連載 | #1 ジョジョの奇妙な音楽

ジョジョの奇妙な音楽 vol.1 70年代ロックを知るとジョジョを3倍楽しめるッ!!

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ジョジョ界最強(?)のハードロックアーティストAC/DC!

ちなみに、余談ながら「ジョジョ」においてこの最強のハードロックバンド2組の間を縫って、圧倒的な対アーティスト戦歴を勝ち誇るバンドがいます。それが・・・AC/DC

あの第2部のキャラ・エシディシをはじめ、スタンド、キャラクター名、キャラクター造形、果ては物語のタイトルなど、様々な箇所に数え切れないほど登場しているこのアーティスト。

それだけに、ジョジョにおいては、ツェッペリン、パープルと同列に紹介せねばならない、最強クラスのアーティストでしょう。
誰かが言った。 「オーストラリアにはコアラとアンガス・ヤング(AC/DCのギター)しかいない」と。 暴力的な表現だが、AC/DCを称えるのにこれほどの言葉があるものか!

オッサン集いてスクールボーイの格好をす、絵的にキッツいハードロックバンド、AC/DC。 そのシンボルはやはり、アンガス・ヤングだ!! この映像の赤ジャケの男、そしてこの画像の「クワッ」としたツノの男だ!!

このジャケは「ハイウェイ・トゥ・ヘル」。 アルバム名が第6部にいた自殺願望者のスタンドでもあるぞ!
ちなみにこのアンガス・ヤングと全く同じ表情を見せたキャラクターがいたはずなのですが、一体どこでみかけたやら筆者も思い出せない・・・。

そして人口2000万人の国で1000万枚のアルバムを売り上げたAC/DC(ギャグかよ!!)の数ある名曲の中でも、特にライブのトリでたびたび演奏される大人気曲といえば、「ダーティ・ディーズ・ダン・ダート・チープ」。 そう、第7部のラスボス(?)、ファニー・バレンタイン大統領の凶悪なスタンドだ!

冒頭のアンガス・ヤングのケンケンみたいな足の動き。 これはファンの間では「ダック・ウォーク(アヒル歩き)」として親しまれる名物ジェスチャーだ!

この映像は「Live At River Plate」からだが、音源なら「AC/DC LIVE(1992)」のドニントンパークでのライブ音源の方がいい。とにかくAC/DCはいいライブ盤がいっぱいあるにも拘わらず、どれも中古でさえ値段が落ちないので、集めるのに苦労するぞ!

7部連載当時、AC/DCが久々に日本にやってくるということで、ロックファンの間ではかなりの期間にわたって盛り上がりがありました。まさかその影響かどうか、ラスボスのスタンドがAC/DCで来るとは。そして勢いあまってジャイロ・ツェペリ(レッド・ツェッペリン)を殺害してしまうとは!

ちなみに大統領はレッド・ツェッペリンのみならず、Dioも倒したぞ! つまり、AC/DCがツェッペリンもパープルゆかりのバンドも両方やっつけた

さらには80年代のハードロックを代表するアーティストであるガンズ・アンド・ローゼス(「アクセル・RO」は、ボーカルのアクセル・ローズから)も暗殺し、ファンクミュージックの帝王、ジェームズ・ブラウン(ホット・パンツの元ネタ)も、グラム・ロックの神様デヴィッド・ボウイ(7部のDioの能力「スケアリー・モンスターズ」はボウイのアルバム名から)にも勝ったぞ、わはは!!

ははははははは・・・はあ。

つまり、これはどういうことか。

レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、AC/DC…ジョジョの奇妙な音楽!

いつだって主人公を導き続けたツェペリ一族。 そして「正しい道」を突き進んだ結果、悪役になった、プッチ神父。

一方で、ディープ・パープルとその周辺は、ディオをはじめとしたさまざまな魅力的な悪役たちが蠢いていました。

そして、名だたる主力アーティストを倒し、ツェペリ一族とディオすらも殺めたジョジョ界最強の戦歴を持つオーストラリアのコアラ、AC/DC。

結論。レッド・ツェッペリンは正義。ディープ・パープルは魅力的な悪役。そしてAC/DCはトータルでジョジョ界最強!!! 以上!!!!


ということで、ツェッペリンファンからもパープルファンからも罵声が飛んできそうな結果になってしまった第1回でしたが、いかがでしたでしょうか。筆者は本日からしばらくの間、北に枕を向けて眠れません。

本連載初回は、超王道のど真ん中ロックミュージックにいる3アーティストを切り口にして、ジョジョの8代に渡る戦いの物語を俯瞰してみました。

(といいつつ、第8部にもディープ・パープルが登場したり、第7部にはAC/DCネタがいくつも転がっていたりなど、すべてのネタは拾い切れていないのですが・・・)

実は、ジョジョの第2部を除いて第1部から第7部まで、すべてのボスは70年代のロックアーティストです。

第1部はロニー・ジェイムズ・ディオ(ディープ・パープル系列)。
第3部もロニー・ジェイムズ・ディオ(ディープ・パープル系列)。
第4部はクイーン。
第5部はキング・クリムゾン。
第6部はホワイトスネイク(ディープ・パープル系列)からレッド・ツェッペリン。ただし、前述したように単行本ではクイーン。
第7部はAC/DC。またはロニー・ジェイムズ・ディオ(ディープ・パープル系列)かデヴィッド・ボウイというべき? 筆者がなにを迷っているか知りたい方は、今すぐ単行本を読破だ!)

連載第2回は、残りのボスを紐解くべく、今回と同時代にして別タイムラインのロックの歴史に触れていきます。
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ジョジョの奇妙な音楽

みんな大好き『ジョジョの奇妙な冒険』。 アニメも大人気のジョジョシリーズは、キャラクターやスタンドの名前が音楽からとられていることも有名です。 ジョジョをさらに数倍楽しむことができるように、元ネタの音楽はもちろん、そのアーティストのキャラクター性や時代背景などを解説する連載です。

AnitaSun

同人音楽サークルBitplane主催

Bitplane、愛新覚羅溥儀の名義で活動もするITエンジニア・作曲家。 2014年4月にWebサービス「同人音楽超まとめ」をリリース、同年11月にはpixivと共同でweb同人音楽即売会「APOLLO」を立ち上げ、ネットで大きな話題を生む。
http://bitplane.info/
http://dm-matome.com/

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