文庫本『空が分裂する』

女性詩人・最果タヒさんの文庫本『空が分裂する』の刊行を記念したトークイベントが、11月18日（水）に東京・神楽坂のキュレーションストア・la kagu 2Fのイベントスペース「soko（ソーコ）」にて開催される。

これは、最果タヒさんと小説家・福永信さんが「LINE」で言葉を交わし合いながら言葉の進化・退化を体感するという前代未聞のトークイベント。最果タヒさん本人は会場に登壇せず、福永さんが「LINE」を使ってタヒさんとテキストと絵文字で対話し、その様子をスクリーンに映し出す。

「LINE」を通した福永さんとの詩の共作も予定されているほか、最果さん直筆サイン入りの「お土産」も用意されるという。

「言葉が分裂する」瞬間を体感せよ

最果タヒさんは、2004年よりネット上で自作の詩の発表を始め、2005年より現代詩専門月刊誌『現代詩手帖』への投稿をスタート。

そのビビッドかつ叙情的な作風が評価され、2006年に「第44回現代詩手帖賞」を受賞したほか、2008年には、京都大学在学中に詩集『グッドモーニング』で、女性としては当時最年少の21歳で「第13回中原中也賞」を受賞。

また、インベーダーゲームのように詩を撃ち抜くゲーム「詩ューティング」や、Webカメラで映し出された自分の鼻や口から詩を出すアプリ「わた詩」をWeb上で公開するなど、ユーモアに溢れたユニークな取り組みも積極的に行っている。

単行本版『空が分裂する』表紙

8月に刊行された『空が分裂する』は、2009年より少年漫画雑誌『別冊少年マガジン』で2年間にわたって連載された詩をまとめた、同名のイラスト詩集の文庫版。

萩尾望都さん、古屋兎丸さん、山本直樹さん、市川春子さん、西島大介さんなど、21名の漫画家・イラストレーターとコラボしたイラスト詩集となっている。

今回のトークイベント実施にあたって、最果タヒさんよりメッセージが寄せられている。現在、Peatixにてチケットを販売中だ。

「言葉が分裂する。
たった一つの意味を、封じ込めるために言葉はそこにあるわけじゃない。
ただの景色が、誰かにとっては悲しく、また、誰かにとっては喜びであるように。
ただの海が、山が、どこから眺めるかによって、まったく違う景色に見えるように。
言葉はそこにあっても、分裂していく。
今回は、福永信さんといっしょに、言葉が分裂し、そうしてひらかれていく時間を、
作れたらいいなと思っています。」Peatixイベントページより抜粋