『舟を編む』の石井裕也監督によって映画化。5月公開の予定だ。

最果タヒ×気鋭監督×女性アーティスト

「さいはてれび」は、そんな最果タヒさんの詩集『死んでしまう系のぼくらに』、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』を原作とした3編からなる短編映画集。

映像だけでなく、各話気鋭アーティストが楽曲を提供しており、「恋する心臓」では男女2人組ユニット・ORESAMAの小島英也さん、「文庫の詩」ではブルータルオーケストラ・Vampillia。「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」ではディスコパンクバンド・Have a Nice Day!浅見北斗さんが参加している。 また、ビジュアルは気鋭のデジタルアーティスト・watabokuさんが担当。繊細ながら力強い最果タヒさんの世界観を象徴するかのようなイラストを描きあげた。

それぞれの作品のあらすじと、最果さん/出演者からのコメントは以下の通り。

#1 「恋する心臓」

フクはサイコキネシスが使える女の子。
超能力の研究のため研究施設に収容されているが、
別の被験者のゆーりのことが気になっている。
そのゆーりから、ある日施設を脱走して
「東京」に逃げようと誘われるフク。
能力を駆使して脱走に成功したフク達であったが、ある事故が起こる。  「恋する心臓」(監督:荒船泰廣)あらすじ

生きていても、それが未来への自分に期待することだとは思えなかった。どれほどに夢を見ても、なにかを手に入れたいという感情が溢れても、それで幸せになれるという確信があったわけじゃない。どうあがいてもこの虚しさからは逃れられない気がして、だからこそ、欲してしまう。それが夢で、希望だとして、そのために身を焦がすことは、愚かなんだろうか。生きて、自分の愚かさに直面しながらそれでも、明日のことを、明後日のことを、考えられるならそれだけでその人は強く、美しい。 「恋する心臓」最果タヒ コメント

私の演じる主人公のフクは、まるで私の写鏡のような子でした。内向的で自信がなくて、臆病で。だから彼女の言動にどんな気持ちが隠れているのか手に取るように分かる気がして、初めて台本を頂いた時からずっと彼女を抱きしめてあげたい気持ちでいっぱいでた。演技は初めてでしたが、沢山の方のお力添えにより、奇妙で切ない、とても素敵な作品になりました。「恋する心臓」ぜひ見て下さい。 「恋する心臓」ぽん(ORESAMA) コメント

#2 「文庫の詩」

さい「ひとはね、何を汚いと思うかで、その人の価値が決まるんだよ」
はて「どういうこと?」
どうしようもなく続いてしまう場所、
離れ離れになってゆくふたり。
口ずさむのか、叫ぶのか。
一篇の詩が、離れ離れになってゆく。  「文庫の詩」(監督:山戸結希)あらすじ

簡単に「私達」という言葉を、私達は使ってしまうけれど、私とあなたの痛みが、一致することなんてきっと永遠にないとも知っている。私とあなたが見ているものはいつだって違っていて、感情を共有なんてできるわけもなかった。それでも近くで生きていくことができたのは、あなたが引き裂かれそうになりながら言葉を叫ぶからだ。誰かにわかってもらおうなんて思っていない、あなたの精一杯の言葉に、息遣いに、触れて、私はあなたの共犯者になろうと決める。それが、私達が「私達」という言葉を叫ぶ、唯一の瞬間。 「文庫の詩」最果タヒ コメント

普段は声優として声のお芝居をしているので、映像の作品に参加させていただくと聞いたときはとても驚きました。監督のイメージは自由自在で、その場で次々に変化していくので、「台本を読んできて、あらかじめ作ってきたものを出す」ということが成立しない、そして自分を取り繕うことのできない空間でした。「文庫の詩」の、有機的な鉱物みたいなこの詩の言葉の力が、届くことを願います。 「文庫の詩」上坂すみれ コメント

#3 「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」

ウラノスは、自分の凡庸を嘲り笑うが、
アフロディテは、自分の凡庸がどこにあるのかなんて知らない。
ウラノスは、自分の関心を知っているが、
アフロディテは、自分の「はい」も、自分の「いいえ」も、知らない。結局、「凡庸の恋人」は誰なのか、なんて、ふたりにも、ふたり以外にも、よく分からなくて。
それでもウラノスは、自分の凡庸が覆されることを期待した。
アフロディテは、自分の「はい」か、自分の「いいえ」くらいは、知られる気がした。  「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」(監督:二宮健)あらすじ

「理解」とは献身ではないし、「理解されない」ことは孤独ではないと、観ていて思います。拒絶が繰り返されていくたびに二人は近づき、理解が示された瞬間に、離れていく。誰かにとって別の誰かは必ず、「凡庸」になる、「天才」になる。けれど決して、同等にはなれないでいた。自分とまったく同じ存在はこの世界にはいないのだと信じつづけることだけが、他者に誠実でいるたった一つの方法で、だからこそ、彼女の冷たさはとても優しいと私は思う。 「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」最果タヒ コメント

生涯、ふとももは出さないと思っていました。初めてのニップレス、吸ったことのない煙草、美少女とのキス。もうわたしどうなっちゃうの~!という不安こそあったものの、二宮健監督から完成として送られた映像はうつくしいものでした。撮影ではほとんど睨んでおり、わたしの中の怒りをひとつの場所にあつめようと集中しました。すると愛情があふれてくるのです。ふと怒りと愛情は近しく在るのかと思いました。 「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」吉澤嘉代子 コメント

この記事どう思う?

この記事どう思う?

配信情報

「さいはてれび」

配信開始日
2月13日(月)15:00~
出演・スタッフ
「恋する心臓」
出演
ぽん(ORESAMA)
監督
荒船泰廣
楽曲
小島英也(ORESAMA)
「文庫の詩」
出演
上坂すみれ
監督
山戸結希
楽曲
Vampillia
「MEDIOCRITY GIRLFRIEND」
出演
吉澤嘉代子
監督
二宮健
楽曲
浅見北斗(Have a Nice Day!)
制作協力
THINKR
制作著作
フジテレビ

関連キーフレーズ

1件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。